海洋博公園で発見されたヤシガニ=2013年10月、本部町の海洋博公園(沖縄美ら島財団提供)
本部町の海洋博公園に生息する、ヤシガニの生息実態調査をしている沖縄美ら島財団の研究グループが、11年前に確認した個体3匹を5月に再び確認したことが9日分かった。甲殻類を11年間追跡できた例は世界的にも珍しく、寿命の長いヤシガニの生態解明に役立つことが期待される。
甲殻類は脱皮するため追跡調査が難しいが、ヤシガニの甲殻模様は脱皮しても変化しない。そのため甲殻の模様から識別し、今回3匹を確認した。海洋博公園では個体情報を継続して集めている。ヤシガニは世界的にも減少傾向にあり、海洋博公園はまとまって繁殖が確認される北限とされる。
沖縄美ら島財団総合研究センター動物研究室係長の岡慎一郎博士は「ヤシガニの寿命は約50年あり、長期間の追跡は詳細な生態を知るために有益な情報だ」と話した。