株価と北朝鮮から目が離せない今日このころです。
今回もちょっとシリーズから離れまして、「近藤長次郎本を出したらどうだろうか」というお話を。
実はこの話、私が思いついたわけではなく、山本栄一郎氏の提案なんです。
近藤長次郎とライアンの娘 vol2で初めてご紹介いたしましたが、山本栄一郎氏は、「真説・薩長同盟―坂本竜馬の真実」の著者でおられます。
私、実際のところ、近藤長次郎とライアンの娘 vol1で書きましたような事情で千頭さまご夫妻にお会いするまで、近藤長次郎について、このカテゴリーユニオン号の以前のシリーズ(桐野利秋(中村半次郎)と海援隊◆近藤長次郎 vol1以下)で書きました以上のことを、調べる気はまったくありませんでした。私にとりましては、それですんでしまった話でして。
私は別に、歴史学者でもなんでもないですし、ブログを書いておりますのはあくまで趣味でして、気分のおもむくままに、覚え書きを書きなぐっているにすぎないからです。
しかしとりあえず、それを人様に読んでいただける形にしよう、という意識は、職業ライターをやっておりました私の習性かもしれないのですが、一方から言いますと、金をもらって注文通りに書いておりましたかつての苦痛から離れ、好き勝手に殴り書きたい、という意欲の発散、でもあります。
それでまあ、このブログは仕事の文章とちがいまして、ごく一般向け、というわけでは、決してありません。
以前にも書いた覚えがありますが、高校時代からの友達が私のブログを見て、「龍馬か新撰組ならわかるけど、知らない人ばかりが出てきて、さっぱりわけがわからない」と、つまらなさそうに言っておりました。
人間、自分のまったく知らないことについて書かれた長文を、読んでみようという気にはなかなかならないものでして、えーと、家庭の事情でほとんど仕事ができなくなりまして、私、今やほとんど忘れてしまいましたが、一般の方々の関心を引くための工夫、というものが、一般向けの文章を書くに際しては、必要になってくるわけなのです。
で、好き勝手に書きなぐっておりますこのブログ、いったいでは、誰に向かって書いているかと申しますと、基本的には自分なのですが、そこが習性で、一応、読者を想定していないわけではなく、どういう読者かといいますと、ご同好の幕末オタクな方々、ということになるでしょう。
もともとが、そういう少数をターゲットにしている文章ですから、当然のことながら反響は少なく、したがいまして読まれた方からの反響を直にいただきますと、やはり非常に嬉しく、調子に乗ってしまうわけなのです。
そんな中で、私が千頭さまに山本氏のご本を紹介し、今度は、山本氏に直線連絡をとられました千頭さまから、山本氏が「近藤長次郎の本を出しましょう」 と提案しておられること、同時に私に連絡をとりたいと言っておられることをお聞きし、その運びとなりまして、近藤長次郎本を出そうという話が、突然、具体化することとなったわけです。
山本氏は、防府にお住まいの幕末史研究家でおられ、「山口歴史研究会」の会長としてご活躍。ご研究の中心テーマは、大村益次郎です。
当然のことながら、とても詳しくておられますから、初回から、いただいた電話にもかかわらず、とんでもない長話をしてしまいました。
私、中村さまを筆頭に、基本、幕末に非常に詳しい方以外とは、ほとんど幕末の話はいたしません。どうも、ですね。どっぷりとこの世界にひたっておりますおかげで、一般の方々に対しては、なにをどう説明すればいいのかさえ、わからなくなってしまっているんですね。
結果、「龍馬伝」に登場! ◆アーネスト・サトウ番外編に書いておりますように、妹にさえ、しかられます始末。
そんなわけでして、私、山本氏とのコミュニケーションは、きっちりとれていると思うのですが、千頭さまご夫妻とは、さっぱりです。
もちろん、私と山本氏の見解が、百パーセント一致しているわけではありません。しかし、「あの史料はこうで、こういう史料にはこう書いているから、私はこう考える」という、お互いの考え方の基本はよくわかるわけでして、推測部分にちがいがありますのは、これまでにお互いが読んできました史料のちがいもありますし、理解できます。
基本、山本氏は、「世間一般に龍馬は過大評価されすぎている」
という認識をお持ちですし、私がこれに同感でありますのは、これまでにも延々とカテゴリー幕末土佐に書いておりまして、私はむしろ今回、近藤長次郎について調べておりました課程で、「私が感じていたほど龍馬がなにもしなかったわけではなく、慕われる個性を持ち、土佐脱藩者の中心になった人物ではあったんだなあ」と見直しました。
私がこれまでに持ってきました「巨大化した龍馬をもてはやす世間一般へのうんざり感」は、スーパーミックス超人「龍馬伝」や続・いろは丸と大洲と龍馬、「龍馬史」が描く坂本龍馬、坂本龍馬の虚像と実像などなどに、もう十二分ににじんでいると思います。
私の頭の中では、世間一般の龍馬の巨像が虚像でしかないことは常識でして、ただ、だからといって、世間にはびこりました虚像はなかなか消えるものではないですし、本気でそれを語るならば、ちゃんと史料を積み上げて調べなくてはなりません。私にとりまして、歴史オタクではない一般の方と、そんなことをあらためて語り合いますのは、うんざりすることです。
「史料を読み解いて龍馬の実像を」という趣旨の著書は、有名どころでまず坂本龍馬の虚像と実像でご紹介しております、松浦玲氏の『検証・龍馬伝説』があります。
実は山本氏も『実伝・坂本龍馬』という本を出しておられまして、主に長州側の史料から、龍馬の行動の実態を追っておられます。
この下の方はデジタル版なんですが、実はAPPストアでは、85円で売られておりました。山本氏がブログで「びっくり!電子書籍『実伝・坂本龍馬』って」と、書いておられる通りだったんです。
現在、なぜか85円ではなくなっています。アップルがiBookstoreで日本語のデジタル本を売るようになりまして、アマゾンのKiindleと値段のバランスをとるようなことにでもなったのかと思うのですが、山本氏によれば、デジタルに関する契約はまったくかわしていなくて、なんの連絡もなかったそうでして、出版社が勝手にデジタルにして、勝手な値段で売っているって、これ、違法行為ですよねえ、あきらかに。
それはともかく。
つい最近に出版されました知野文哉氏の『「坂本龍馬」の誕生: 船中八策と坂崎紫瀾』も、維新土佐勤王史が描きました龍馬像を検証し、実像に迫ろうという取り組みです。
この知野氏のご著書に関しましては、近藤長次郎に関係する部分もありますし、長くなりましたので、詳しくは次回に取り上げたいと思います。
ともかく、ですね。
なにをこう長々といまさら、私が龍馬の虚像について書いているかと申しますと、主に「龍馬の虚像はどうしてできたのか」ということと、それにも関係してくるのですが、「長次郎はなぜ死んだのか」という肝心な部分につきまして、私と千頭さまご夫妻の間には、どうにも、超えがたい垣があるようでして、いったい、なにをどうお話すればいいのか、私はただただ呆然とするばかりで、垣は越えようがないように思うからです。
えーと、その、確かに私は、自分に向けてブログで覚え書きを書いているようなものでして、話があちらへ飛びこちらへ飛び、まとまりがありませんし、長くて読み辛いのはわかります。そして、基本的に読者層は幕末オタク層を想定してはいるのですけれども、今回の「近藤長次郎とライアンの娘」シリーズは、一応、千頭さまご夫妻を、一番の読者と想定して書いていることもまた、事実です。
にもかかわらず、それが、どうも……、さっぱり理解していただいてはいないようなのです。
なにかもう、書く気力を無くしてしまう事態でして、まあ、それと山本氏から出ました出版話がからみあいまして、どういう企画にすればよいのか、どういう形で出版すればよいのか、ただいま迷走中です。
ただ、これまで書いてまいりましたこのシリーズも、訂正を入れ、整理をする必要がありますし、せっかく山本氏がいっしょにやろうと言ってくださっているのですから、私としましても、覚え書きの域を脱するためにも、ごいっしょに出版させていただければ嬉しいかも、とは思いまして、がんばってみるつもりです。
次回、知野氏のご本を紹介しがてら、企画を模索していこうと思います。
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今回もちょっとシリーズから離れまして、「近藤長次郎本を出したらどうだろうか」というお話を。
実はこの話、私が思いついたわけではなく、山本栄一郎氏の提案なんです。
近藤長次郎とライアンの娘 vol2で初めてご紹介いたしましたが、山本栄一郎氏は、「真説・薩長同盟―坂本竜馬の真実」の著者でおられます。
真説・薩長同盟―坂本竜馬の真実 | |
山本 栄一郎 | |
文芸社 |
私、実際のところ、近藤長次郎とライアンの娘 vol1で書きましたような事情で千頭さまご夫妻にお会いするまで、近藤長次郎について、このカテゴリーユニオン号の以前のシリーズ(桐野利秋(中村半次郎)と海援隊◆近藤長次郎 vol1以下)で書きました以上のことを、調べる気はまったくありませんでした。私にとりましては、それですんでしまった話でして。
私は別に、歴史学者でもなんでもないですし、ブログを書いておりますのはあくまで趣味でして、気分のおもむくままに、覚え書きを書きなぐっているにすぎないからです。
しかしとりあえず、それを人様に読んでいただける形にしよう、という意識は、職業ライターをやっておりました私の習性かもしれないのですが、一方から言いますと、金をもらって注文通りに書いておりましたかつての苦痛から離れ、好き勝手に殴り書きたい、という意欲の発散、でもあります。
それでまあ、このブログは仕事の文章とちがいまして、ごく一般向け、というわけでは、決してありません。
以前にも書いた覚えがありますが、高校時代からの友達が私のブログを見て、「龍馬か新撰組ならわかるけど、知らない人ばかりが出てきて、さっぱりわけがわからない」と、つまらなさそうに言っておりました。
人間、自分のまったく知らないことについて書かれた長文を、読んでみようという気にはなかなかならないものでして、えーと、家庭の事情でほとんど仕事ができなくなりまして、私、今やほとんど忘れてしまいましたが、一般の方々の関心を引くための工夫、というものが、一般向けの文章を書くに際しては、必要になってくるわけなのです。
で、好き勝手に書きなぐっておりますこのブログ、いったいでは、誰に向かって書いているかと申しますと、基本的には自分なのですが、そこが習性で、一応、読者を想定していないわけではなく、どういう読者かといいますと、ご同好の幕末オタクな方々、ということになるでしょう。
もともとが、そういう少数をターゲットにしている文章ですから、当然のことながら反響は少なく、したがいまして読まれた方からの反響を直にいただきますと、やはり非常に嬉しく、調子に乗ってしまうわけなのです。
そんな中で、私が千頭さまに山本氏のご本を紹介し、今度は、山本氏に直線連絡をとられました千頭さまから、山本氏が「近藤長次郎の本を出しましょう」 と提案しておられること、同時に私に連絡をとりたいと言っておられることをお聞きし、その運びとなりまして、近藤長次郎本を出そうという話が、突然、具体化することとなったわけです。
山本氏は、防府にお住まいの幕末史研究家でおられ、「山口歴史研究会」の会長としてご活躍。ご研究の中心テーマは、大村益次郎です。
当然のことながら、とても詳しくておられますから、初回から、いただいた電話にもかかわらず、とんでもない長話をしてしまいました。
私、中村さまを筆頭に、基本、幕末に非常に詳しい方以外とは、ほとんど幕末の話はいたしません。どうも、ですね。どっぷりとこの世界にひたっておりますおかげで、一般の方々に対しては、なにをどう説明すればいいのかさえ、わからなくなってしまっているんですね。
結果、「龍馬伝」に登場! ◆アーネスト・サトウ番外編に書いておりますように、妹にさえ、しかられます始末。
そんなわけでして、私、山本氏とのコミュニケーションは、きっちりとれていると思うのですが、千頭さまご夫妻とは、さっぱりです。
もちろん、私と山本氏の見解が、百パーセント一致しているわけではありません。しかし、「あの史料はこうで、こういう史料にはこう書いているから、私はこう考える」という、お互いの考え方の基本はよくわかるわけでして、推測部分にちがいがありますのは、これまでにお互いが読んできました史料のちがいもありますし、理解できます。
基本、山本氏は、「世間一般に龍馬は過大評価されすぎている」
という認識をお持ちですし、私がこれに同感でありますのは、これまでにも延々とカテゴリー幕末土佐に書いておりまして、私はむしろ今回、近藤長次郎について調べておりました課程で、「私が感じていたほど龍馬がなにもしなかったわけではなく、慕われる個性を持ち、土佐脱藩者の中心になった人物ではあったんだなあ」と見直しました。
私がこれまでに持ってきました「巨大化した龍馬をもてはやす世間一般へのうんざり感」は、スーパーミックス超人「龍馬伝」や続・いろは丸と大洲と龍馬、「龍馬史」が描く坂本龍馬、坂本龍馬の虚像と実像などなどに、もう十二分ににじんでいると思います。
私の頭の中では、世間一般の龍馬の巨像が虚像でしかないことは常識でして、ただ、だからといって、世間にはびこりました虚像はなかなか消えるものではないですし、本気でそれを語るならば、ちゃんと史料を積み上げて調べなくてはなりません。私にとりまして、歴史オタクではない一般の方と、そんなことをあらためて語り合いますのは、うんざりすることです。
「史料を読み解いて龍馬の実像を」という趣旨の著書は、有名どころでまず坂本龍馬の虚像と実像でご紹介しております、松浦玲氏の『検証・龍馬伝説』があります。
検証・龍馬伝説 | |
松浦 玲 | |
論創社 |
実は山本氏も『実伝・坂本龍馬』という本を出しておられまして、主に長州側の史料から、龍馬の行動の実態を追っておられます。
実伝・坂本龍馬―結局、龍馬は何をしたのか | |
山本 栄一郎 | |
本の泉社 |
実伝・坂本龍馬 ──結局、龍馬は何をしたのか | |
クリエーター情報なし | |
株式会社本の泉社 |
この下の方はデジタル版なんですが、実はAPPストアでは、85円で売られておりました。山本氏がブログで「びっくり!電子書籍『実伝・坂本龍馬』って」と、書いておられる通りだったんです。
現在、なぜか85円ではなくなっています。アップルがiBookstoreで日本語のデジタル本を売るようになりまして、アマゾンのKiindleと値段のバランスをとるようなことにでもなったのかと思うのですが、山本氏によれば、デジタルに関する契約はまったくかわしていなくて、なんの連絡もなかったそうでして、出版社が勝手にデジタルにして、勝手な値段で売っているって、これ、違法行為ですよねえ、あきらかに。
それはともかく。
つい最近に出版されました知野文哉氏の『「坂本龍馬」の誕生: 船中八策と坂崎紫瀾』も、維新土佐勤王史が描きました龍馬像を検証し、実像に迫ろうという取り組みです。
「坂本龍馬」の誕生: 船中八策と坂崎紫瀾 | |
知野 文哉 | |
人文書院 |
この知野氏のご著書に関しましては、近藤長次郎に関係する部分もありますし、長くなりましたので、詳しくは次回に取り上げたいと思います。
ともかく、ですね。
なにをこう長々といまさら、私が龍馬の虚像について書いているかと申しますと、主に「龍馬の虚像はどうしてできたのか」ということと、それにも関係してくるのですが、「長次郎はなぜ死んだのか」という肝心な部分につきまして、私と千頭さまご夫妻の間には、どうにも、超えがたい垣があるようでして、いったい、なにをどうお話すればいいのか、私はただただ呆然とするばかりで、垣は越えようがないように思うからです。
えーと、その、確かに私は、自分に向けてブログで覚え書きを書いているようなものでして、話があちらへ飛びこちらへ飛び、まとまりがありませんし、長くて読み辛いのはわかります。そして、基本的に読者層は幕末オタク層を想定してはいるのですけれども、今回の「近藤長次郎とライアンの娘」シリーズは、一応、千頭さまご夫妻を、一番の読者と想定して書いていることもまた、事実です。
にもかかわらず、それが、どうも……、さっぱり理解していただいてはいないようなのです。
なにかもう、書く気力を無くしてしまう事態でして、まあ、それと山本氏から出ました出版話がからみあいまして、どういう企画にすればよいのか、どういう形で出版すればよいのか、ただいま迷走中です。
ただ、これまで書いてまいりましたこのシリーズも、訂正を入れ、整理をする必要がありますし、せっかく山本氏がいっしょにやろうと言ってくださっているのですから、私としましても、覚え書きの域を脱するためにも、ごいっしょに出版させていただければ嬉しいかも、とは思いまして、がんばってみるつもりです。
次回、知野氏のご本を紹介しがてら、企画を模索していこうと思います。
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