日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(102)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}。

2018-11-11 12:01:11 | 「は」と「が」
(01)
「前回の記事(101)」と「前々回の記事(100)」等で確認した通り、
② 象鼻は長い。
③ 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻は長い。
② 象鼻は長い。
③ 象は鼻長い。
④ 象長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に対応する、筈である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は鼻は長い
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」としては、
① すべてxについて、xが象であるならば、あるyがxの鼻であって、そのyは長い。
② すべてxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
③ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
④ すべてxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはなく、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
といふ「意味」になる。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① 象は鼻は長い。
② 象以外の鼻は長くない。
③ 象は鼻だけが長い。
④ 象以外の鼻は長くなく、象は鼻だけが長い。
といふ「意味」になる。
然るに、
(05)
③ 象は鼻長い。
といふ「文」を読むたびに、以前から、さう思ってゐたものの、
⑤ マンモス象は鼻だけでなく、牙長いし毛長い。
然るに、
(06)
③ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、 すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
に対して、
⑤ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない
とするならば、
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(02)(03)(06)により、
(07)
③ 象は鼻長い。
⑤ 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(08)
(a)
1   (1) ~∀z ( ~鼻zx→ ~長z)  A
 2  (2) ~∃z~( ~鼻zx→ ~長z)  A
  3 (3)    ~( ~鼻cx→ ~長c)  A
  3 (4)  ∃z~( ~鼻zx→ ~長z)  3EI
 23 (5) ~∃z~( ~鼻zx→ ~長z)&
         ∃z~( ~鼻zx→ ~長z)  34&I
 2  (6)   ~~( ~鼻cx→ ~長c)  35RAA
 2  (7)     ( ~鼻cx→ ~長c)  6DN
 2  (8)  ∀z ( ~鼻zx→ ~長z)  7UI
12  (9) ~∀z ( ~鼻zx→ ~長z)&
         ∀z ( ~鼻zx→ ~長z)  18&I
1   (ア)~~∃z~( ~鼻zx→ ~長z)  29RAA
1   (イ)  ∃z~( ~鼻zx→ ~長z)  アDN
   ウ(ウ)    ~( ~鼻cx→ ~長c)  A
   ウ(エ)    ~(~~鼻cx∨ ~長c)  ウ含意の定義
   ウ(オ)    ~(  鼻cx∨ ~長c)  エDN
   ウ(カ)     ( ~鼻cx&~~長c)  オ、ド・モルガンの法則
   ウ(キ)     ( ~鼻cx&  長c)  カDN
   ウ(ク)   ∃z( ~鼻zx&  長z)  キEI
1   (ケ)   ∃z( ~鼻zx&  長z)  イウクEE
(b)
1    (1)  ∃z( ~鼻zx&  長z)  A
 2   (2)  ∀z( ~鼻zx→ ~長z)  A
  3  (3)    ( ~鼻cx&  長c)  A
 2   (4)    ( ~鼻cx→ ~長c)  2UE
 2   (5)    (~~鼻cx∨ ~長c)  4含意の定義
 2   (6)    (  鼻cx∨ ~長c)  5DN
   7 (7)       鼻cx        A
  3  (8)      ~鼻cx        3&E
  37 (9)      ~鼻cx&鼻cx    78&I
1  7 (ア)      ~鼻cx&鼻cx    139EE
   7 (イ) ~∃z( ~鼻zx&  長z)  1アRAA
    ウ(ウ)            ~長c   A
  3  (エ)             長c   3&E
  3 ウ(オ)         ~長c&長c   ウエ&I
1   ウ(カ)         ~長c&長c   13オEE
    ウ(キ) ~∃z( ~鼻zx&  長z)  1カRAA
 2   (ク) ~∃z( ~鼻zx&  長z)  67イウキ∨E
12   (ケ)  ∃z( ~鼻zx&  長z)&
         ~∃z( ~鼻zx&  長z)  1ク&I
1    (コ) ~∀z( ~鼻zx→ ~長z)  2ケRAA
従って、
(07)により、
(08)
⑤ ~∀z(~鼻zx→~長z)
⑥ ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(07)(09)により、
(10)
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(07)(10)により、
(11)
⑤ 象は鼻長い。
⑥ 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(11)により、
(12)
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」で理解する限り、
⑤ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない
⑥ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(11)(12)により、
(13)
⑦ 象は鼻も牙も長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」で理解する限り、
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(牙zx&~鼻zx&長z)}。
⑦ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、あるzはxの牙であって、xの鼻ではないが、zは長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
③ 象は鼻長い。
⑤ 象は鼻長い。
⑥ 象は鼻長い。
といふ「日本語」であれば、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。 
然るに、
(15)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於ける、
③                   ∀z(~鼻zx→~長z)
⑤                  ~∀z(~鼻zx→~長z)
といふ「式」は、「矛盾」そのものである。
従って、
(14)(15)により、
(16)
③ 象は鼻長い。
⑤ 象は鼻長い。
といふ「日本語」は「矛盾」する。
すなはち、
(17)
現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある。日本では、シベリアと北アメリカ大陸に生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモス M. primigenius が有名である(ウィキペディア)。
といふのであれば、
⑤ マンモス象は、鼻長い。
が故に、
③ マンモス象は、鼻(だけ)長い。
とは、言えない。