沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

中北組合に対する沖縄県の責務を考える(その4)※中北組合方式

2016-06-20 08:06:33 | ごみ処理計画

その4は、中北組合方式について書きます。

なお、この方式は廃棄物処理法の基本方針や県の廃棄物処理計画をよく知らない中城村と北中城村の議員の皆様や住民の皆様には理想的な方式のように感じるはずです。

なぜなら、平成15年度に供用を開始したごみ処理施設(青葉苑)の更新を行わずに他の市町村(浦添市)に国の補助金を利用して新たなごみ処理施設を整備することができる方式になっているからです。

しかし、市町村(住民)が国の補助金を利用してごみ処理施設を整備するためには、廃棄物処理法の基本方針や県の廃棄物処理計画に適合する事務処理を行わなければなりません。それが日本のルールです。

ということで、まず、下の画像をご覧下さい。

これは、中北組合方式の特徴を整理した資料です。中北組合がこの方式を採用して平成26年3月にごみ処理計画を改正したときには他の市町村との広域処理は検討課題から除外していたので、中北組合方式は基本的にはこのような方式になっています。

中北組合方式の特徴は国の補助金を利用してごみ処理施設を整備した場合に、10年を経過した段階で廃止しても補助金の返還が不要になる「包括承認事項」が無条件で適用されるという前提になっていることです。そして、組合が必要と判断した施設(例えば焼却炉)については老朽化するまで(約20年間)使用して、不必要と判断した施設(例えば溶融炉)については廃止又は休止して、代替措置等は講じずに民間委託により次の施設を新設するまで繋いで行くという方式になっています。このため、この方式には国の補助金を利用して長寿命化計画を策定する事務処理や国の補助金を利用して長寿命化を実施するという事務処理はないことになります。そして、建物は20年程度で廃止することになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、その3で使用した資料と同じものです。なお、この資料は上の資料の30年のところが広域施設を新設する計画になっています。

中北組合(中城村・北中城村)は平成28年3月に浦添市との広域処理を推進することを決定していますが、平成28年度においても平成27年度までと同じ民間の発想で事務処理を行っている場合は、県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否したままでも国の補助金を利用して広域施設の整備を行うことができると考えていることになります。なお、市町村が県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否する事務処理は廃棄物処理法の基本方針を無視する事務処理になります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、国や県から見た中北組合の事務処理になります。

中北組合方式を国や県から見た場合は、中北組合がごみ処理計画を改正して広域施設の供用を開始するまでの約10年間は「空白期間」ということになります。なぜなら、この10年間は地方公共団体(中北組合)が公共の発想ではなく民間の発想で事務処理を行っている期間になるからです。もちろん、そのような事務処理は国や県から見た場合は不適正な事務処理になります。なお、この中北組合方式を国が適正な事務処理と判断した場合は、廃棄物処理法の基本方針を見直さなければならないことになります。そして、地方財政法(第8条)や廃棄物処理法(第6条第3項)を改正しなければならないことになります。しかし、そうなった場合は国の長寿命化政策は完全に崩壊することになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、国の公式ルールを遵守した空白期間に関する適正方式です。2つ目の画像はその根拠を示す資料です。

 防衛省財産処分承認基準(包括承認事項)

 この方式は公共の発想で考えれば当たり前の方式になりますが、中北組合方式はこの「国の公式ルール」を無視した方式になります。なお、この適正方式における「溶融炉と同様の社会資源」としては最終処分場が該当しますが、国は平成27年度から5年分以上を確保していれば充足していると判断しています。ちなみに、それまでは15年分以上でした。

原寸大の資料(画像をクリック) 

 

下の画像も、国の公式ルールを遵守した空白期間に関する適正方式ですが、中北組合の区域内に既存施設と同様の社会資源が充足していない場合の特例方式になります。2つ目の画像はその根拠を示す資料です。

 防衛省財産処分承認基準(包括承認事項)

この方式が、このブログの管理者が溶融炉を再稼動したくないと考えている中北組合には最も適した方式になると考えているものです。また、最終処分場を整備していない中北組合が同じく最終処分場を整備していない浦添市との広域処理を推進するためにはこの方式を採用する以外に選択肢はないと考えています。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

 

下の画像は、全国共通の一般的な方式を整理した資料です。 上の2つの適正方式に適合しない場合は、この方式を採用することになりますが、この方式がいわゆる長寿命化方式(ストックマネジメント方式)ということになります。2つ目の画像は一番上の画像の中北組合方式と比較するために作成した資料です。

浦添市は一般的な焼却炉と溶融炉を所有している地方公共団体としてこのような事務処理を行っています。しかし、中北組合は国内で稼動している事例や長寿命化が行われている事例のない一般的ではない特殊な溶融炉を所有しています。もしかすると初めから10年だけ使用するつもりで整備した溶融炉かも知れませんが、この溶融炉を再稼動して長寿命化を行うことは中北組合だけでなく浦添市にとってもギャンブルになります。なぜなら、浦添市が中北組合(中城村・北中城村)と広域組合を設立すると、この溶融炉は広域組合の溶融炉になるからです。

 原寸大の資料(画像をクリック)

 

下の画像は、上の資料にある地域計画の策定に関する条件を整理した資料です。なお、地域計画を策定する場合は、適正方式であっても一般方式であっても、同じ事務処理になります。もちろん、中北組合方式であっても、同じ事務処理になります。 

中北組合が広域組合(一部事務組合)を設立する場合は、事前に広域施設を整備するための地域計画を策定して国(環境省)の承認を受ける必要があります。広域組合も中北組合も地方公共団体なので、その場合は、上の資料にある4つの条件をクリアしなければなりません。

原寸大の資料(画像をクリック) 

下の画像は、中北組合が平成28年度も平成27年度までと同じように民間の発想で事務処理を行っている場合を想定して作成した資料です。

このように、浦添市は上の3つの条件をクリアしていますが、中北組合がクリアしなければ、一番下の条件をクリアすることができないことになります。したがって、地域計画は非承認ということになり広域組合を設立することはできないことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、中北組合と浦添市のごみ処理計画と地域計画との関係を整理した資料です。

浦添市は平成29年度から地域計画の策定に着手する予定でいますが、その前に廃棄物処理法第6条第3項の規定に基づいて中北組合のごみ処理計画との調和を確保しなければなりません。また、平成28年度はインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」の策定期限になっているので、中北組合は「行動計画」を策定する前に法令違反を是正して公共の発想で事務処理を行わなければならないことになります。いずれにしても、中北組合が平成28年度も民間の発想で事務処理を行っている場合は広域処理を推進することはできないことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、中北組合の不適正な事務処理によって広域処理が白紙撤回になった場合を想定して作成した資料です。

市町村が国の基本方針や県の計画を無視して民間の発想で事務処理を行っている限り、国から財政的援助を受けることはできません。したがって、中北組合は自主財源(40億円以上)により既存施設の単独更新を行うことになります。そして、更新が困難な場合は別な場所に新たなごみ処理施設を整備することになります。それも困難な場合は中北組合を解散して各村が別々に新たなごみ処理施設を整備することになります。 なお、既存施設(青葉苑)についても廃止するまでは自主財源により老朽化対策を行うことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、中北組合方式の改正案ですが、この改正案は適正方式(2)と基本的に同じ方式になります。

浦添市との広域処理を前提にすると、県は中北組合に対して溶融炉の再稼動と長寿命化を行うように技術的援助を与えることはできないことになります。なぜなら、県は中北組合の溶融炉が国内では稼動している事例や長寿命化が行われている事例がない特殊な溶融炉であることを知っているからです。したがって、溶融炉については適正に廃止するための技術的援助を行うことになります。しかし、焼却炉(流動床炉)については、稼動している事例や長寿命化が行われている事例があるので、長寿命化を実施することについては問題なく技術的援助を行うことができます。ただし、中北組合は平成31年度に広域組合を設立する予定でいるので、平成30年度までには「地域計画」を策定しなければなりません。そうなると、平成30年度までには焼却炉の長寿命化を完了していなければならないことになります。したがって、平成29年度には代替措置を講じて溶融炉を廃止しなければならないことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、浦添市の議会が中北組合(中城村・北中城村)との広域組合を設立することを承認しなかった場合を想定して作成した資料です。

中北組合と中城村と北中城村の議会は浦添市との広域組合の設立については、間違いなく承認するはずですが、浦添市の議会が承認するかどうかは、浦添市が決定することです。しかし、万が一、浦添市の議会が広域組合の設立を承認しなかった場合であっても、中北組合が、①代替措置を講じて溶融炉を廃止して、②焼却炉の長寿命化を行っていれば、国の補助金を利用して単独更新を行うことができることになります。なお、単独更新が可能かどうかはこのブログの管理者には分からないことなので、この資料はあくまでも単独更新ができるという前提で作成しています。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、平成28年度において県が中北組合に対して県の第四期廃棄物処理計画に基づいて適正な技術的援助を行い、中北組合が県の技術的援助に従って適正な事務処理を行った場合を想定して作成した資料です。 


中北組合は県内(本島)では唯一、県の第三期廃棄物処理計画との連携・協力を拒否している自治体です。そして、県は平成28年度から新たに第四期廃棄物処理計画をスタートしました。したがって、県の職員は中北組合と一体となって第四期廃棄物処理計画の達成を図るために最低でも上の資料にある3つの技術的援助を行わなければなりません。そして、中北組合が浦添市との広域処理を推進するのであれば、上の資料にある2つの施策を実施することを決定しなければならないと考えます。

原寸大の資料(画像をクリック) 

下の画像は、読者の皆さんが県の職員になったつもりで、中北組合に対して適正な技術的援助を与えることを想定して作成した資料です。

まず、1つ目の画像で沖縄県の職員の服務規定を再確認していただいてから、2つ目の画像で不適正な技術的援助適正な技術的援助の内容をチェックしてみてください。 


このように、沖縄県の職員が服務規程(第3条)に従って中北組合に対して技術的援助を行う場合は、全体の奉仕者として誠実かつ公正に行わなければならないので、少なくとも上の資料の左にあるような技術的援助はできないことになります。なお、このブログの管理者は平成26年3月に中北組合がごみ処理計画を改正する前に、県が上の資料の右にあるような技術的援助を行っていれば、中北組合が不適正な事務処理を行うことは防げたと考えています。したがって、このブログの管理者は中北組合がごみ処理計画を改正する前も改正した後も県は中北組合に対して適正な技術的援助を行っていないか、上の資料の左にあるような県の職員の服務規程に違反する不適正な技術的援助を行っていた可能性があると考えています。

 原寸大の資料(画像をクリック)

 

 【沖縄県に対する県民からの要望】

このブログの管理者は中城村や北中城村の村民ではありませんが、沖縄県民なので、県民の1人として、沖縄県の職員の皆様に廃棄物処理法の規定に基づく県の責務を果たしていただけることを要望します。

なお、このブログの管理者が考えている沖縄県による中北組合に対する廃棄物処理法第4条第2項の規定に基づく適正な技術的援助の具体的な内容は下記の通りです。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

この技術的援助は中北組合方式の空白期間を適正化して浦添市との広域処理を推進するための技術的援助を前提にしています。

その5に続く


中北組合に対する沖縄県の責務を考える(その3)※県の廃棄物処理計画

2016-06-18 12:09:20 | ごみ処理計画

その3は県の廃棄物処理計画について書きます。

その前に、下の画像をご覧下さい。

これは、中北組合のごみ処理計画を整理した資料です。

ちなみに、このブログの管理者は、中北組合のごみ処理計画を中北組合方式と呼んでいます。

原寸大の資料(画像をクリック)

中北組合方式の特徴は、ごみ処理施設の経過年数が10年を超えると地域内に同様の社会資源が充足していない場合であっても無条件で「包括承認事項」が適用されるという前提になっているところです。したがって、経過年数が10年を超えた場合は、特別な措置を講じなくても補助金を返還せずにそのままごみ処理施設を廃止することができるという考え方をしていることになります。そして、廃止が可能であれば休止も可能であるという地方財政法第8条の規定(所有財産の所有の目的に応じた効率的な運用を行う義務)を無視した民間の発想で事務処理を行っていることになります。

また、もう1つの特徴は、「包括承認事項」が適用されない10年間だけは県の廃棄物処理計画との連携・協力を図るという他の市町村とは全く異なる考え方をしているところです。

このため、中北組合方式には「ごみ処理施設の長寿命化」という考え方はないことになります。

現在、中北組合は浦添市との広域処理を前提として事務処理を行っていますが、平成26年度から県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否しています。そして、溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行っています。しかも、平成27年度(供用開始から13年目)になっても焼却炉の長寿命化計画を策定していません。

このように、中北組合方式は国の補助金を利用するときだけは県の廃棄物処理計画との連携・協力を図るという方式になっているので、中北組合は広域施設を整備するまでは民間の発想で溶融炉を休止したまま焼却炉の長寿命化を行わずに焼却灰の委託処分を続けて行くことになります。

しかし、このような方式が通用しないことは読者の皆様にも容易に理解していただけると思います。

なぜなら、国や県が中北組合方式を適正な事務処理と認めた場合は、市町村に対してごみ処理施設の長寿命化を求めることができなくなるからです。

ちなみに、下の画像にあるように、国はごみ処理施設の長寿命化を行っていない(廃棄物処理法の基本方針に適合しない事務処理を行っている)市町村については財政的援助の対象外にしています。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、平成28年度における中北組合に対する沖縄県の職員の事務処理のフローと平成27年度までの中北組合の事務処理の実態を整理した資料です。

なお、この画像は、あくまでも県が中北組合に県の廃棄物処理計画を周知して、中北組合が県の廃棄物処理計画を知っているという前提で作成しています。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、平成27年度までの中北組合は県内(本島)では県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否している唯一の自治体になります。したがって、平成27年度における県は結果的に県の廃棄物処理計画の達成を図ることに失敗していることになります。 

県が中北組合に県の廃棄物処理計画を周知していない場合であって、中北組合が県の廃棄物処理計画を知らなかった場合は失敗していることになりません。しかし、その場合は県が廃棄物処理法の規定に違反して事務処理を行っていたことになります。そして、県の職員は地方公務員法に違反して事務処理を行っていたことになります。

なお、中北組合が県の廃棄物処理計画を知らずに事務処理を行っていた場合は「重大な過失」になります。

ということで、本題に入ります。

平成28年度から第四期沖縄県廃棄物処理計画がスタートしました。そこで、計画の中から市町村のごみ処理計画に関する部分を抜粋して記事を書くことにします。

第四期沖縄県廃棄物処理計画(平成28年度~平成32年度)

なお、この記事は、県の計画に記載されている順番に従って書くことにします。

まず、下の画像をご覧下さい。

これは、沖縄県廃棄物処理計画の位置づけに関する部分を抜粋したものです。

県の廃棄物処理計画には県民(このブログの管理者を含む)に対するメッセージが書き込まれていることになりますが、計画の位置づけについては「市町村のごみ処理計画と一体となって取り組むための計画」と書き込まれています。したがって、県は中北組合のごみ処理計画とも一体となって事務処理を行うことを県民(このブログの管理者を含む)に伝えていることになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

次の画像は、最終処分の課題に関する部分を抜粋したものです。

中北組合は平成26年度から溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行っているために最終処分量が増加する事務処理を行っています。しかし、県の計画は最終処分量を削減して行く計画になっているので、中北組合のごみ処理計画と一体となって事務処理を行うためには中北組合に対して焼却灰の民間委託処分を中止するための技術的援助を与える必要があることになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、最終処分量を削減するための具体的な計画に関する部分を抜粋したものです。 

 

第三期の廃棄物処理計画には最終処分量を削減するために溶融炉の整備を推進していくと書かれていましたが、第四期の廃棄物処理計画ではこのような表現になっています。しかし、県が中北組合に対して最終処分量を削減するために焼却灰の民間委託処分を中止するための技術的援助を行う場合は、休止している溶融炉の再稼動を求めることになると考えます。なぜなら、中北組合の溶融炉はまだ老朽化していない施設だからです。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、ごみ処理施設の長寿命化(延命化)に関する部分を抜粋したものです。

中北組合は平成26年度から溶融炉を休止して地方財政法第8条の規定に違反する不適正な維持管理(運用)を行っています。そして、平成27年度(供用開始から13年目)になっても焼却施設の長寿命化計画を策定していません。このような事務処理を行っているのは県内(本島)では中北組合だけです。したがって、普通に考えれば、県は中北組合に対して溶融炉の再稼動を求めて焼却炉とセットで長寿命化を行うように技術的援助を与えることになると考えます。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、県の廃棄物処理計画の推進に関する部分を抜粋したものです。

平成23年度からスタートした第三期廃棄物処理計画にもこのような記述がありましたが、中北組合は周知から3年後の平成26年度から県の計画との連携・協力を拒否しています。第四期廃棄物処理計画については既に中北組合に対して周知していることになりますが、県としては中北組合が県の廃棄物処理計画との連携・協力体制を復活するかどうかが目標達成に向けた重要な課題になると考えます。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、県と市町村との連携・協力に関する部分を抜粋したものです。

このように、県は第四期廃棄物処理計画においても、市町村との連携・協力を図るとしていますが、第三期廃棄物処理計画においては、平成26年度から中北組合が連携・協力を拒否しています。しかし、その中北組合は、平成28年度から浦添市との広域処理を促進することを決定しています。したがって、県は中北組合に対して適正な技術的援助を与えて中北組合や浦添市と一体となって広域処理を促進して行く必要があると考えます。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、最終処分場の延命化に関する部分を抜粋したものです。

その2の記事に書きましたが、県内(本島)において最終処分場の延命化を無視して事務処理を行っているのは中北組合だけです。したがって、県としてはまず、中北組合に対して焼却灰の民間委託処分を中止させるための技術的援助を与える必要があると考えます。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

下の画像は、第四期廃棄物処理計画の最後の方に書き込まれている市町村との連携の強化に関する部分を抜粋したものです。

第三期廃棄物処理計画にも同様の記述がありますが、中北組合が平成26年度に県の計画との連携・協力を拒否したことによって、県は市町村との連携を強化することに失敗しています。しかし、第四期においては失敗は許されないと考えています。なぜなら、平成28年度はインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」の策定期限になっているからです。そして、平成28年3月に総務省が環境省に対してごみ処理施設の長寿命化計画を策定していない市町村に早急に計画を策定するように勧告しているからです。なお、この勧告は、環境省から県に通知されて、県が中北組合に周知することになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

以上が、第四期沖縄県廃棄物処理計画の概要ですが、仮に県の職員が中北組合を他の市町村と区別して組合に対して特別な技術的援助を与えているとした場合は、その職員は不誠実かつ不公正な事務処理を行っていることになるので県の職員の服務規程に違反していることになります。そして、地方公務員法にも違反して事務処理を行っていることになります。

なお、この不誠実かつ不公正な事務処理には、中北組合に対して県の職員が意図的に技術的援助を与えていない場合も含まれることになります。

最後に、もう一度下の画像を確認しておいて下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

その4に続く


中北組合に対する沖縄県の責務を考える(その2)※平成28年度から

2016-06-17 11:11:59 | ごみ処理計画

その1は平成27年度までの沖縄県の責務について書きました。その2は平成28年度からの沖縄県の責務について書きます。

その前に、その1に使用した下の資料(2つ)を確認しておいて下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

このように、沖縄県の職員は法令を遵守して誠実かつ公正に事務処理を行わなければならないことになっています。

記事を書く前にもう1つ(2つ)、下の画像をご覧下さい。

これは、その1で使用した県内(本島)の自治体における長寿命化計画の策定状況と平成27年度における最終処分場の整備状況を整理した資料です。


原寸大の資料(画像をクリック)

 

平成27年度においてごみ処理施設の長寿命化計画を策定していない自治体は中北組合だけです。そして、最終処分場の延命化を無視して事務処理を行っているのは中北組合だけという状況になっています。

なお、浦添市については具体的な最終処分場の整備計画は検討していませんが、溶融炉を長寿命化して最終処分ゼロを継続することによって最終処分場の延命化に貢献しています。

したがって、県内(本島)においては、溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行っている中北組合だけが、沖縄県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否している自治体ということになります。

▼ 

では、平成28年度からの中北組合に対する沖縄県の責務について考えてみます。

沖縄県は平成28年度から第四期廃棄物処理計画をスタートしました。下の画像の下段の部分は、その概要を整理した資料になります。

第四期沖縄県廃棄物処理計画(平成28年度~平成32年度)

第四期における市町村のごみ処理施設の整備に関する計画については、溶融炉に関する記述がほとんどなくなっていることが特徴ですが、それ以外は第三期と基本的に同じような計画になっています。県の廃棄物処理計画は5年ごとに改正されますが、全体として第四期のごみ処理計画は温暖化対策に関する意識が高くなっているように感じます。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、第四期廃棄物処理計画に基づいて沖縄県と中北組合(中城村・北中城村)が適正な事務処理を行った場合を想定して作成した資料です。

このように、県の廃棄物処理計画は、①市町村のごみ処理計画と一体となって取り組む計画であり、改正した場合は、②市町村に周知して、③改めて連携と協力を要請する計画になっています。そして、要請を受けた市町村は、④ごみ処理計画を点検して、⑤必要に応じて見直しを行い、⑤県に報告することになっています。 

沖縄県は県の第四期廃棄物処理計画に基づいて中北組合に対して、①焼却炉の長寿命化と、②焼却灰の資源化(溶融炉の休止と焼却灰の民間委託処分の中止)を求めていることになります。したがって、中北組合が県の求めに応じない場合は、平成28年度も県との連携・協力を拒否することになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、平成28年度において沖縄県が中北組合に対して何の技術的援助も行わなかった場合を想定して作成した資料です。

このように、中北組合に対して沖縄県が何の技術的援助も行わなかった場合は、浦添市との広域処理は白紙撤回になります。 なぜなら、そもそも中北組合は県の廃棄物処理計画を無視して事務処理を行っているからです。しかし、その場合は、中北組合だけでなく沖縄県も「故意又は重大な過失」によって不適正な事務処理を行っていることになってしまいます。なお、行政の「故意又は重大な過失」によって住民に過大な経済的負担を与えた場合は事務処理を担当した職員も損害賠償の対象になります。2村の住民にとって40億円という金額は少ない金額ではないので、場合によっては沖縄県の職員にも累が及ぶことになる可能性があります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、平成28年度に沖縄県が中北組合に対して適正な技術的援助を行い、中北組合が事務処理の適正化を行った場合を想定して作成した資料です。

浦添市との広域処理を前提にした場合は、中北組合は溶融炉の再稼動を選択肢から除外しなければなりません。その理由については何度も書いてきました。また、先に代替措置を講じて溶融炉を廃止しなければ国の補助金を利用して焼却炉の長寿命化を行うことはできません。したがって、中北組合が県の技術的援助に従って事務処理を適正化する場合は、①平成29年度に代替措置を講じて溶融炉を廃止することを決定して、②その前提で平成29年度に焼却炉の長寿命化計画を策定することになります。そうすれば、浦添市のごみ処理計画との調和を確保することができます。そして、浦添市との広域処理を推進することができます。

原寸大の資料(画像をクリック)

  

下の画像は、平成28年度においても中北組合が県の廃棄物処理計画を無視(連携・協力を拒否)した場合を想定して作成した資料です。

沖縄県には廃棄物処理法の規定(第5条の6)に従って県の廃棄物処理計画の達成を図るために必要な措置を講じる必要があるので、中北組合が県の廃棄物処理計画を無視(連携・協力を拒否)した場合は、広域処理のパートナーである浦添市を通じて事務処理の適正化を図る必要があると考えます。

原寸大の資料(画像をクリック)

次に、下の画像をご覧下さい。

これは、沖縄県廃棄物処理計画に対する浦添市と中北組合の対応の履歴を整理した資料です。

沖縄県の第三期廃棄物処理計画は平成23年度からスタートしていますが、浦添市も平成23年度から新たなごみ処理計画をスタートしています。そして、浦添市のごみ処理計画は県の廃棄物処理計画と連携・協力を図っています。

一方、中北組合は平成26年度から新たなごみ処理計画をスタートしていますが、県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否しています。

このため、中北組合はごみ処理施設の整備(長寿命化、更新、新設等)に当って国の補助金を利用することができない状況になっています。

中城村と北中城村の村長は平成28年3月に浦添市との広域処理を推進することを決定しています。しかし、中北組合は平成26年度から民間の発想で不適正な事務処理を行ってきた自治体なので、平成28年度においても県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否する可能性があります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、上の画像の中北組合の部分を整理した資料です。

中北組合は平成25年度までは沖縄県の第三期廃棄物処理計画と連携・協力体制を維持していましたが、平成26年度から連携・協力を拒否しています。したがって、平成28年度に連携・協力体制を復活して浦添市との広域処理を推進する場合は、実際に県の計画と一体となって取り組む計画を実施しなければなりません。

なぜなら、浦添市との広域処理がスタートするのは第五期(平成33年度以降)になるからです。


中北組合がこれまで一度も県との連携・協力体制を築いたことのない自治体であれば、浦添市との広域処理を推進することによって、初めて協力体制を築くことができます。しかし、中北組合は平成26年度から自らの判断で県との連携・協力を拒否しています。そして、長寿命化が必要な溶融炉を休止して焼却炉の長寿命化計画も策定せずに焼却灰の民間委託処分を行っています。その中北組合が、県の第四期廃棄物処理計画においても連携・協力を拒否したままの状態で広域処理を推進することはできないことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、ごみ処理計画に対する中城村と北中城村と中北組合の意識を整理した資料です。

中北組合は平成26年3月にごみ処理計画を改正してから完全に民間の発想で事務処理を行っていますが、その最大の理由は中城村と北中城村がごみ処理計画に対して関心がないからだと考えています。

人口が少なく職員の数も少ない自治体が一部事務組合を設立して事務処理を行うと、かなりの確率でこのような状況になります。

したがって、県が適正な技術的援助を行わなければ中北組合の不適正な事務処理は是正されないことになります。

沖縄県が中北組合に対してどのような技術的援助を行っているのかは分かりませんが、県が中北組合だけを特別扱いすることはできません。なお、浦添市は公共の発想で事務処理を行っている自治体であり、県の廃棄物処理計画と連携・協力して事務処理を行っている自治体です。したがって、県の廃棄物処理計画を無視(連携・協力を拒否)して事務処理を行っている自治体と広域処理を推進することはできないことは十分に理解していると思います。

原寸大の資料(画像をクリック)

最後に、下の画像(4つ)をご覧下さい。

これは、このブログの管理者が考えている中北組合の考え方を想定して問題点を整理した資料です。

このブログの管理者は2村の村民ではないので、中北組合の考え方を正確に把握することはできません。しかし、平成26年度からの中北組合の事務処理を考えると、このように考えている確率はかなり高いと判断しています。

県内(本島)において沖縄県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否している自治体は中北組合だけです。しかし、このブログの管理者は中北組合が意図的に民間の発想で事務処理を行っているとは考えていません。上の画像にあるように、公共のルールを誤解して事務処理を行っている可能性が極めて高いと考えています。したがって、県には県が市町村と一体となって県の廃棄物処理計画の達成を図るために、中北組合に対して適正な技術的援助を与える(必要な措置を講じる)責務があると考えます。

原寸大の資料(画像をクリック)

   

上の画像の2つ目にある「包括承認事項」については、国の職員も良く理解していないところがあるので、追加説明のための資料を作成しました。

中北組合は経過年数が10年以上になり設備の処分制限期間を経過したという前提で溶融炉を休止していますが、建物の処分制限期間を経過していないので、溶融炉のために整備した建物部分を補助金の交付の目的に応じて使用していないことになります。

しかし、中北組合の行政区域内には溶融炉と同様の社会資源(最終処分場を含む)が充足していないので代替措置を講じなければ「包括承認事項」の適用を受けることはできないことになります。

なぜなら、そのような状態で「包括承認事項」を適用すると、中北組合が住民の福祉を増進するための適正なごみ処理を行うことができなくなるからです。

ちなみに、平成27年度からは5年分以上(それまでは15年分以上)の最終処分場を確保していれば「包括承認事項」が適用されることになっています。

中北組合が代替措置を講じれば溶融炉を休止又は廃止しても「包括承認事項」が適用されるので、補助金の返還は免除されます。また、ごみ処理施設の整備(長寿命化・更新・新設等)に当って国の補助金を利用することができるので、浦添市との広域処理を推進することができます。しかし、代替措置を講じなかった場合は建物部分の補助金を返還しなければならないことになります。また、焼却灰の民間委託処分を行うことは沖縄県の廃棄物処理計画との連携・協力を拒否していることになるので、国の補助金を利用する権利を放棄することになります。したがって、その場合は浦添市との広域処理を推進することはできないので白紙撤回ということになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

その3に続く


中北組合に対する沖縄県の責務を考える(その1)※平成27年度まで

2016-06-16 17:51:19 | ごみ処理計画

平成28年度から沖縄県の第四期廃棄物処理計画がスタートしました。

第四期沖縄県廃棄物処理計画(平成28年度~平成32年度)

そこで、今日は中北組合に対する沖縄県の責務について考えてみます。

まずは、下の画像をご覧下さい。

これは、廃棄物処理法における都道府県の責務に関する規定を整理した資料です。

このように、沖縄県には、①県内の市町村に対して市町村が適正なごみ処理を行うように技術的援助を与える責務と、②県が策定した廃棄物処理計画の達成を図るために必要な措置を講じる責務があります。また、県の廃棄物処理計画については、③国にも達成を図るために必要な措置を講じる責務があります。したがって、国が県の廃棄物処理計画を無視して事務処理を行っている市町村に対して財政的援助を与えた場合は、国が廃棄物処理法第5条の6の規定に違反することになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

下の画像は、上の画像を図解にした資料です。

都道府県によって廃棄物処理計画の中味は多少異なりますが、都道府県が策定する廃棄物処理計画は廃棄物処理法第5条の5の規定に基づいて廃棄物処理法の基本方針に即して策定しなければならないことになっています。

原寸大の資料(画像をクリック)

【廃棄物処理法第5条の5】

都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県の区域内における廃棄物の減量その他その適正な処理に関する計画(以下「廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。

下の画像は、中北組合に対して沖縄県が不適正な技術的援助を行っている場合を想定して作成した資料です。

中北組合は平成26年度から不適正な事務処理を行っており、平成27年度も事務処理の適正化を行っていません。しかし、沖縄県は中北組合に対して何らかの技術的援助を行っているはずです。したがって、県が組合に対して不適正な技術的援助を与えている可能性は否定できません。

沖縄県も日本の廃棄物処理法が適用される都道府県なので、沖縄県において実際にこのような技術的援助が行われているはずはないと考えますが、仮に、沖縄県においてこのような技術的援助が行われているとすれば、中北組合が不適正な事務処理を行っている理由がすんなりと理解できます。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、沖縄県が廃棄物処理法第4条第2項の規定に基づいて中北組合に対して与えるべき適正な技術的援助を整理した資料です。

中北組合が平成26年3月にごみ処理計画を改正するときに、沖縄県が適正な技術的援助を与えていれば、平成26年度から不適正な事務処理を行うことはなかったはずですが、実際は平成27年度まで不適正な事務処理を行っています。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、沖縄県の技術的援助と中北組合の対応を整理した資料です。

普通であれば、県の廃棄物処理計画を無視して不適正な事務処理を行っている中北組合に対して一番左の事務処理が行われていることになりますが、その場合は県の是正の勧告によってすでに中北組合の事務処理は適正化されているはずです。したがって、適正化されていない理由は、中北組合が県の是正の勧告を拒否しているか右の2つの事務処理のどちらかということになります。

仮に県の事務処理が右の2つのどちらかだった場合、県は故意又は重大な過失によって不適正な事務処理を行っていたことになるますが、このブログの管理者は真ん中の可能性は極めて少ないと考えています。なぜなら、他の市町村は適正な事務処理を行っているからです。しかし、一番右の事務処理が行われているとすると、沖縄県においては各市町村が県から見放された状態で事務処理を行っていることになります。ただし、そうなると県が廃棄物処理法の規定に違反して事務処理を行っていることになってしまいます。 

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、平成27年度までの中北組合の事務処理と沖縄県の事務処理を整理した資料です。

このように、中北組合の不適正な事務処理は平成27年度まで適正化されていません。そして、県の廃棄物処理計画を全く無視して事務処理を行ってきたことになります。そして、沖縄県は中北組合に対して適正な技術的援助を行わずに、県の廃棄物処理計画を達成するために必要な措置も講じていなかったことになります。

沖縄県の廃棄物処理計画は中北組合のごみ処理計画と一体となって取り組む計画になっていますが、中北組合は供用開始から13年目になってもごみ処理施設の長寿命化計画を策定していません。そして、平成26年度から最終処分場の延命化を図ることなどは全く考えずに溶融炉を休止したまま焼却灰の民間委託処分を続けています。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

下の画像は、上の画像にある県の廃棄物処理計画の概要に対する中北組合の考え方を整理した資料です。 

中北組合は違うというかも知れません。しかし、県から見た場合はこのように考えていることになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

下の画像は、中北組合の法令違反(地方財政法第8条違反)に対する沖縄県の考え方を整理した資料です。 

画像の左にあるように、沖縄県が溶融炉を休止している中北組合の事務処理を法令に適合する適正な事務処理と考えている場合は、県が市町村に対してごみ処理施設の長寿命化を要請する法的根拠を失うことになります。そして、国の長寿命化の要請には従わないことになり、県内の市町村に対して県の廃棄物処理計画との連携・協力は求めないことになってしまいます。したがって、県は県が策定した廃棄物処理計画を自ら否定することになってしまいます。

中北組合は平成27年度においても法令違反を是正しないままでいました。このことは、沖縄県が中北組合に対して適正な技術的援助を行っていなかった証拠でもあります。なぜなら、県が適正な事務処理を行っていれば、法令違反に対する是正の勧告を行っていたはずであり、中北組合は溶融炉を再稼動するか廃止していたはずだからです。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、中北組合の事務処理に対する沖縄県の考え方を整理した資料です。

沖縄県も中北組合と同じように民間の発想で事務処理を行っている場合は、中北組合は県が許可を与えている民間の廃棄物処理業者ということになるので、左側の事務処理を行う可能性があります。

しかし、市町村のごみ処理は市町村の自治事務なので、沖縄県といえども、県が勝手にルールを変更することはできません。 

このブログの管理者は、沖縄県の「テーゲー文化」は嫌いではありません。むしろ、好きな方です。しかし、沖縄県の地方公共団体が公私を混同して「テーゲーな事務処理」を行うようになったら、大嫌いになると思います。というよりも、怖くて沖縄県民でいることができなきなくなると思います。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、地方公務員法と沖縄県職員服務規程から県の職員の事務処理に関する部分を抜粋した資料です。

地方公務員である沖縄県の職員が法令を遵守して事務処理を行うことは当たり前のことですが、中北組合を特別扱いして他の市町村と異なる技術的援助を与えた場合は、不誠実かつ不公正な事務処理を行っていることになるので服務規程に違反することになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、環境省の循環型社会形成推進交付金交付要綱から交付対象地域に関する部分を抜粋した資料です。

このように、中北組合が内地の自治体であった場合は、そもそも国の補助金を利用することができない自治体になります。しかし、沖縄県の自治体ということで、人口5万人以上の自治体という扱いを受けて(国の補助金を利用して)ごみ処理施設を整備しています。したがって、内地の人口5万人以下の自治体と違って、広域処理を行わなくても国の補助金を利用してごみ処理施設の長寿命化や更新を行うことができます。しかし、中北組合は平成26年度から県の廃棄物処理計画や廃棄物処理法の基本方針に適合しない事務処理(しかも、法令に違反する事務処理)を行うことによって、その権利を自ら放棄しています。このため、人口の少ない自治体が広域処理を条件に国の補助金を利用するという内地における一般的な「広域処理のスキーム」は通用しないことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、平成10年代に県内(本島)でごみ処理施設を整備した自治体が長寿命化計画を策定した時期を策定時期の早い順に整理した資料です。

なお、計画策定は那覇市南風原町環境施設組合を除いて長寿命化を実施した前年度に行われているという前提で作成しています。

ちなみに、供用開始から10年目に長寿命化計画を策定している浦添市と那覇市南風原町環境施設組合は中北組合と同じ「焼却炉+溶融炉」方式を採用しています。

したがって、中北組合の事務処理を沖縄県が適正な事務処理と考えている場合は、浦添市や那覇市南風原町環境施設組合は、国の補助金を利用して焼却炉だけを長寿命化する計画を策定することができたことになります。そして、中北組合と同じように溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行うことができたことになります。

このように、他の自治体は供用開始から10年目前後に長寿命化計画を策定しています。しかし、中北組合は供用開始から12年目に溶融炉を休止しています。そして、焼却炉については供用開始から13年目になっても長寿命化計画を策定していません。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、沖縄県に対する国の技術的援助と沖縄県による中北組合の事務処理の適正化を整理した資料です。

ちなみに、中北組合はインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」の策定に関する内閣官房と総務省の技術的援助が行われている間にごみ処理計画を改正して溶融炉を休止しています。そして、上の画像にあるように平成27年度(13年目)になってもごみ処理施設の長寿命化計画を策定していません。

今年の3月に総務省が「長寿命化計画」を策定していない自治体に対して早急に策定するように勧告していますが、既に「長寿命化計画」を策定している自治体は、今年度中に中長期的な維持管理コストや更新コストの見通し等を記載した「行動計画」を策定すればよいことになります。しかし、中北組合はまだ「長寿命化計画」を策定していないので、平成28年度に「行動計画」を策定して、遅くとも国(環境省)が「老朽化が著しくなる」としている平成29年度(15年目)までには「長寿命化計画」を策定しなければならないことになります。ただし、中北組合が平成28年度においても事務処理を適正化しない場合は焼却炉の長寿命化を中止して自主財源によりごみ処理施設を更新する「行動計画」を策定することになってしまいます。もちろん、浦添市との広域処理も白紙撤回になってしまいます。

原寸大の資料(画像をクリック) 

平成26年度から沖縄県が中北組合に対してどのような技術的援助を行ってきたのかは分かりません。しかし、沖縄県が中北組合に対して県の廃棄物処理計画の達成を図るために必要となる措置を講じることができなかったことだけは分かっています。

その2に続く


中北組合の「行動計画」を考える(その2)※更新コストの見通し

2016-06-15 11:37:15 | ごみ処理計画

その1では、インフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」には、①更新コストの見通しを記載することと、②平成28年度が「行動計画」の策定期限になっていることを書きました。

そこで、その2では更新コストの見通しについて書きます。その前に、下の画像をご覧下さい。

これは、中北組合の特徴を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、上の2つの特徴は別にして、下の4つの特徴を見ていただければ分かる通り、中北組合は公共の発想ではなく民間の発想でごみ処理を行っている自治体ということになります。

その理由をこのブログの管理者は組合に対して負担金を支出している中城村と北中城村が中北組合に事務処理を丸投げしているからだと考えています。

下の画像をご覧下さい。

市町村が一部事務組合に事務処理を丸投げしていると、どうしても無関心になります。そうなると、他の市町村の事務処理等についても無関心になります。その一部事務組合が民間の発想で事務処理を行っていると供用開始から13年目になってもごみ処理施設の長寿命化計画を策定していないという状況になります。

しかし、中北組合は今年度中にインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」を策定しなければなりません。しかも、浦添市との広域処理を前提とした「行動計画」を策定しなければならないことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

仮に、中北組合が平成28年度も民間の発想で事務処理を行っている場合は、供用開始から14年目になっても長寿命化計画を策定しないという事態になります。そして、「行動計画」の策定も無視することになります。

下の画像は、そうなった場合を想定して作成した資料です。 

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、民間の発想で事務処理を行っている中北組合と公共の発想で事務処理を行っている浦添市が広域処理を推進することは絶対にできません。したがって、浦添市は広域処理を白紙撤回して単独更新を前提とした「行動計画」を策定することになります。

その場合、中北組合がどのような「行動計画」を策定するかは分かりませんが、普通に考えると自主財源により単独更新を行う計画を策定することになります。そして、その自主財源は普通に考えると40億円以上になります。

下の画像は、その場合の住民と中北組合との関係を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

中北組合に支出している負担金は中城村と北中城村が支出していますが、その中北組合が適正な「行動計画」を策定しなかった場合は、中北組合は2村の住民のごみ処理を専門に行っている民間の廃棄物処理業者とほぼ同じ組織ということになってしまいます。したがって、更新コストの全額(40億円以上)を住民が直接負担することになります。つまり、その場合は、通常のごみ処理費や維持管理費とは別に住民1人当り11万円以上を負担しなけれならないことになってしまいます。

ここで、一旦、「行動計画」に対する中北組合の条件を整理しておきます。

地方公共団体が関係法令を遵守することは当たり前のことですが、中北組合は平成27年度まで民間の発想で事務処理を行ってきたので、一番最初の条件に加えました。

この中で重要なのは「行動計画」を浦添市との広域処理を前提にして策定しなければならないことです。また、今年度中に策定しなければならないので、遅くとも12月までには更新コストを含む中長期的なコストの見通しを立てなければならないというところです。

原寸大の資料(画像をクリック)

では、中北組合は平成28年度においてどのような「行動計画」を策定することになるのか?

下の画像は、中北組合が平成27年度と同じ発想で「行動計画」を策定した場合を想定して作成した資料です。

溶融炉を廃止すれば地方財政法第8条違反は是正されますが、浦添市のごみ処理計画との調和を確保しない場合は廃棄物処理法第6条第3項の規定に違反することになるので、この「行動計画」では広域処理を推進することはできません。もちろん、廃棄物処理法の基本方針や沖縄県の廃棄物処理計画に適合しない「行動計画」では国の補助金を利用することはできないので、自主財源により単独更新を行うことになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、中北組合が平成27年度と同じ発想で「行動計画」を策定しても浦添市との広域処理を推進することができると考えている場合を想定して作成した資料です。

これは、国や県、そして浦添市も中北組合と同じように民間の発想で事務処理を行わなければ成立しない「行動計画」になります。しかし、国が浦添市や中北組合に対して財政的援助を行った場合は間違いなくスキャンダルになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、中北組合が溶融炉を再稼動して焼却炉とセットで長寿命化を行う「行動計画」を作成した場合を想定して作成した資料です。 

この「行動計画」であれば、浦添市のごみ処理計画との調和を確保することができます。しかし、中北組合が浦添市と広域処理を推進する場合は浦添市の財政に累を及ぼすような施策を行うことになるので、地方財政法第2条第1項の規定に違反することになります。

原寸大の資料(画像をクリック)

下の画像は、中北組合が溶融炉を再稼動しても浦添市との広域処理を推進することができると考えている場合を想定して作成した資料です。

複数の市町村が広域組合を設立する場合は、事前に議会の承認を得なければなりません。そして、議会の承認を得るためには住民の理解と協力が得られるような施策を行っていなければなりません。したがって、中北組合の溶融炉を再稼動して長寿命化を行うという「行動計画」は選択肢から除外しなければならないと考えます。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

下の画像は、このブログの管理者が考えている中北組合が浦添市との広域処理を推進する場合に策定することになる適正な「行動計画」を想定して作成した資料です。なお、この「行動計画」であれば、単独更新する場合であっても中北組合は国の補助金を利用することができます。

中北組合が公共の発想で全ての条件を満足する「行動計画」を策定するとすれば、この「行動計画」しかないと考えています。しかし、平成27年度まで民間の発想で事務処理を行ってきているので、この「行動計画」はハードスケジュールになります。なお、浦添市は広域処理が白紙撤回になっても大勢に影響はないので、余裕を持って「行動計画」を策定することができます。

原寸大の資料(画像をクリック)

次に、下の画像をご覧下さい。

これは、中北組合ではなく浦添市が策定する「行動計画」を想定して作成した資料です。

中北組合は平成10年代に県内(本島)でごみ処理施設を整備した自治体の中では唯一長寿命化計画を策定していない自治体になります。したがって、このまま1市2村が広域組合を設立すると、その広域組合も長寿命化計画を策定していない自治体になってしまいます。

このため、浦添市としては、中北組合が適正な「行動計画」を策定することはもちろんのこと、実際に実施計画を策定して長寿命化を実施することを確認しなければ、広域処理を前提とした「行動計画」を策定することはできないことになります。

なお、2つ目の画像は、1つ目の画像と比較するために中北組合が平成28年度も民間の発想で事務処理を行っている場合を想定して作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

最後に、下の画像をご覧下さい。

浦添市が適正な「行動計画」を策定するためには、中北組合が公共の発想で事務処理を行うことが大前提になります。しかし、中北組合がここにある4つの条件をクリアできない場合は、広域処理を白紙撤回して単独更新を前提とした「行動計画」を策定しなければならないことになります。

なぜなら、浦添市が自主財源のみを前提として「行動計画」を策定することはあり得ないことだからです。

原寸大の資料(画像をクリック)

  

以上により、中北組合が浦添市との広域処理を推進するためには、今年度中に上の資料にある4つの条件を満足する「行動計画」を策定しなければならないと考えます。