一方的な主張。

飛ぶような日々。11月になりました。新しいニュースと思っていても、すぐに古いニュースになってしまいます。こんなニュースがありましたね。
★　ゴッホ・ひまわり事件
ロンドンの美術館。展示してあるかの有名なゴッホの「ひまわり」。
環境活動家と称して活動している女性二人。突然「ひまわり」にトマトジュースをぶっかけた。そして声高に叫んだ。「芸術と命どちらが大事か？」と。
温暖化に伴う異常気象、確かに環境を守ることは必須のこと。放っておくと人類の滅亡に繋がっていくかもしれないことではあるだろう。
でも、人類の宝物でもあるゴッホの「ひまわり」にジュースをかけたところで、解決の一歩にもならないではないか。自分たちの一方的な主張を馬鹿としか言えない行動であらわしただけではないか。
愚かなこと！！

★　渋谷の公園、予告なしの封鎖、事件
こちらは東京での話。公園が突然封鎖されることになった。そこには路上生活者が何人か寝起きしていた。その人たちを支援する人たちが反対の意見を言ってデモ騒ぎになった。
公園管理者側は、再開発は計画が既にできており、突然封鎖したのは手落ち、と謝り、住むべき仮住まいも与えた。ほとんどの人が引っ越したけれど、最後の一人が残っていた。住む場所は提供すると話し合ったとのこと。
支援団体は寒くもなってきた。命がかかっている、と主張。拡声器を使って大音量で主張を叫ぶデモになった。路上生活者の命と、公園の再開発と、どっちが大事だ。
近所の住人。主張は分かった。でも、拡声器はやめて欲しい。病人もいるのだ、静かに話し合ってくれ。

ほとんど同じ時期に、私の耳に届いた二つの騒動です。
言い分は分かります。人間の命はもちろん大切です。「ひまわり」は人類の宝物です。公園での路上生活者をすくえ！、確かに正しいことです。でもそのデモの裏で、眠れない病人もいるわけです。
自分の主張だけが正しい、推し進めるべきだと頑なに主張はいかがなものでしょうか。
静に、冷静に、騒動が収まるように、皆が譲り合って収まるべき地点を見つけられないものでしょうか。

兎に角独りよがりの、自己主張が絶対正しいと思うのは正しい道ではないと思いますが。
有難いことに「ひまわり」にはガラスの覆いがあったそうです。絵に損害はなかったとのこと、ホッ。