とあるスナックで
コー
この本のタイトルは<日本国債暴落>になっているけど、岩本沙弓はそう簡単には<暴落>しないだろうと意見だったな。おれは岩本沙弓の意見に賛成なんだけど、この本を読むと、<日本国債>や経済についていろいろ勉強になるね。おもしろいところがあったよ。 p-172
「お金の価値が下がる?」
「うん、そういうことだな。つまりモノの価値が上がって、物価が上がるというわけだ。だからマネタリーベースの量を増やすということは、人々にインフレが来るぞと宣言したような形だ。一部の経済学者を中心としたリフレ派と呼ばれる人たちは、日銀がマネタリーベースをコントロールすることによって自由にインフレ率を決めることが出来ると主張しているが、今の現実世界では、ほとんど効果がないんだ。民間銀行が日銀の当座預金に資金を置いておくだけだからな。繰り返しになるかもしれないが、そもそもインフレとは物価上昇を意味していて、物価が上がるとはつまり、『カネの価値が下がる』ということだ。それは世の中、もっと明確に言えば、企業や個人が銀行に保有する現金・預金のことで、ここに資金がいかなければ、世の中のお金の量は本質的に増加しない。馬鹿としか思えん政策だ」
山城は、疲れからくる酔いのせいか、怒りにまかせて持論をぶった。
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(p-175)
冴子はサングリアのグラスをゆっくりと口につけて飲んだ。
「うん。間違いなく株式バブル、不動産バブルは起こるだろうな。現に為替は一気に円安になっているわけだし。だが話はそんな簡単じゃない。資産バブルは起きても、実体経済が回復するには、企業からの借入需要が伸びないことには始まらない。経済の危機時はともかく、平時にこんなことをしたところで、金融機関が日銀に国債を売却することによって得た資金は、日銀の当座預金にただ置かれるだけだ」-------。
「この異次元緩和は完全にマネタイゼーションだよ」
と呟くと、
「それってどういう意味?」
冴子は、興味深そうに尋ねた。
「政府の発行した国債を中央銀行が直接引き受けることだよ。実は昭和恐慌時、日銀はデフレ脱却のために国債引き受けを行ったことがあるんだよ。発行市場で大蔵省が国債を発行し、それをそのまま日銀が買ったんだ。大蔵省は資金不足に陥ったら、どうせまた日銀が買ってくれるということでどんどん国債を発行した。そうなると国債の信認なんてなくなってしまうだろ?!案の定、財政の規律が崩れ、ハイパーインフレになったという苦い経験があるから、日銀の国債引き受けは法律で禁止されているんだが、異次元緩和は、それを覆い隠した引き受けと変わらん」
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小林
おそらく、現在の状況はこの通りになっているんでしょうね。だからあれだけ<異次元金融緩和>をやったはずなのに、ちっとも物価は上がらない。デフレが続いているという事でしょうか?
コー
<日本国債>については、この人もくわしい。
そして改めて<消費税>について、話している。
消費税を導入して、どれだけ<国の財政>が改善してきたんだろうか?
通貨制度を変えるのはすぐにはむずかしいけど、<消費税増税>に反対し、逆に<消費税減税>、8%から5%、3%へと引き下げるべきと、主張し進めるのは出来るんじゃないだろうか。
自分が応援している政治家にはっきり伝えるべきだと思う。
おれは少なくとも、<消費税増税>と<原発再稼働>をみとめる政党には、投票しないことにした。