レンタカーの貸し出し拠点は那覇空港周辺に集中しており、県の2016年度調査では観光ピークの夏季に、レンタカー利用者の約4割が「貸し渡しにかかる時間やサービスに不満」と回答。「今後、ホテルなど空港近く以外で借りてもいい」との声は全体の約3割に上った。

調査を受け県は、空港周辺から本島中北部への貸し出し拠点の移転可能性について検討。観光客の動線を考慮し、貸し出し拠点となりうるホテルや商業施設を設定し、リムジンバスなどで空港から拠点まで観光客を送る。

夏季対策として8月中旬から約2週間、那覇空港から大手レンタカー2社の営業所がある豊崎に、約10分間隔でバスをピストン運行する。同区間には路線バスがないため、観光客だけでなく県民の乗車も可能とする。観光関連事業者のホームページで、豊崎向けピストンバスの便利さをPRし、利用を呼びかける。

複数のレンタカー事業者によるバスの共同運行は、空港ターミナルビル前に停車するレンタカー用送迎バスを減らす試み。人件費や燃料費の負担のあり方も検討する。

各実証実験は一括交付金を使った観光2次交通機能強化事業の一環。事業の採算性を探り、18年度以降の民間による事業化を目指す。県観光振興課は「レンタカーを使う観光客は国内客の6割、空路外国客の3割。ストレスなくレンタカーを使えるようにしたい」と話している。