妻の友人が同じ病院に入院している。先日脳腫瘍の手術をした。
身寄りが近くにいなくて、手術当日も1人だけで受けたという。
手術前日に妻の病室に来て、不安を訴え続けていたそうである。
手術後もまだふらふらして歩けないし、心細いと妻の携帯に何度かかかってきた。
「見てあげたいし病室も訪ねて上げたいけど、今の私には到底出来ない。
お父さん、行ってあげて・・・・」
私はその人のことを妻から聞くだけであまり知らない。
病室を訪れた。大部屋だった。
向こうも誰かわからず戸惑っていた。
何か食べたい物とかお役に立つことはないですか、と尋ねて
果物詰め合わせとナイフと紙皿とラップなどを買っていった。
久々に人から感謝された。妻も喜んだ。「また行ってあげてね」
雨に濡れた椿