毎年恒例の「いたばしの郷土芸能」の公演が、きのう、アクトホールで行われた。
四ツ竹踊り、獅子舞、田遊び、神田囃子は、それぞれ二つの保存会があるので、年ごとに交代で出演しており、内容自体は何度も見知っているものばかりなのだが、他地区からのゲストが来演するので、それを目当てに、毎年のように見に行っている。
ことしのゲストは、東京都の無形民俗文化財に指定されている「東都葛西神楽保存会」であった。
演目は後述するが、いわゆる里神楽の伝承団体で、江戸川区春江町(一之江地区)を活動拠点にしており、亀戸天神社や篠崎浅間神社の祭礼でお神楽を奉納している。
葛西の里神楽(東都葛西神楽保存会)/文化庁
www.kagura.gr.jp/kagura/detail.php?id=87
出演団体と演目は次の通りである。
◆四ツ竹踊り (大門四ツ竹踊り保存会)
四つの竹片を片手に2個ずつ持ち、掌を開閉してこれを打ち鳴らしなが ら、歌に合わせて踊るも のである。
【演目】 「伊勢音頭」・「田植歌」・「相撲甚句」・「ヤッサカ踊り」
解説によると、徳丸北野神社のものとは少し違うとのことだったが、歌も踊りも素人目にはどこが違うのか分からなかった。
あとでカミさんに聞いてみたら、歌の文句も違うし、大門の方がテンポが早いので、とても一緒には踊れないとのことであった。
◆獅子舞 (赤塚諏訪神社獅子舞保存会)
いわゆる三匹獅子舞で、五穀豊穣と悪疫退散を祈願し、赤塚の諏訪神社と八幡神社に奉 納されている。
徳丸北野神社のものとは、獅子頭の違いや「棒使い」がいないなどの相違点がある。
【演目】 「街道めぐり」・「入羽」・「四方固め」・「祈願の舞」・「耕作の舞」・「歓喜 の舞」・「歌」・「納めの舞」
◆田遊び (徳丸北野神社田遊び保存会)
つい先日(2月11日)、神社に奉納されたばかりなので、詳細は省くが、舞台では「呼び込み」の場面をしっかり見ることができた。
徳丸北野神社の「田遊び」観覧記(その1)
blog.goo.ne.jp/otorin_001/e/92d79e4703efb9ad4862aaec74961bea
徳丸北野神社の「田遊び」観覧記(その2)
blog.goo.ne.jp/otorin_001/e/6a0f3339c0c0cd4d6cada9c33ef64da7
◆里神楽 (東都葛西神楽保存会)
【演目】 「紅葉狩り」
お神楽ではよく知られた演目である。
信州の戸隠山を舞台に、平 維茂(たいらのこれもち)という武将が紅葉狩りに出かけ、ここに住む美しい姫に 扮した鬼を退治するという物語である。
宴の酒に酔い潰れた維茂の様子を窺いながら、姫から鬼女、鬼女から姫へと、姫の時は「小面(こおもて)」、 鬼女の時には「般若」の面に被り替えて踊る場面が見どころである。
◆祭囃子 (神田流弥生囃子保存会)
(神田囃子)
【演目】 「屋台」・「昇殿」・「神田丸」・「鎌倉」・「四丁目」・「玉入れ」
5人で構成される神田囃子なのだが、板橋にはときわ台の天祖神社に伝わる神田流神明囃子と弥生町に伝わる神田流弥生囃子がある。
どこがどうとはいえないが、同じ神田囃子であっても、演奏にはかなりの違いがあるので、同 じ曲目で聴き比べてみたいものである。
◆里神楽 (成増里神楽保存会)
【演目】 「墨之江の三神」
墨之江の三柱の大神、「三筒男神(上筒男神=うわづつおかみ・中筒男神=なかづつおかみ・底筒男神=そこづつおかみ)」が現れて、それぞれが祈願の舞を舞うというものである。
上筒男神は白翁の面で悪鬼を祓うという折り紙と剣の舞、奉幣を持つ中筒男神は天下泰平の舞 、底筒男神は黒式尉(こくしきじょう)という面を付け、2枚の扇で波を描き、後悔の安全を祈る舞を舞う。
お神楽は完全なパントマイムなので、多少のあらすじが分かっていても、正直のところ退屈なのは否めない。
しかし、客席にはかなりの観客が残っており、最後まで熱心に鑑賞していた。
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