河北新報
東京電力福島第1原発から汚染水が海に流出している問題で、政府の原子力災害対策本部は7日、流出量は1日約300トンに上るとの試算を初めて明らかにした。地下水が敷地内で汚染されて流出しているのが原因で、完全に防ぐのは困難とみられる。政府と東電は護岸付近で地下水をくみ上げて流出量を減らす対策を急ぐ。くみ上げ量は来年9月までに計約4万トンに達するという。
一方、原子炉建屋への地下水流入を防ぐため経済産業省が国費の投入を検討していることが7日、明らかになった。建屋周辺の土を凍らせる「凍土遮水壁」の関連費用を2014年度予算の概算要求に盛り込む方向だ。
政府はこれまで廃炉に向けた研究開発費を支援してきたが、汚染水対策として予算計上すれば初めてとなる。安倍晋三首相は7日の原子力災害対策本部の会議で「東電に任せるのではなく、国としてしっかりと対策を講じる」と述べ、早急な対策を実施するよう茂木敏充経産相に指示した。
政府の試算によると、第1原発1~4号機周辺では1日約1000トンの地下水の流れがあり、このうち約400トンが原子炉建屋地下などに流入。残り約600トンのうち約300トンは、建屋地下とつながるトレンチ(海水配管や電源ケーブルが通る地下道)にたまっている高濃度の汚染水と混ざって汚染され、海に流出している。残る約300トンは汚染されずに海に流れ込む。
試算は東電が検討している護岸付近でのくみ上げ量などを基に算出したが、詳細な根拠は示さなかった。東電は「流出の可能性は否定しないが、300トン流出していると考えているわけではない」としている。
政府と東電はトレンチ内の汚染水抜き取りを今月中旬から開始するとともに、護岸付近での地下水くみ上げを9日に始める。1~4号機の周囲の地盤を凍らせて地下水流入を防ぐ凍土遮水壁は抜本対策として挙げられているが、工事完了までに1~2年かかる。工事費は300億~400億円と見積もられている。
2013年08月08日木曜日
東京電力福島第1原発から汚染水が海に流出している問題で、政府の原子力災害対策本部は7日、流出量は1日約300トンに上るとの試算を初めて明らかにした。地下水が敷地内で汚染されて流出しているのが原因で、完全に防ぐのは困難とみられる。政府と東電は護岸付近で地下水をくみ上げて流出量を減らす対策を急ぐ。くみ上げ量は来年9月までに計約4万トンに達するという。
一方、原子炉建屋への地下水流入を防ぐため経済産業省が国費の投入を検討していることが7日、明らかになった。建屋周辺の土を凍らせる「凍土遮水壁」の関連費用を2014年度予算の概算要求に盛り込む方向だ。
政府はこれまで廃炉に向けた研究開発費を支援してきたが、汚染水対策として予算計上すれば初めてとなる。安倍晋三首相は7日の原子力災害対策本部の会議で「東電に任せるのではなく、国としてしっかりと対策を講じる」と述べ、早急な対策を実施するよう茂木敏充経産相に指示した。
政府の試算によると、第1原発1~4号機周辺では1日約1000トンの地下水の流れがあり、このうち約400トンが原子炉建屋地下などに流入。残り約600トンのうち約300トンは、建屋地下とつながるトレンチ(海水配管や電源ケーブルが通る地下道)にたまっている高濃度の汚染水と混ざって汚染され、海に流出している。残る約300トンは汚染されずに海に流れ込む。
試算は東電が検討している護岸付近でのくみ上げ量などを基に算出したが、詳細な根拠は示さなかった。東電は「流出の可能性は否定しないが、300トン流出していると考えているわけではない」としている。
政府と東電はトレンチ内の汚染水抜き取りを今月中旬から開始するとともに、護岸付近での地下水くみ上げを9日に始める。1~4号機の周囲の地盤を凍らせて地下水流入を防ぐ凍土遮水壁は抜本対策として挙げられているが、工事完了までに1~2年かかる。工事費は300億~400億円と見積もられている。
2013年08月08日木曜日