(01)
性質Fをもつ「すくなくとも2つの相異なる対象が存在する」ということを表現するするためには、われわれは符号を必要とする。
すなわち、
∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
― どちらもFをもつ同一でないxとyが存在する。
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、210頁)
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数は「2個以上」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数が「2個以上」である。 といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
② 性質Fを持つモノの個数が「2個以上」である。 といふことはない。
③ 性質Fを持つモノの個数は「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1(1)~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y) A
1(2)∀x~∃y(Fx&Fy&x≠y) 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~(Fx&Fy&x≠y) 2量化子の関係
1(4) ∀y~(Fa&Fy&a≠y) 3UE
1(5) ~(Fa&Fb&a≠b) 4UE
1(6) ~Fa∨~Fb∨a=b 5ド・モルガンの法則
1(7) (~Fa∨~Fb)∨a=b 6結合法則
1(8) ~(Fa&Fb)∨a=b 7ド・モルガンの法則
1(9) (Fa&Fb)→a=b 8含意の定義
1(ア) ∀y(Fa&Fy →a=y) 9UI
1(イ)∀x∀y(Fx&Fy →x=y) アUI
(ⅲ)
1(1)∀x∀y(Fx&Fy →x=y) A
1(2) ∀y(Fa&Fy →a=y) 1UE
1(3) Fa&Fb →a=b 2UE
1(4) ~(Fa&Fb)∨a=b 3含意の定義
1(5) ~Fa∨~Fb∨a=b 4ド・モルガンの法則
1(6) ~(Fa&Fb&a≠b) 5ド・モルガンの法則
1(7) ∀y~(Fa&Fy&a≠y) 6UI
1(8)∀x∀y~(Fx&Fy&x≠y) 7UI
1(9)∀x~∃y(Fx&Fy&x≠y) 8量化子の関係
1(ア)~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y) 9量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
① ∃x(Fx)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以上」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は、「1個以上」であって、尚且つ「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
① 性質Fを持つモノの個数は、「1個以上」であって、尚且つ「1個以下」である。
② 性質Fを持つモノの個数は、「0個でも、2個でもなく、ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は、「ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(13)
つぎの相互に導出可能な結果を確立せよ。
(a):正確に1のものがFをもつ。
∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)┤├ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、215頁)
〔私による解答〕
(ⅰ)
1 (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)∃xFx 1&E
3 (3) Fa A
1 (4) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1 (5) ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1 (6) Fa&Fb→a=b 5UE
7(7) Fb A
37(8) Fa&Fb 37&I
137(9) a=b 68MPP
13 (ア) Fb→a=b 79CP
13 (イ) ∀y(Fy→a=y) アUI
13 (ウ) Fa&∀y(Fy→a=y) 3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウEI
1 (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 23エEE
(ⅱ)
∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}├ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
1 (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
2 (2) Fa&∀y(Fy→a=y) A
2 (3) ∀y(Fy→a=y) 2&E
2 (4) Fb→a=b 3UE
5(5) Fa&Fb A
5(6) Fb 5&E
25(7) a=b 46MPP
2 (8) Fa&Fb→a=b 57CP
2 (9) ∀y(Fa&Fy→a=y) 8UI
2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 9UI
2 (イ) Fa 2&E
2 (ウ)∃xFx イEI
2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1 (ウ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
従って、
(13)により、
(14)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
② 性質Fを持つモノの個数は、「ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
(22)∃x{(Ix&Ox)&∀y(Iy→x=y)}
― ある人はイリアスを書いた、そしてオデュッセイアを書いて、そしてその人はイリアスを書いたただ1人の人である。
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、213頁)
従って、
(15)(16)により、
(17)
① ∃x{(Ix&Ox)&∀y(Iy→x=y)}
②「イリアスの作者」であって「オデュッセイアの作者」でもある人物は、一人しかゐない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(17)により、
(18)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
②「忍者ハットリくん」の作者であって「オバケのQ太郎」の作者でもある人物は、一人しかゐない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(19)
藤子 不二雄(ふじこ ふじお)は、日本の漫画家。藤本弘(ふじもと ひろし)と安孫子素雄(あびこ もとお)の共同ペンネーム。1951年コンビ結成。コンビ解消後の1988年以降はそれぞれ藤子・F・不二雄、藤子 不二雄Ⓐと名乗った。代表作は『オバケのQ太郎』(合作)、『ドラえもん』(藤本)、『パーマン』(藤本、コンビ解消後はF名義となったが旧作は合作)、『忍者ハットリくん』(安孫子)、『怪物くん』(安孫子)など多数。
1976年に執筆された『オバケのQ太郎』の読切作品(合作)を最後に、1987年にコンビ解消を表明するまでの約12年間は、ほぼ全作品をそれぞれ単独で描き、藤子不二雄名義で発表していた。
(ウィキペディア)
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
②「忍者ハットリくん」の作者であって「オバケのQ太郎」の作者でもある人物は、一人(藤子 不二雄Ⓐ)しかゐない。
といふ「命題」は「真(本当)」であるが、
②「オバケのQ太郎」の作者である人物は、一人(藤子 不二雄Ⓐ)しかゐない。
といふ「命題」は「偽(ウソ)」である。
従って、
(17)~(20)により、
(21)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
② ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny&Oy→x=y)}
に於いて、
①=② ではない。
(22)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
② ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny&Oy→x=y)}
に於いて、
② であるならば、そのときに限って、
②「忍者ハットリくん」の作者。
③「オバケのQ太郎」 の作者。
に於いて、
②=③ であるが、「実際」には、
②=③ ではない。
(23)
③「オバケのQ太郎」 の作者(ふじもと ひろし)は、
②「忍者ハットリくん」の作者(あびこ もとお)ではない。