とあるスナックで
小林
小林
<パブリック・ブロックチェーン>と<プライベート・ブロックチェーン>の違いを理解するためにも、この本を読んでいきましょう。 P-9(はじめに)の続き
飛行機が革命であったように、そしてインターネットが革命であったように、ブロックチェーンも革命だ。それはパラダイムの変革をもたらす。つまり、世の中をひっくり返す。
ただし、フランス革命がそうであったように、革命が始まった段階では、それが社会をよい方向に持っていくのか、悪い方向に持っていくのかは、分からない。飛行機は地球上のどこにでも短時間で到達できることを可能にした反面で、初飛行から10年少々しかたたぬ第一次世界大戦においてすでに、強力な兵器として利用されていた。
インターネットは社会を変え、経済をリードする主役の交代をもたらした。しかし、当初予想されたように社会がフラット化することはなく、少数の大企業が世界を支配するようになった。
なぜこうなったのか?この問題は、終章で論じられる。最も本質的な理由は、インターネットの世界では、何が正しいデータかを確かめることが容易でなかったために、小組織や個人が信頼を確立することができなかったからだと、私は思う。組織が大きいことが人々の信頼の基礎になったのだ。
ところが、ブロックチェーンは、組織に頼らずに、何が正しいかを立証することを可能とした。
それが実現することにより、社会が大きく変わる。
そうなれば、組織に頼らずに、個人の力を発揮できる社会が実現する。経済活動の効率が上がるだけでなく、組織のあり方が変わり、人々の働き方が変わる。そして、人々が直接に連絡し、取引する社会が実現する。
しかし、正反対の可能性もある。銀行などの大組織が、プライベート・ブロックチェーンを利用して、効率性を高める可能性だ。この場合には、信頼はブロックチェーンが確立するのではなく、組織が保証するすることになる。したがって、大組織が社会を支配する構造が続く。通貨についていえば、この方向の極限は、中央銀行が仮想通貨を発行して経済をコントロールする体制だ。それは、ジョージ・オーウェルが小説「1984」で描いたビック・ブラザーの世界だ。この問題は、第6章の4で論じている。
つまり、ブロックチェーンが引き起こす社会変化として、大きく異なる2つのものがあり得るわけだ。どちらが実現するかは、これから決まる。われわれは、いま大きな岐路に立っている。変化の方向に影響を与えるためには、正しい理解が必要だ。
本書は、このような問題意識から書かれている。・・・・。
飛行機が革命であったように、そしてインターネットが革命であったように、ブロックチェーンも革命だ。それはパラダイムの変革をもたらす。つまり、世の中をひっくり返す。
ただし、フランス革命がそうであったように、革命が始まった段階では、それが社会をよい方向に持っていくのか、悪い方向に持っていくのかは、分からない。飛行機は地球上のどこにでも短時間で到達できることを可能にした反面で、初飛行から10年少々しかたたぬ第一次世界大戦においてすでに、強力な兵器として利用されていた。
インターネットは社会を変え、経済をリードする主役の交代をもたらした。しかし、当初予想されたように社会がフラット化することはなく、少数の大企業が世界を支配するようになった。
なぜこうなったのか?この問題は、終章で論じられる。最も本質的な理由は、インターネットの世界では、何が正しいデータかを確かめることが容易でなかったために、小組織や個人が信頼を確立することができなかったからだと、私は思う。組織が大きいことが人々の信頼の基礎になったのだ。
ところが、ブロックチェーンは、組織に頼らずに、何が正しいかを立証することを可能とした。
それが実現することにより、社会が大きく変わる。
そうなれば、組織に頼らずに、個人の力を発揮できる社会が実現する。経済活動の効率が上がるだけでなく、組織のあり方が変わり、人々の働き方が変わる。そして、人々が直接に連絡し、取引する社会が実現する。
しかし、正反対の可能性もある。銀行などの大組織が、プライベート・ブロックチェーンを利用して、効率性を高める可能性だ。この場合には、信頼はブロックチェーンが確立するのではなく、組織が保証するすることになる。したがって、大組織が社会を支配する構造が続く。通貨についていえば、この方向の極限は、中央銀行が仮想通貨を発行して経済をコントロールする体制だ。それは、ジョージ・オーウェルが小説「1984」で描いたビック・ブラザーの世界だ。この問題は、第6章の4で論じている。
つまり、ブロックチェーンが引き起こす社会変化として、大きく異なる2つのものがあり得るわけだ。どちらが実現するかは、これから決まる。われわれは、いま大きな岐路に立っている。変化の方向に影響を与えるためには、正しい理解が必要だ。
本書は、このような問題意識から書かれている。・・・・。