(01)
「(1)最初の記事」で「確認」した通り、
① AはBである。
② BはAである。
③ AがBである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
②=③=④ である。
然るに、
(02)
① AはBである=AはBである。
である。
然るに、
(03)
① AはBである=AはBである。
の場合は、
①「A以外もBである。」とも、
①「A以外はBでない。」とも、言ってゐない。
従って、
(03)により、
(04)
① AはBである=(少なくとも)AはBである。
である。
然るに、
(05)
③ AがBである。
といふのであれば、
① AはBでない。
といふことは、有り得ない。
従って、
(05)により、
(06)
③ AがBである。
といふのであれば、
① AはBである。
従って、
(01)(06)により、
(07)
③ AがBである=AはBであって(A以外はBでない)。
である。
従って、
(04)(07)により、
(08)
① AはBである=(少なくとも)AはBである。
③ AがBである=AはBであって(A以外はBでない)。
然るに、
(09)
[のみ]他の事柄を排除して、ある事柄だけに限る意味を表はすと同時に、ある事柄を取出して、それを強調する意味に用ゐられる(時枝誠記、日本文法 文語編、2005年、236頁)。
然るに、
(10)
[のみ]に倣って、
[だけ]他の事柄を排除して、ある事柄だけに限る意味を表はす。
といふ風に、「仮定」する。
従って、
(08)(10)により、
(11)
① AはBである=(少なくとも)AはBである。
③ AがBである=AはBであって(A以外はBでない)。
に対して、
① AだけはBである=AはBであって(A以外はBでない)。
③ AだけがBである=AはBであって(A以外はBでない)。
であると、「仮定」する。
然るに、
(12)
① 日本語の教師の方たちには、どうしても、これだけは、知って欲しい。
のやうな場合に於ける、
① これだけは、知って欲しい。
の場合は、明らかに、
① これだけは、知って欲しい=(少なくとも)これだけは、知って欲しい。
といふ、「意味」であって、
① これだけは、知って欲しい=これを知って(これ以外は知らない)で欲しい。
といふ、「意味」ではない。
従って、
(10)(12)により、
(13)
[だけ]他の事柄を排除して、 ある事柄だけに限る意味を表はす。
といふのではなく、
[だけ]他の事柄を排除はせずに、ある事柄だけに限る意味を表はす。
といするのが、「正しい」。
然るに、
(14)
③ ただ 空 の 名残 のみ ぞ 惜しき(徒然草)。
③ ただ 空 の 名残 だけ が 惜しい(現代語)。
に於ける、
③ 空の名残だけが惜しい。
であれば、
① 空の名残だけは惜しい。
といふ「言ひ方」は、「普通は、しない」。
従って、
(13)(14)により、
(15)
③ 空の名残だけが惜しい=空の名残は惜しいが(空の名残以外は惜しくはない)。
に於ける、
③ (空の名残以外は惜しくはない)
といふ「排除」の「機能」は、
③ 「だけ(副助詞)」 が担ってゐるのではなく、
③ 「が(係助詞)」が担ってゐることになる。
(16)
次回の「予定」⇒鰻我所欲也=∀x{鰻x→∃y(我y&欲yx)}。
「(1)最初の記事」で「確認」した通り、
① AはBである。
② BはAである。
③ AがBである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
②=③=④ である。
然るに、
(02)
① AはBである=AはBである。
である。
然るに、
(03)
① AはBである=AはBである。
の場合は、
①「A以外もBである。」とも、
①「A以外はBでない。」とも、言ってゐない。
従って、
(03)により、
(04)
① AはBである=(少なくとも)AはBである。
である。
然るに、
(05)
③ AがBである。
といふのであれば、
① AはBでない。
といふことは、有り得ない。
従って、
(05)により、
(06)
③ AがBである。
といふのであれば、
① AはBである。
従って、
(01)(06)により、
(07)
③ AがBである=AはBであって(A以外はBでない)。
である。
従って、
(04)(07)により、
(08)
① AはBである=(少なくとも)AはBである。
③ AがBである=AはBであって(A以外はBでない)。
然るに、
(09)
[のみ]他の事柄を排除して、ある事柄だけに限る意味を表はすと同時に、ある事柄を取出して、それを強調する意味に用ゐられる(時枝誠記、日本文法 文語編、2005年、236頁)。
然るに、
(10)
[のみ]に倣って、
[だけ]他の事柄を排除して、ある事柄だけに限る意味を表はす。
といふ風に、「仮定」する。
従って、
(08)(10)により、
(11)
① AはBである=(少なくとも)AはBである。
③ AがBである=AはBであって(A以外はBでない)。
に対して、
① AだけはBである=AはBであって(A以外はBでない)。
③ AだけがBである=AはBであって(A以外はBでない)。
であると、「仮定」する。
然るに、
(12)
① 日本語の教師の方たちには、どうしても、これだけは、知って欲しい。
のやうな場合に於ける、
① これだけは、知って欲しい。
の場合は、明らかに、
① これだけは、知って欲しい=(少なくとも)これだけは、知って欲しい。
といふ、「意味」であって、
① これだけは、知って欲しい=これを知って(これ以外は知らない)で欲しい。
といふ、「意味」ではない。
従って、
(10)(12)により、
(13)
[だけ]他の事柄を排除して、 ある事柄だけに限る意味を表はす。
といふのではなく、
[だけ]他の事柄を排除はせずに、ある事柄だけに限る意味を表はす。
といするのが、「正しい」。
然るに、
(14)
③ ただ 空 の 名残 のみ ぞ 惜しき(徒然草)。
③ ただ 空 の 名残 だけ が 惜しい(現代語)。
に於ける、
③ 空の名残だけが惜しい。
であれば、
① 空の名残だけは惜しい。
といふ「言ひ方」は、「普通は、しない」。
従って、
(13)(14)により、
(15)
③ 空の名残だけが惜しい=空の名残は惜しいが(空の名残以外は惜しくはない)。
に於ける、
③ (空の名残以外は惜しくはない)
といふ「排除」の「機能」は、
③ 「だけ(副助詞)」 が担ってゐるのではなく、
③ 「が(係助詞)」が担ってゐることになる。
(16)
次回の「予定」⇒鰻我所欲也=∀x{鰻x→∃y(我y&欲yx)}。