日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(99)「命題論理の分配法則と「集合の分配法則」。

2018-11-04 18:21:01 | 論理
(01)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
然るに、
(02)
P∪(Q∩R)=(Q∩R)∪P
従って、
(01)(02)により、
(03)
(Q∩R)∪P=(P∪Q)∩(P∪R)
然るに、
(04)
(Q∩R)∪P=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「式」は、
「集合Qと集合Rの積集合と、集合Pとの和集合」は
「集合Pと集合Qの和集合と、集合Pと集合Rの和集合との積集合」に等しい。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
頭の中に、「ベン図」を思い浮かべれば分かる通り、確かに、
「集合Qと集合Rの積集合と、集合Pとの和集合」は
「集合Pと集合Qの和集合と、集合Pと集合Rの和集合との積集合」に等しい。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「(集合の)分配法則」は、「正しい」。
然るに、
(07)
次の、(08)に示す通り、
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「(集合の)分配法則」に加へて、
P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
といふ「(命題論理の)分配法則」も、「正しい」。
(08)
(a)
1  (1) P∨(Q∧R)    A
 2 (2) P          A
 2 (2) P∨Q        2∨I
 2 (3) P∨R        2∨I
 2 (4)(P∨Q)∧(P∨R) 23∧I
  5(5)    Q∧R     A
  5(6)    Q       5∧E
  5(7)      R     5∧E
  5(8) P∨Q        6∨I
  5(9)       P∨R  7∨I
  5(ア)(P∨Q)∧(P∨R) 89∧I
1  (イ)(P∨Q)∧(P∨R) 1245ア∨E
(b)
1 (1) (P∨Q)∧(P∨R) A
1 (2)  P∨Q        1&E
1 (3)~~P∨Q        2DN
1 (4) ~P→Q        3含意の定義
1 (5)        P∨R  1&E
1 (6)      ~~P∨R  5DN
1 (7)       ~P→R  6含意の定義
 2(8) ~P          A
12(9)    Q        48MPP
12(ア)          R  78MPP
12(イ)    (Q∧R)    9ア&I
1 (ウ) ~P→(Q∧R)    8イCP
1 (エ)~~P∨(Q∧R)    ウ含意の定義
1 (オ)  P∨(Q∧R)    エDN
然るに、
(09)
(b)
1 (4) ~P→Q        3含意の定義
1 (7)       ~P→R  6含意の定義
1 (エ)~~P∨(Q&R)    ウ含意の定義
といふ「定理」を用ゐないのであれば、
(b)
1          (1)   (P∨Q)∧(P∨R) A
1          (2)    P∨Q        1∧E
 3         (3)   ~P∧~Q       A
  4        (4)    P          A
 3         (5)   ~P          3∧E
 34        (6)    P∧~P       45∧I
  4        (7) ~(~P∧~Q)      36RAA
   8       (8)       Q       A
 3         (9)      ~Q       3∧E
 3 8       (ア)    ~Q∧Q       89∧I
   8       (イ) ~(~P∧~Q)      3アRAA
1          (ウ) ~(~P∧~Q)      1478イ∨E
    エ      (エ)   ~P          A
     オ     (オ)      ~Q       A
    エオ     (カ)   ~P∧~Q       エオ∧I
1   エオ     (キ) ~(~P∧~Q)∧
                (~P∧~Q)      ウカ∧I
1   エ      (ク)     ~~Q       オキRAA
1   エ      (ケ)       Q       クDN
1          (コ)   ~P→ Q       エケCP
1          (サ)          P∨R  1∧E
1          (シ)   ~P→ R       2コサ代入例
      セ    (セ)   ~P          A
1     セ    (ソ)       Q       コセMPP
1     セ    (タ)       R       シセMPP
1     セ    (チ)     Q∧R       ソタ∧I
1          (ツ)~P→ (Q∧R)      セチCP
       テ   (テ)~P∧~(Q∧R)      A
       テ   (ト)~P             テ∧E
       テ   (ナ)   ~(Q∧R)      テ∧E
1      テ   (ニ)    (Q∧R)      ツトCP
1      テ   (ヌ)~(Q∧R)∧(Q∧R)   ナニ∧I
1          (ネ)~(~P∧~(Q∧R))   テヌRAA
        ノ  (ノ)~( P∨ (Q∧R))   A
         ハ (ハ)   P           A
         ハ (ヒ)   P∨ (Q∧R)    ハ∨I
        ノハ (フ)~( P∨ (Q∧R))
               ( P∨ (Q∧R))   ノヒ∧I
        ノ  (ヘ)  ~P           ハフRAA
          ホ(ホ)      (Q∧R)    A
          ホ(マ)   P∨ (Q∧R)    ホ∨I
        ノ ホ(ミ)~( P∨ (Q∧R))∧
               ( P∨ (Q∧R))   ノマ∧I
        ノ  (ム)     ~(Q∧R)    ホミRAA
        ノ  (メ)  ~P∧~(Q∧R)    ヘム∧I
1       ノ  (モ)~(~P∧~(Q∧R))∧
                ~P∧~(Q∧R)    ネメ∧I
1          (ヤ)~~(P∨ (Q∧R))   ノモRAA
1          (ヰ)   P∨ (Q∧R)    ヤDN
といふ風に、「37行もの、計算」をしなければ、ならない。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
といふ「分配法則」は、両方とも「正しい」ものの、
前者である「(集合の)分配法則」は、「ベン図」で「証明」されて、後者である「(命題論理の)分配法則」は、
(a)
1  (1) P∨(Q∧R)    A
 2 (2) P          A
 2 (2) P∨Q        2∨I
 2 (3) P∨R        2∨I
 2 (4)(P∨Q)∧(P∨R) 23∧I
  5(5)    Q∧R     A
  5(6)    Q       5∧E
  5(7)      R     5∧E
  5(8) P∨Q        6∨I
  5(9)       P∨R  7∨I
  5(ア)(P∨Q)∧(P∨R) 89∧I
1  (イ)(P∨Q)∧(P∨R) 1245ア∨E
(b)
1          (1)   (P∨Q)∧(P∨R) A
1          (2)    P∨Q        1∧E
 3         (3)   ~P∧~Q       A
  4        (4)    P          A
 3         (5)   ~P          3∧E
 34        (6)    P∧~P       45∧I
  4        (7) ~(~P∧~Q)      36RAA
   8       (8)       Q       A
 3         (9)      ~Q       3∧E
 3 8       (ア)    ~Q∧Q       89∧I
   8       (イ) ~(~P∧~Q)      3アRAA
1          (ウ) ~(~P∧~Q)      1478イ∨E
    エ      (エ)   ~P          A
     オ     (オ)      ~Q       A
    エオ     (カ)   ~P∧~Q       エオ∧I
1   エオ     (キ) ~(~P∧~Q)∧
                (~P∧~Q)      ウカ∧I
1   エ      (ク)     ~~Q       オキRAA
1   エ      (ケ)       Q       クDN
1          (コ)   ~P→ Q       エケCP
1          (サ)          P∨R  1∧E
1          (シ)   ~P→ R       2コサ代入例
      セ    (セ)   ~P          A
1     セ    (ソ)       Q       コセMPP
1     セ    (タ)       R       シセMPP
1     セ    (チ)     Q∧R       ソタ∧I
1          (ツ)~P→ (Q∧R)      セチCP
       テ   (テ)~P∧~(Q∧R)      A
       テ   (ト)~P             テ∧E
       テ   (ナ)   ~(Q∧R)      テ∧E
1      テ   (ニ)    (Q∧R)      ツトCP
1      テ   (ヌ)~(Q∧R)∧(Q∧R)   ナニ∧I
1          (ネ)~(~P∧~(Q∧R))   テヌRAA
        ノ  (ノ)~( P∨ (Q∧R))   A
         ハ (ハ)   P           A
         ハ (ヒ)   P∨ (Q∧R)    ハ∨I
        ノハ (フ)~( P∨ (Q∧R))∧
               ( P∨ (Q∧R))   ノヒ∧I
        ノ  (ヘ)  ~P           ハフRAA
          ホ(ホ)      (Q∧R)    A
          ホ(マ)   P∨ (Q∧R)    ホ∨I
        ノ ホ(ミ)~( P∨ (Q∧R))∧
               ( P∨ (Q∧R))   ノマ∧I
        ノ  (ム)     ~(Q∧R)    ホミRAA
        ノ  (メ)  ~P∧~(Q∧R)    ヘム∧I
1       ノ  (モ)~(~P∧~(Q∧R))∧
                ~P∧~(Q∧R)    ネメ∧I
1          (ヤ)~~(P∨ (Q∧R))   ノモRAA
1          (ヰ)   P∨ (Q∧R)    ヤDN
といふ具合に、「11+37=48行の、命題計算」で「証明」されることになる。
然るに、
(11)


といふ「ベン図」と、「11+37=48行の、命題計算」は、「全然似てゐない」。
従って、
(07)(11)により、
(12)
① P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
② P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
に於いて、
① の「等式」が「正しい」ことも、
② の「等式」が「正しい」ことも、私には、「理解」出来るものの、
①=② である。
といふことが、私には、「理解」出来ない。
すなはち、
(13)
「集合の分配法則」も、「命題計算の分配法則」も、個別には、「理解」出来るものの、
「集合の分配法則」と、「命題計算の分配法則」の「関係」が、私には、「理解」出来ない。
従って、
(12)(13)により、
(14)
「ベン図」によって、「集合の分配法則」が「理解」出来ることと、「命題計算の分配法則」が「理解」出来ることは、「同じ」ではない。