とあるスナックで
コー
小林
コー
<訳者あとがき>をまた読んでいこう。 p-355
また、著者は中国の台頭についても鋭い分析を行っている。現在、中国は凄まじい経済成長を続けているが、その資本の大半は、帝国主義の多国籍企業や国際的投資会社によるもので、純粋な中国系企業によるものではない。つまり、中国は帝国主義国のパートナーやライバルになるよりも、彼らの帝国建設に利用され、その産業植民地にされようとしているのではないか。とりわけ、従来は中国と台湾を意味した<二つの中国>という概念が、外資の集中する中国沿岸部と、そこへ安い労働力や原料を提供する中国内陸部を意味するようになったという指摘は興味深い。
ただ、著者は外国資本のメリットについても言及し、その有効利用の方法として<外資の公的管理モデル>を提言している。それによれば、外資は一連の規制と厳しい公的監視の下、時間と空間を限定して利用されるべきであり、外資に依存することなく、国内経済の発展と安定を図るためには、外資よりも国有化や国内投資を拡大することが重要だという。本来なら、外資はその国の発展の足がかりとなるべきだが、現実には現地経済が外資の食い物にされている。外資はその賛成論者が言うような経済の近代化や競争力の強化はもたらさない。それどころか、彼らは現地経済に不均衡をもたらし、利益と安い労働力をむさぼるばかりである。外資中心のアプローチに代わる発展モデルを進めるためには、外資との対立やその報復に備えた戦略が必要だという。
以上のように、<帝国アメリカ>の金融支配階級は、多国籍企業や現地の汚職政治家と結びつき、世界中で帝国建設を進めている。その一方で、アジアやアフリカ、ラテンアメリカといった第三世界の国々では、貧しい労働者や農民が激しい搾取にさらされている。支配者と被支配者、両者の間ではますます格差が拡大し、とくに中国は世界最大の格差社会となった。無秩序な資本主義化によって、汚職や犯罪が蔓延し、労働環境が悪化して、生活水準が急激に低下している。そもそも、金融支配階級のような富裕層の誕生・台頭は、市民社会の崩壊・衰退を意味し、社会全体の繁栄や利益にはつながらない。
では、こうした帝国主義による世界の二極化を阻止することはできないのどろうか。イラク戦争では、米国が現地の民衆による大規模な抵抗にあい、その勝利を大きく損なわれた。つまり、世界最強の帝国主義国家をもってしても、人びとの抵抗を抑えることはできなかったのであり、逆に人びとは米国の<グローバル化>(=世界規模の帝国建設)を見事に妨げたと思う。科学兵器と情報戦の時代にあっても、民衆の不屈の精神が勝敗を左右することを、彼らは証明してくれた。一方、日本では、イラクへの自衛隊派遣を違憲とする判断が名古屋高裁でだされたところだ。著者の立場で言えば、日本の派兵は米国の帝国建設への加担にほかならず、<共犯>となるのだろう。いずれにせよ、私たちは<国際化>や<グローバル化>といった耳障りのいい言葉に惑わされることなく、自国の行動を慎重に検討しなければならない。
最後に、著者はーーーーーーーー
ーーーーーーーーご教示いただければ幸いである。
2008年4月 高尾菜つこ
また、著者は中国の台頭についても鋭い分析を行っている。現在、中国は凄まじい経済成長を続けているが、その資本の大半は、帝国主義の多国籍企業や国際的投資会社によるもので、純粋な中国系企業によるものではない。つまり、中国は帝国主義国のパートナーやライバルになるよりも、彼らの帝国建設に利用され、その産業植民地にされようとしているのではないか。とりわけ、従来は中国と台湾を意味した<二つの中国>という概念が、外資の集中する中国沿岸部と、そこへ安い労働力や原料を提供する中国内陸部を意味するようになったという指摘は興味深い。
ただ、著者は外国資本のメリットについても言及し、その有効利用の方法として<外資の公的管理モデル>を提言している。それによれば、外資は一連の規制と厳しい公的監視の下、時間と空間を限定して利用されるべきであり、外資に依存することなく、国内経済の発展と安定を図るためには、外資よりも国有化や国内投資を拡大することが重要だという。本来なら、外資はその国の発展の足がかりとなるべきだが、現実には現地経済が外資の食い物にされている。外資はその賛成論者が言うような経済の近代化や競争力の強化はもたらさない。それどころか、彼らは現地経済に不均衡をもたらし、利益と安い労働力をむさぼるばかりである。外資中心のアプローチに代わる発展モデルを進めるためには、外資との対立やその報復に備えた戦略が必要だという。
以上のように、<帝国アメリカ>の金融支配階級は、多国籍企業や現地の汚職政治家と結びつき、世界中で帝国建設を進めている。その一方で、アジアやアフリカ、ラテンアメリカといった第三世界の国々では、貧しい労働者や農民が激しい搾取にさらされている。支配者と被支配者、両者の間ではますます格差が拡大し、とくに中国は世界最大の格差社会となった。無秩序な資本主義化によって、汚職や犯罪が蔓延し、労働環境が悪化して、生活水準が急激に低下している。そもそも、金融支配階級のような富裕層の誕生・台頭は、市民社会の崩壊・衰退を意味し、社会全体の繁栄や利益にはつながらない。
では、こうした帝国主義による世界の二極化を阻止することはできないのどろうか。イラク戦争では、米国が現地の民衆による大規模な抵抗にあい、その勝利を大きく損なわれた。つまり、世界最強の帝国主義国家をもってしても、人びとの抵抗を抑えることはできなかったのであり、逆に人びとは米国の<グローバル化>(=世界規模の帝国建設)を見事に妨げたと思う。科学兵器と情報戦の時代にあっても、民衆の不屈の精神が勝敗を左右することを、彼らは証明してくれた。一方、日本では、イラクへの自衛隊派遣を違憲とする判断が名古屋高裁でだされたところだ。著者の立場で言えば、日本の派兵は米国の帝国建設への加担にほかならず、<共犯>となるのだろう。いずれにせよ、私たちは<国際化>や<グローバル化>といった耳障りのいい言葉に惑わされることなく、自国の行動を慎重に検討しなければならない。
最後に、著者はーーーーーーーー
ーーーーーーーーご教示いただければ幸いである。
2008年4月 高尾菜つこ
小林
翻訳した人は女性だったんですね。