近事変々

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※表題の「変々」は字面の遊びです。(念のため)

第58回「全国民俗芸能大会」観覧記

2008-11-24 16:54:06 | 民俗・行事
 22日の土曜日、千駄ヶ谷の日本青年館ホールで行われた第58回全国民俗芸能大会を見に行ってきた。

 この全国民俗芸能大会は、(財)日本青年館と全国民俗芸能保存振興市町村連盟(略称・全民連)が主催し、文化庁の協力のもとに毎年開かれているものだが、全国各地の民俗芸能を千駄ヶ谷という近い場所で見られるので、毎年のように観覧を申し込んで見に行っている。

 全民連の会長は今年度も坂本区長がその任に当たり、区民文化部 文化・国際交流課が事務局を担当していることもあって、なにか他人事のような気がしないのである。
 
※ことしは、北は岩手県北上市、南は鹿児島県の種子島(中種子町)から5地区が参加しての公演であった。
演目と地区は以下の通りである。

【河口の稚児舞】  (山梨県南都留郡富士河口湖町 河口の稚児の舞保存会)

富士山のお膝元、河口浅間神社に奉納される巫女舞の一種である。
舞手は小学生の女の子たちで、「御幣の舞」・「扇の舞」・「剣の舞」の三曲が演じられた。 
低学年の子が踊るのは普通の巫女舞に近いが、最年長の子が一人で踊る「剣の舞」は、抜き身の刀をクルリクルリと回しながら踊るもので、なかなか迫力があった。



【秋佐野のなぎなた踊り】  (鹿児島県熊毛郡中種子町 中種子町連合青年団)

宇宙時代のメッカ、種子島にも多くの民俗芸能が存在する。
敵打ちををテーマにした踊りで、なぎなたを操る女性たちと太刀を振るう男性たちが入り混じって刃をあわせる様が演じられた。 
青年男女が中心に運営されており、全国青年大会・芸能の部で最優秀賞を受賞している。



【駒衣の伊勢音頭】  (埼玉県児玉郡美里町 駒衣伊勢音頭保存会)

江戸時代に全国各地で伊勢信仰が盛んになった折、農村にも伊勢音頭という歌や踊りが伝えられてきた。
「駒衣の伊勢音頭」は、浴衣に頬被りをした踊り手が歌いながら踊るものだが、唄と踊りの合間ごとに歌舞伎を題材とした寸劇が挟まれるという独自性がある。
踊り自体は地味なものだが、あらすじを知らないとなにをやっているのか分からないいうところもある。



 
【春日の太鼓踊り】  (岐阜県揖斐郡揖斐川町 春日の太鼓踊り保存会)

揖斐川町の旧春日村という所には、すこしずつ形態の違う太鼓踊りが5つの地区に伝えられている。
雨乞いの踊りや戦勝祈願の踊りとしての側面を持つものだが、被り物を被った頭を常に揺り動かしているのと、お腹に括りつけた太鼓が意外と大きかったのが印象的であった。



【和賀の大乗神楽】  (岩手県北上市 北上市大乗神楽保存会連絡協議会)

大乗神楽というのは修験者である山伏神楽の総称で、北上市と花巻市で5団体が神楽舞を伝承している。(北上市=和賀大乗神楽・村崎野大乗神楽・宿大乗神楽・上宿大乗神楽)
大乗神楽は本尊の開眼など特別の法会でしか奉納されず、全33演目を一日がかりで演じるとのことである。
また、大乗神楽最高の祈祷舞「榊」を舞うためには、七日間、寺に篭って修行した有資格者しか舞えないということである。
神楽の開始と終了時にほら貝が吹かれるのも、山伏神楽らしかった。
お神楽に付き物のひょっとこが登場する踊りでは、会場も爆笑の渦で、それなりに楽しいひと時であった。



【おことわり】

ここに使用した写真は、会場が撮影禁止のため、下記の関連ホームページから引用したものである。

※関連ホームページ※

全国民俗芸能保存振興市町村連盟HP

河口(かわぐち)の稚児舞/緋袴白書

秋佐野 なぎなた踊り/鹿児島県HP

美里町の文化財・駒衣の伊勢音頭/美里町HP

揖斐川町・歴史・民俗芸能/揖斐川町観光情報

※こちらは音声入りですので、ご注意ください。
  ↓
川合太鼓踊り/「楽打ち」の響く里・音で綴る日本各地の祭り&行事

北上市の民俗芸能ライブラリー/北上市HP