(01)
「定理(公式)」を用ひるならば、
(a)
1 (1) ∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
1 (3) ~~鼻cx∨~長c 2含意の定義
1 (4) ~(~鼻cx& 長c) ド・モルガンの法則
5 (5) ∃x(~鼻zx& 長z) A
6(6) ~鼻cx& 長c A
1 6(7) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) 46&I
15 (8) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) 567EE
1 (9)~∃x(~鼻zx& 長z) 58RAA
(b)
1 (1)~∃x(~鼻zx& 長z) A
1 (2)∀z~(~鼻zx& 長z) 1量化子の関係
1 (3) ~(~鼻cx& 長c) 2UE
1 (4) ~~鼻cx∨~長c 3ド・モルガンの法則
1 (5) ~鼻cx→~長c 4含意の定義
1 (6) ∀z(~鼻zx→~長z) 5UI
(02)
「定理(公式)」を用ひないならば、
(a)
1 (1) ∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
3 (3) ~鼻cx& 長c A
3 (4) ~鼻cx 3&E
3 (5) 長c 3&E
13 (6) ~長c 24MPP
13 (7) 長c&~長c 56&I
1 (8) ~長c 57RAA
1 (9) ~~鼻cx∨~長c 8∨I
ア (ア) ~鼻cx& 長c A
ア (イ) ~鼻cx ア&E
ウ (ウ) ~~鼻cx A
アウ (エ) ~鼻cx&~~鼻cx イウ&I
ウ (オ) ~(~鼻cx& 長c) アエRAA
ア (カ) 長c ア&E
キ (キ) ~長c A
ア キ (ク) 長c&~長c カキ&I
キ (ケ) ~(~鼻cx& 長c) アクRAA
1 (コ) ~(~鼻cx& 長c) 9ウオキケ∨E
サ (サ) ∃z(~鼻zx& 長z) A
ス(シ) ~鼻cx& 長c A
1 ス(セ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) コシ&I
1 サ (ソ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) サスセEE
1 (タ)~∃z(~鼻zx& 長z) サソRAA
(b)
1 (1) ~∃z(~鼻zx& 長z) A
2 (2) ~∀z~(~鼻zx& 長z) A
3 (3) (~鼻cx& 長c) A
3 (4) ∃z(~鼻zx& 長z) 3EI
1 3 (5) ~∃z(~鼻zx& 長z)&
∃z(~鼻zx& 長z) 14&I
1 (6) ~(~鼻cx& 長c) 3RAA
1 (7) ∀z~(~鼻zx& 長z) 6UI
12 (8) ~∀z~(~鼻zx& 長z)&
∀z~(~鼻zx& 長z) 27&I
1 (9)~~∀z~(~鼻zx& 長z) 28RAA
1 (ア) ∀z~(~鼻zx& 長z) 9DN
1 (イ) ~(~鼻cx& 長c) アUE
ウ (ウ) ~( 鼻cx∨~長c) A
エ (エ) 鼻cx A
エ (オ) 鼻cx∨~長c エ∨I
ウエ (カ) ~( 鼻cx∨~長c)
( 鼻cx∨~長c) ウオ&I
ウ (キ) ~鼻cx エカRAA
ク (ク) ~長c A
(ケ) 鼻cx∨~長c ク∨I
ウ ク (コ) ~( 鼻cx∨~長c)&
( 鼻cx∨~長c) ウケ&I
ウ (サ) ~~長c クコRAA
ウ (シ) 長c サDN
ウ (ス) ~鼻cx& 長c キシ&I
1ウ (セ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) イス&I
1 (ソ) ~~( 鼻cx∨~長c) ウセRAA
1 (タ) 鼻cx∨~長c ソDN
チ (チ) ~鼻cx& 長c A
チ (ツ) ~鼻cx チ&E
テ (テ) 鼻cx A
チテ (ト) ~鼻cx&鼻cx ツテ&I
テ (ナ) ~(~鼻cx& 長c) チトRAA
チ (ニ) 長c チ&E
ヌ (ヌ) ~長c A
チ ヌ (ネ) 長c&~長c ニヌ&I
ヌ (ノ) ~(~鼻cx& 長c) チネRAA
1 (ハ) ~(~鼻cx& 長c) タテナヌノ∨E
ヒ (ヒ) ~鼻cx A
フ(フ) 長c A
ヒフ(ヘ) ~鼻cx& 長c ヒフ&I
1 ヒフ(ホ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) ハヘ&I
1 ヒ (マ) ~長c フホRAA
1 (ミ) ~鼻cx→~長c ヒマCP
1 (ム) ∀z(~鼻zx→~長z) ミUI
cf.
こうして「その証明」を、最初の「基本的規則(10個)」からの「より長い証明」に変形することができる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、72頁改)
従って、
(01)(02)により、
(03)
いづれにせよ、
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(03)により、
(04)
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(04)により、
(05)
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)=(b) である。が故に、
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(b)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
に於いて、
(a)=(b) である。
然るに、
(06)
(a)
1 (1)∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
3 (3) ~鼻cx A
4(4) 長c A
13 (5) ~長c 23MPP
134(6) 長c&~長c 45&I
1 4(7) ~~鼻cx 36RAA
1 4(8) 鼻cx 7DN
1 (9) 長c→ 鼻cx 48CP
1 (ア)∀z( 長z→ 鼻zx) 9UI
(c)
1 (1)∀z( 長z→ 鼻zx) A
1 (2) 長c→ 鼻cx 1UE
3 (3) 長c A
4(4) ~鼻cx A
13 (5) 鼻cx 23MPP
134(6) ~鼻cx&鼻cx 45&I
1 4(7) ~長c 36RAA
1 (8) ~鼻cx→~長c 47CP
1 (9)∀z(~鼻zx→~長z) 8UI
従って、
(06)により、
(07)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)ならば(c)であり、
(c)ならば(a)である。
従って、
(07)により、
(08)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)=(c) である。
cf.
対偶(Contraposition)は、等しい。
従って、
(08)により,
(09)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)=(c) である。が故に、
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(c)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、xが長いならば、zはxの鼻である}。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(05)(09)により、
(10)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(b)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
(c)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、xが長いならば、zはxの鼻である}。
に於いて、
(a)=(b)=(c) である。
然るに、
(11)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、
(a)象 =タゴール記念会
(a)鼻 =私
(a)長い=理事長
といふ「代入」を行ふと、
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
といふ「式」になる。
従って、
(10(11)により、
(12)
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(12)により、
(13)
次の「計算」は、当然、「正しい」。
(a)
1 (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)} A
1 (2) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 1UE
2 (3) タゴール記念会a A
12 (4) ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 23MPP
12 (5) ∃y(私ya&理事長y) 4&E
12 (6) ∀z(~私za→~理事長z 4&E
12 (7) ~私ca→~理事長c 6UI
8 (8) ~私ca A
9(9) 理事長c A
128 (ア) ~理事長c 78MPP
1289(イ) 理事長c&~理事長c 9ア&I
12 9(ウ) ~~私ca 8イRAA
12 9(エ) 私ca ウDN
12 (オ) 理事長c→ 私ca 9エCP
12 (カ) ∀z( 理事長z→ 私za) オUI
12 (キ) ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 5カ&I
1 (ク) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 3キCP
1 (ケ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)} ケUI
(c)
1 (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)} A
1 (2) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 1UE
2 (3) タゴール記念会a A
12 (4) ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 23MPP
12 (5) ∃y(私ya&理事長y) 4&E
12 (6) ∀z( 理事長z→ 私za) 4&E
12 (7) 理事長c→ 私ca 6UI
8 (8) 理事長c A
9(9) ~私ca A
128 (ア) 私ca 78MPP
1289(イ) ~私ca&私ca 9ア&I
12 9(ウ) ~理事長c 8イRAA
12 (エ) ~私ca→~理事長c 9ウCP
12 (オ) ∀z(~私za→~理事長z) エUI
12 (カ) ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 5オ&I
1 (キ) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 3カCP
1 (ク)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。 キUI
従って、
(12)(13)により、
(14)
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについて、zがxの、すなはちタゴール記念会員の私でないならば、zは理事長ではない}。
(c)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについて、zが理事長であるならば、zはxの、すなはちタゴール記念会員の私である}。
に於いて、
(a)=(c) である。
然るに、
(15)
(a)すべてのzについて、zがxの、すなはちタゴール記念会員の私でないならば、zは理事長ではない。
(c)すべてのzについて、zが理事長であるならば、zはxの、すなはちタゴール記念会員の私である。
といふことは、要するに、
(a)私以外に、タゴール記念会の理事長はゐない。
(c)タゴール記念会の理事長は、私である。
といふことに、他ならない。
従って、
(14)(15)により、
(16)
(a)私以外に、タゴール記念会の理事長はゐない。
(c)タゴール記念会の理事長は、私である。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(16)により、
(17)
(Ⅱ)理事長は、私です。
(Ⅲ)私以外は、理事長ではない。
に於いて、
(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
然るに、
(18)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念館は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
(17)(18)により、
(19)
これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
か、どうかは別にして、いづれにせよ、
(Ⅰ)私が理事長です。
(Ⅱ)理事長は、私です。
(Ⅲ)私以外は、理事長ではない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
従って、
(19)により、
(20)
(Ⅰ)タゴール記念館は、私が理事長です。
(Ⅱ)タゴール記念館の、理事長は、私です。
(Ⅲ)タゴール記念館は、私以外に、理事長はいない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
従って、
(11)(20)により、
(21)
(Ⅰ)タゴール記念会=象
(Ⅰ) 私=鼻
(Ⅰ) 理事長=長い
といふ「代入」を行ふと、
(Ⅰ)象は、鼻が長いです。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻です。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くありません。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
然るに、
(22)
(Ⅰ)象は、鼻が長い。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻である。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である以上、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」による「推論(三段論法)」は、「妥当(valid)」でなければ、ならない。
然るに、
(23)
(α)象は鼻が長い。
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」、すなはち、
(α)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
(β)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない}。
(γ)すべてのxについて{xが兎であるならば、xは象ではない。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(24)
α (α)象は鼻が長い。 A
α (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
α (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。 A
β (β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
β (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
β (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、あるyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)ある兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
α (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) αUE
β (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) αUE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
α 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
β 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
α 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
β 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ (オ) 耳ba&長b A
α 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
α 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
α 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
α 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
α 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
β 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
β 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
β 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
αβ 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&
αβ 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
αβ 6 オ (ト) ∃x(長x&~長x) テEI
αβ 6 (ナ) ∃x(長b&~長b) ウオトEE
αβ3 (ニ) ∃x(長b&~長b) 36ナEE
αβ (ヌ)~∃x(兎x&象x) 3ニRAA
αβ (ネ)∀x~(兎x&象x) ヌ量化子の関係
αβ (ノ) ~(兎a&象a) ネUE
αβ (ハ) ~兎a∨~象a ノ、ド・モルガンの法則
αβ (ヒ) 兎a→~象a ハ含意の定義
αβ (γ)∀x(兎x→~象x) ヒUI
αβ (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ヒUI
αβ (〃)兎は象ではない。 ヒUI
従って、
(23)(24)により、
(25)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」に、対応し、尚且つ、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理(Predicate logic)」として、「妥当(Valid)」である。
従って、
(25)により、
(26)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」による「推論(三段論法)」を、「マチガイ」であると、しないのであれば、その一方で、
(α)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
(α)象は鼻が長い=すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
従って、
(22)(26)により、
(27)
(Ⅰ)象は、鼻が長い。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻である。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ)
といふ「等式」は、「日本語・述語論理」として、「正しい」。
従って、
(05)(27)により、
(28)
少なくとも、
(a)象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「日本語」は、「述語論理的(Predicate logical)」であって「非論理的(Illogical)」ではない。
(29)
「英語」は、「論理的」であるとしても、「論理学的な言語」ではない。
(30)
「漢文や日本語」は、少なくとも、「英語」よりは、「論理学的」である。
「定理(公式)」を用ひるならば、
(a)
1 (1) ∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
1 (3) ~~鼻cx∨~長c 2含意の定義
1 (4) ~(~鼻cx& 長c) ド・モルガンの法則
5 (5) ∃x(~鼻zx& 長z) A
6(6) ~鼻cx& 長c A
1 6(7) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) 46&I
15 (8) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) 567EE
1 (9)~∃x(~鼻zx& 長z) 58RAA
(b)
1 (1)~∃x(~鼻zx& 長z) A
1 (2)∀z~(~鼻zx& 長z) 1量化子の関係
1 (3) ~(~鼻cx& 長c) 2UE
1 (4) ~~鼻cx∨~長c 3ド・モルガンの法則
1 (5) ~鼻cx→~長c 4含意の定義
1 (6) ∀z(~鼻zx→~長z) 5UI
(02)
「定理(公式)」を用ひないならば、
(a)
1 (1) ∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
3 (3) ~鼻cx& 長c A
3 (4) ~鼻cx 3&E
3 (5) 長c 3&E
13 (6) ~長c 24MPP
13 (7) 長c&~長c 56&I
1 (8) ~長c 57RAA
1 (9) ~~鼻cx∨~長c 8∨I
ア (ア) ~鼻cx& 長c A
ア (イ) ~鼻cx ア&E
ウ (ウ) ~~鼻cx A
アウ (エ) ~鼻cx&~~鼻cx イウ&I
ウ (オ) ~(~鼻cx& 長c) アエRAA
ア (カ) 長c ア&E
キ (キ) ~長c A
ア キ (ク) 長c&~長c カキ&I
キ (ケ) ~(~鼻cx& 長c) アクRAA
1 (コ) ~(~鼻cx& 長c) 9ウオキケ∨E
サ (サ) ∃z(~鼻zx& 長z) A
ス(シ) ~鼻cx& 長c A
1 ス(セ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) コシ&I
1 サ (ソ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) サスセEE
1 (タ)~∃z(~鼻zx& 長z) サソRAA
(b)
1 (1) ~∃z(~鼻zx& 長z) A
2 (2) ~∀z~(~鼻zx& 長z) A
3 (3) (~鼻cx& 長c) A
3 (4) ∃z(~鼻zx& 長z) 3EI
1 3 (5) ~∃z(~鼻zx& 長z)&
∃z(~鼻zx& 長z) 14&I
1 (6) ~(~鼻cx& 長c) 3RAA
1 (7) ∀z~(~鼻zx& 長z) 6UI
12 (8) ~∀z~(~鼻zx& 長z)&
∀z~(~鼻zx& 長z) 27&I
1 (9)~~∀z~(~鼻zx& 長z) 28RAA
1 (ア) ∀z~(~鼻zx& 長z) 9DN
1 (イ) ~(~鼻cx& 長c) アUE
ウ (ウ) ~( 鼻cx∨~長c) A
エ (エ) 鼻cx A
エ (オ) 鼻cx∨~長c エ∨I
ウエ (カ) ~( 鼻cx∨~長c)
( 鼻cx∨~長c) ウオ&I
ウ (キ) ~鼻cx エカRAA
ク (ク) ~長c A
(ケ) 鼻cx∨~長c ク∨I
ウ ク (コ) ~( 鼻cx∨~長c)&
( 鼻cx∨~長c) ウケ&I
ウ (サ) ~~長c クコRAA
ウ (シ) 長c サDN
ウ (ス) ~鼻cx& 長c キシ&I
1ウ (セ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) イス&I
1 (ソ) ~~( 鼻cx∨~長c) ウセRAA
1 (タ) 鼻cx∨~長c ソDN
チ (チ) ~鼻cx& 長c A
チ (ツ) ~鼻cx チ&E
テ (テ) 鼻cx A
チテ (ト) ~鼻cx&鼻cx ツテ&I
テ (ナ) ~(~鼻cx& 長c) チトRAA
チ (ニ) 長c チ&E
ヌ (ヌ) ~長c A
チ ヌ (ネ) 長c&~長c ニヌ&I
ヌ (ノ) ~(~鼻cx& 長c) チネRAA
1 (ハ) ~(~鼻cx& 長c) タテナヌノ∨E
ヒ (ヒ) ~鼻cx A
フ(フ) 長c A
ヒフ(ヘ) ~鼻cx& 長c ヒフ&I
1 ヒフ(ホ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) ハヘ&I
1 ヒ (マ) ~長c フホRAA
1 (ミ) ~鼻cx→~長c ヒマCP
1 (ム) ∀z(~鼻zx→~長z) ミUI
cf.
こうして「その証明」を、最初の「基本的規則(10個)」からの「より長い証明」に変形することができる。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、72頁改)
従って、
(01)(02)により、
(03)
いづれにせよ、
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(03)により、
(04)
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(04)により、
(05)
(a) ∀z(~鼻zx→~長z)
(b)~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)=(b) である。が故に、
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(b)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
に於いて、
(a)=(b) である。
然るに、
(06)
(a)
1 (1)∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
3 (3) ~鼻cx A
4(4) 長c A
13 (5) ~長c 23MPP
134(6) 長c&~長c 45&I
1 4(7) ~~鼻cx 36RAA
1 4(8) 鼻cx 7DN
1 (9) 長c→ 鼻cx 48CP
1 (ア)∀z( 長z→ 鼻zx) 9UI
(c)
1 (1)∀z( 長z→ 鼻zx) A
1 (2) 長c→ 鼻cx 1UE
3 (3) 長c A
4(4) ~鼻cx A
13 (5) 鼻cx 23MPP
134(6) ~鼻cx&鼻cx 45&I
1 4(7) ~長c 36RAA
1 (8) ~鼻cx→~長c 47CP
1 (9)∀z(~鼻zx→~長z) 8UI
従って、
(06)により、
(07)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)ならば(c)であり、
(c)ならば(a)である。
従って、
(07)により、
(08)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)=(c) である。
cf.
対偶(Contraposition)は、等しい。
従って、
(08)により,
(09)
(a)∀z(~鼻zx→~長z)
(c)∀z( 長z →鼻zx)
に於いて、
(a)=(c) である。が故に、
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(c)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、xが長いならば、zはxの鼻である}。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(05)(09)により、
(10)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
(b)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
(c)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、xが長いならば、zはxの鼻である}。
に於いて、
(a)=(b)=(c) である。
然るに、
(11)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(c)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長x→ 鼻zx)}。
に於いて、
(a)象 =タゴール記念会
(a)鼻 =私
(a)長い=理事長
といふ「代入」を行ふと、
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
といふ「式」になる。
従って、
(10(11)により、
(12)
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(12)により、
(13)
次の「計算」は、当然、「正しい」。
(a)
1 (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)} A
1 (2) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 1UE
2 (3) タゴール記念会a A
12 (4) ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 23MPP
12 (5) ∃y(私ya&理事長y) 4&E
12 (6) ∀z(~私za→~理事長z 4&E
12 (7) ~私ca→~理事長c 6UI
8 (8) ~私ca A
9(9) 理事長c A
128 (ア) ~理事長c 78MPP
1289(イ) 理事長c&~理事長c 9ア&I
12 9(ウ) ~~私ca 8イRAA
12 9(エ) 私ca ウDN
12 (オ) 理事長c→ 私ca 9エCP
12 (カ) ∀z( 理事長z→ 私za) オUI
12 (キ) ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 5カ&I
1 (ク) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 3キCP
1 (ケ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)} ケUI
(c)
1 (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)} A
1 (2) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 1UE
2 (3) タゴール記念会a A
12 (4) ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 23MPP
12 (5) ∃y(私ya&理事長y) 4&E
12 (6) ∀z( 理事長z→ 私za) 4&E
12 (7) 理事長c→ 私ca 6UI
8 (8) 理事長c A
9(9) ~私ca A
128 (ア) 私ca 78MPP
1289(イ) ~私ca&私ca 9ア&I
12 9(ウ) ~理事長c 8イRAA
12 (エ) ~私ca→~理事長c 9ウCP
12 (オ) ∀z(~私za→~理事長z) エUI
12 (カ) ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 5オ&I
1 (キ) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 3カCP
1 (ク)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。 キUI
従って、
(12)(13)により、
(14)
(a)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(c)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長x→ 私zx)}。
に於いて、すなはち、
(a)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについて、zがxの、すなはちタゴール記念会員の私でないならば、zは理事長ではない}。
(c)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについて、zが理事長であるならば、zはxの、すなはちタゴール記念会員の私である}。
に於いて、
(a)=(c) である。
然るに、
(15)
(a)すべてのzについて、zがxの、すなはちタゴール記念会員の私でないならば、zは理事長ではない。
(c)すべてのzについて、zが理事長であるならば、zはxの、すなはちタゴール記念会員の私である。
といふことは、要するに、
(a)私以外に、タゴール記念会の理事長はゐない。
(c)タゴール記念会の理事長は、私である。
といふことに、他ならない。
従って、
(14)(15)により、
(16)
(a)私以外に、タゴール記念会の理事長はゐない。
(c)タゴール記念会の理事長は、私である。
に於いて、
(a)=(c) である。
従って、
(16)により、
(17)
(Ⅱ)理事長は、私です。
(Ⅲ)私以外は、理事長ではない。
に於いて、
(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
然るに、
(18)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念館は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
(17)(18)により、
(19)
これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
か、どうかは別にして、いづれにせよ、
(Ⅰ)私が理事長です。
(Ⅱ)理事長は、私です。
(Ⅲ)私以外は、理事長ではない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
従って、
(19)により、
(20)
(Ⅰ)タゴール記念館は、私が理事長です。
(Ⅱ)タゴール記念館の、理事長は、私です。
(Ⅲ)タゴール記念館は、私以外に、理事長はいない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
従って、
(11)(20)により、
(21)
(Ⅰ)タゴール記念会=象
(Ⅰ) 私=鼻
(Ⅰ) 理事長=長い
といふ「代入」を行ふと、
(Ⅰ)象は、鼻が長いです。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻です。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くありません。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である。
然るに、
(22)
(Ⅰ)象は、鼻が長い。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻である。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ) である以上、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」による「推論(三段論法)」は、「妥当(valid)」でなければ、ならない。
然るに、
(23)
(α)象は鼻が長い。
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」、すなはち、
(α)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
(β)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない}。
(γ)すべてのxについて{xが兎であるならば、xは象ではない。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(24)
α (α)象は鼻が長い。 A
α (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
α (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。 A
β (β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
β (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
β (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、あるyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)ある兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
α (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) αUE
β (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) αUE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
α 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
β 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
α 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
β 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ (オ) 耳ba&長b A
α 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
α 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
α 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
α 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
α 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
β 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
β 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
β 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
αβ 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&
αβ 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
αβ 6 オ (ト) ∃x(長x&~長x) テEI
αβ 6 (ナ) ∃x(長b&~長b) ウオトEE
αβ3 (ニ) ∃x(長b&~長b) 36ナEE
αβ (ヌ)~∃x(兎x&象x) 3ニRAA
αβ (ネ)∀x~(兎x&象x) ヌ量化子の関係
αβ (ノ) ~(兎a&象a) ネUE
αβ (ハ) ~兎a∨~象a ノ、ド・モルガンの法則
αβ (ヒ) 兎a→~象a ハ含意の定義
αβ (γ)∀x(兎x→~象x) ヒUI
αβ (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ヒUI
αβ (〃)兎は象ではない。 ヒUI
従って、
(23)(24)により、
(25)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」に、対応し、尚且つ、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理(Predicate logic)」として、「妥当(Valid)」である。
従って、
(25)により、
(26)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」による「推論(三段論法)」を、「マチガイ」であると、しないのであれば、その一方で、
(α)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
(α)象は鼻が長い=すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
従って、
(22)(26)により、
(27)
(Ⅰ)象は、鼻が長い。
(Ⅱ)象で、長いのは、鼻である。
(Ⅲ)象は、鼻以外は、長くない。
に於いて、
(Ⅰ)=(Ⅱ)=(Ⅲ)
といふ「等式」は、「日本語・述語論理」として、「正しい」。
従って、
(05)(27)により、
(28)
少なくとも、
(a)象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は、鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「日本語」は、「述語論理的(Predicate logical)」であって「非論理的(Illogical)」ではない。
(29)
「英語」は、「論理的」であるとしても、「論理学的な言語」ではない。
(30)
「漢文や日本語」は、少なくとも、「英語」よりは、「論理学的」である。