おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

44マグナム。

2004-12-09 12:04:26 | 我思う、故に書くなりよ。
男と銃は切っても切れない縁がある。

銀玉鉄砲に始まり、鬼のマークの紙火薬をパンパン鳴らし、やがて重量感に溢れたモデルガンへ進む。今では電動エアガンでBB弾を飛ばすのが主流だが、銃が男のアイテムである事に変わりは無い。

ワルサーP38。ドイツの軍用拳銃はアニメの主人公の愛銃として誰もが知る事になる。映画で活躍する英国情報部の職員は、イタリアの名銃を上司に取り上げられ、ドイツの名銃ワルサー「PPK」を相棒に世界を駆け巡る…。

今から30年ぐらい前だろうか。映画の世界に1人のヒーローが登場した。サンフランシスコ市警察の刑事ハリー・キャラハンである。顔なじみの店でホットドッグを注文する傍ら、銀行強盗の暗躍を目にするとおもむろに立ち向かい、懐から取り出した銃が火を噴く。そのバカデカイ拳銃は次々と轟音とともに犯罪者を倒し、向かってくる乗用車すら撃ち止めてしまう。(正確に言うと運転手に当たっただけだが…)

当時、世界最強と言われた弾丸を撃てるスミスアンドウエッソン「M-29」。44マグナムと言う大きな口径の弾丸を発射するこの銃が、我々のマスト・アイテムになるにはさほど時間は要らなかった。なんせ、世界最強なんだから。

そもそもは大型動物の狩猟用に考えられた銃と弾丸である。人間に向けて撃つ事も出来るが、強力な故に殺傷能力は高過ぎて、警察官とて常用する物では無かった。それよりも一回り口径の小さい銃が主流で、357マグナムと言うベストセラーな弾丸とそれを撃てる銃の組み合わせが一般的だった時代。
ルパン3世の相棒もこの大きさの銃が愛銃としている。必要にして、充分なのだろう。

だが、圧倒的な破壊力とその大きさが醸し出す威圧感は、44マグナムならではの物。コミックにもこの弾に正義の怒りを込めて轟音とともに犯罪者を闇に葬るヒーローが生まれる。

「ドーベルマン刑事」。主人公の加納が信頼する銃はルガー「スーパー・ブラックホーク」。警察官が使用するには弾丸の装填に難があるにも関わらず、ドゴーンっと言う轟音に正義の雄叫びを見るのである。だが、こちらはあまりマスト・アイテムにはならなかった。見た目が西部劇なんである。同じ6連発の銃であるが、クイックローダーの使えるM-29の方が圧倒的に人気が高かった。カスタム・モデルとして売られたモデルガンを見せて貰った覚えがある。とてもお小遣いで買える値段ではなく、その仕上がりはオモチャの域を超えていた。ビロードの敷かれた箱に収まったその銃は、美しい表面仕上げと丁寧な金色のメッキ。遊びで持ち歩く事を前提に作られた我々のM-29とは明らかに違う物だった。同コミックには同じ口径でオートマチックの「オートマグ」が登場していて、こちらの方が人気は高かった。ハリー・キャラハンも後にこれを使っている。

あれから30年。アメリカの警察官の腰には、オートマチックな銃が当たり前にぶら下がる。銃の素材も樹脂が主流となり、オモチャのそれと変わらない気もしなくはない。防弾ベストの普及と、肥満人口の増加が装備を変えたと言われている。昔は6発で事足りた弾も既に足らなくなった事がオートマチックの普及に拍車をかけた様だ。中口径で貫通力が強く、装弾数も多いってのが主流。デブが防弾ベスト着て、連発化したカラシニコフ小銃で襲って来たら、従来の装備では太刀打ち出来なくなったなんて事件もあったしな。ダイ・ハードのマクレーン刑事が愛用するベレッタM92等は中口径の代表格。

そんなワケで、44マグナムは世界最強の伝説とともに、忘却の彼方へ退く。その座はマトリクスのエージェント・スミスが愛用するデザート・イーグルの50口径が引き継いだ。もはや、何のための銃なのか判らない所に、ビッグパワーを求める「お馬鹿銃」と言えなくも無い。中には大口径ライフル弾をそのまま使う「おお馬鹿銃」も現れ、既に銃の域を越え、「砲」ともつかない状態。

ジョン・ウェインに憧れて「ピースメーカー」。マックイーンに憧れて「ガバメント」。イーストウッドに憧れて「M-29」。ショーン・コネリーに憧れて「PPK」。渡 哲也に憧れて「M31ライオットガン」。男は銃に憧れるのを止まない生き物なのかも知れない。

でも、本当はピーター・フォークに憧れて「手ぶら…」が一番なんだけどね。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茶の湯の心。

2004-12-09 07:49:56 | 我思う、故に書くなりよ。
タバコを欠かせない私はコーヒーも欠かせない。代わりと言ってはなんだが、アルコールは一切口にしない事はだいぶ前にも書いた。

家ではレギュラーコーヒーを飲む。ドリッパーにフィルターをセットしてコーヒーの粉を入れて、お湯を注ぎ、抽出したコーヒーの味と香りに気分を委ねる。ヤカンの問題も解決して、香りとコクのしっかりとあるコーヒー。しかも雑味も無く、すっきりとした味に満足していたが、何かが納得できない。

普段は「モカ・マタリ」と言う豆を中挽きにしたものを飲んでいる。これは好みだからまぁどうでも良いが、単に濃い薄いとは違う所に豆の違いがハッキリと出る方が、あれやこれややっていて楽しい。

んで、ちょっと高価だが「ブルーマウンテン」を手に入れたので、同じ様にして飲んでみると、独特な酸味がぼやけており、どう挽き直しても、入れ直しても、よろしくない。

あれこれ悩みながら、ドリッパーを洗っていると、愛用のカリタのドリッパーに異常を発見。

濾紙に濾されたコーヒーは、ドリッパーの穴からポットに落ちるのだが、この穴がカリタは3つ開いている。これが経年変化なのか、穴の形がいびつになり、ひび割れ、隣の穴と連携を図り、コーヒーだだ漏れ状態になっていたのだ。陶器製のドリッパーならこんな事も無かっただろうが、小洒落た透明な樹脂製を選んだので、致し方ない。

早速、陶器製のドリッパーを買いに街へ出てみた。カリタの陶器製を探したが、樹脂製の物しか見つからず、メリタの陶器製の物にした。

メーカーが1文字違うだけで、大した事無いかに見えるが、実は大きな違いがある。抽出されてポットに向かうコーヒーの出口は1つしかない。穴が1つなのだ。

当然、抽出速度に関わる問題なので、味にも変化が出る。出口が1つなので、抽出にかかる時間は長くなり、味は濃くなる。じっくりと濃い味わいを楽しむ私には向いている方なのだ。

で、早速、慎重にお湯を注ぎ、膨らんだ粉のドームにその成功を確信しつつ、鼻腔を抜けて脳に広がる香りの高さに酔いしれて、至極の1杯を味わう…。

「にやり…。」

モカに比べると味はさっぱりしているものの、独特の酸味がしっかり効いて、うまー。一緒にダビドフでもくゆらせたらそれはもうたまらないワケなんだが、近所で高級なタバコが手に入るワケも無いのでマールボロで済ませる。

「ん?」

なんだかドリッパーの座りが悪い事に気が付いた。陶器製とは言っても、きちんと品質管理された製品であり、ゆがんでるワケではない。グラスポットの口でも欠けたのか? と、調べてみても欠けは無い。???。

どうもメリタのドリッパーはカリタのグラスポットの上では座りが宜しく無いらしい。極端にサイズが違えばこうした事もあるだろうけれど、ほぼ同規格のサイズだから、それも無いだろう。まぁ、割り箸でも噛ませば済む事なので、暫くは問題無いだろうけれど、恐ろしいのは近い将来ちゃんと、メリタのグラスポットがキッチンに備わっている事だろうと言う事だ。

茶器にこだわり、豆にこだわり、水にもこだわる。そして至極の1杯を客人に振舞うのに無駄の無い動作を極め、もてなしの心に全てをかける。これこそが「茶の湯の心」である。茶が違うか…。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする