10年一昔というけれど、この12年で何か雰囲気が明るくなったなぁと感じたブタペストとプラハ。
12年前というとちょうどベルリンの壁が崩壊して10年の頃。
ツアーで旧東ドイツのベルリンからチェコに入ったときのあの落差には、少し驚いた。
ベルリンはドイツの首都として復興が目覚しかった。ドイツ製の高級車がバンバン走っていたし、
ガラス張りの国会議事堂も建設され活気があったのに対して、
チェコの国境を越えたときには雰囲気が一変して、何か時間の流れが遅いかのような町並みに、
ドイツからの運転手をターゲットとした最古の職業のたくましい女性たちの数が、困窮を語っていた。
初めて「国力」の差を実感した時だった。
町の市場には、旧ソ連軍の軍服や帽子、エンブレムが並んでいる。(買っておいたら、プレミア物??)
Tシャツには「KGB is still watching」なんて書かれている。
絵葉書にも共産党政権時代の軍人らしき人とか、本物かどうか定かでないベルリンの壁のかけらが入っていたり・・・・。どのお店もそんなものばかり・・・。
だけど、今回もうそんな商品は1つも見ることはありませんでした。
ハンガリー伝統の刺繍のブラウス屋さんもたくさん並んでいたのに、すっかり減っていました。
聖ヴィート大聖堂にあった共産党政権下での壁画も、すっかり色あせて観光客にも振り返られない遺物になっていました。
プラハの町の美しさも、かつては何か陰のある妖しい美しさを感じましたが、今回はあっけらかんとした小さなパリのような爽やかさを覚えました。
この10年で大きく変ったようです。確かに1980年代に生まれた人がもう20歳ですものね。
日本で出会ったチェコの留学生に、12年前に買った絵本を見せたら、「この作家はとても有名な人だけど、
共産党政権をきらって亡命したので、本国では発売禁止になっており、名前を聞いていたけど、僕は初めてこの人の本を見ました」という衝撃の事実を聞かされたり。
「僕は海外旅行を、留学前にしたことがない、禁止されていたから」と聞いて、本当に西側に行くことができなかったという事を思い知らされたことがあります。
・・・かつて、あんなに生々しく残っていた旧ソ連の影響は、もう博物館の中にしまいこまれたようでした。 KGB博物館とか、恐怖のなんちゃらとか博物館・・・きっとずし~んと気持ちが重くなりそうなので行っていませんが、そんな博物館の中に封印されたようです。
12年前に買ったハンガリー刺繍のブラウスを着て♪
このシャツを買ったお土産屋さんも、ブラウスの数は少しで、ほとんどはlove budapestのTシャツに変っていました。