タイトルは松尾芭蕉の詠んだ水仙の句である。「桃より白し」とは桃の緋色と
白い水仙の対比が鮮やかで、この句を詠んだ情景が目に浮かぶようである。
目いっぱいの青空が広がって、久しぶりに暖かな陽射しが降り注いでいる。
この暖かさに、庭の片隅で重そうに咲くのを待っていた水仙の蕾も、ようやく
開いてきた。
黄色の花の方は、株はいくつもあるのだが、たった一輪しか咲かなかった。
それだけに、健気という形容がふさわしいように思う。
【水仙(すいせん)】
ヒガンバナ科の多年草。地中海沿岸原産で、古くシルク・ロードを
通って東アジアに渡来。日本の暖地海岸にも自生化。地価に卵状、球形の
鱗茎を有する。葉は線状で叢生。冬から早春に花茎の先端に数花を開く。
花被片は6枚で白色、内側に濃黄色の盃(さかずき)状の副花冠がある。
八重その他の園芸品種が多い。
また、広義にはヒガンバナ科スイセン属の植物の総称。スイセンをはじめ
約30種あり、地中海沿岸から西アジアに分布。重要な園芸品種が多く、
秋植の球根類として栽培。ラッパズイセン・キズイセン・クチベニズイセン
など。房咲水仙。
(出典:「広辞苑第五版」電子辞書)