いくつになっても頑張ったご褒美に
美味しいものが食べられるって嬉しいものです。
この歳だと出来て当たり前と言われることも多いけれど
その結果を出すためにはそれなりに準備が必要なんだけど...と心の内で思うことも。
でも、提出したアウトプットに感謝していただき褒めていただける、って有難いです。
おかげで素敵なお店に連れて行っていただきました。
信じられないほどさりげなく存在する古民家、というより
下町にある実家、といった風情の一軒家に
「みやしろ」の看板。
いや、これポストだよね?!
男性ならちょっと頭を下げて入る扉の向こうには
暗い通路が2mほど。
その向こうにはL字型のカウンターに席が8席。
さらにその奥には個室があるようでした。
私たちはちょうどL字型の角席に案内され、
そこで8席全部が埋まりました。
まずは「庭のうぐいす 鶯とろ梅酒」をソーダ割りで。
梅の果実のおいしさも味わえる梅酒です。
前菜は葡萄の葉をめくると現れます。
ベビーコーンやボタンエビ、じゅんさいやオクラ、
ツルムラサキやキャビアと旨出汁のジュレが合わせてあります。
確かすだちの香りと酸味がほんのりと。
椀物は「鱧の葛うち」
ゆずや梅肉のアクセントが効いています。
出汁は鱧の骨と鰹でとってあり、葛うちした鱧との相性もよいです。
蓋を開けるとふわりとゆずの香りが松葉に切ってあるゆずから香ります。
葛うちとはいえ、鱧の肉感がしっかりわかります。
お造り その1「雲丹の泡醤油」
とてもよい雲丹の器の横には泡醤油。
この泡はしばらく置いてしまうと液体の醤油に戻りますが
泡でいられる、ということに驚き。まずは泡醤油で、そして塩やわさびで。
お造り その2
松葉のサバをしめ鯖に
辛子醤油を塗ってあるのでそのままどうぞ、とのことでした。
さて、コースのメイン、天麩羅です。
「車海老の頭」
2尾分の頭は足は儚いほどに崩れやすく、
普通頭にはちょっと固めの刺さるようなところがあるとイメージしていたのに
さっくりと歯が入って痛くもない。
絶妙な頃合いに太白胡麻油と米油の同量ブレンドの油で揚がっています。
おすすめの食べ方という、自家製の調味塩でいただきます。
「車海老」
姿勢のよい海老。尻尾までサックリと揚がっていて、
どこを残していいのか、いや、どこまで食べてしまっていいのか,,,
探りつついただくという...
「車海老の海苔巻き」
同じ車海老の天麩羅を、今度は天丼をイメージした海苔巻きに。
海苔がホントいい香り。
天丼のタレがこの大きさに合うよう味が調整されている気がしました。
「オクラ」
サックリの衣と絶妙な火かげんで揚がったオクラは
粘りすぎず、でも歯応えよく、タネがプチッと。
食感を楽しめる天麩羅になっていました。
ここでドリンクは「白州ハイボール」
天麩羅はどんなドリンクでも合う気がします。
「アワビ」
アワビの肝と実山椒を煮たものがのっています。
ほろ苦いアワビの肝は実山椒と煮たからか生臭くは感じません。
アワビも加熱してあっても柔らかいんですね。
京都の「山科とうがらし」
ちょっとずんぐりした感じで、とうがらしとのことですがですが、
くせがなくて辛くない、ししとうのような感じです。
「姫ニンジン」
甘いので一口目は何もつけずに、というおすすめに従うと、
甘い、ほんとに甘い!
さらにほんの少しのお塩は更に甘みを引き立てますね。
「焼き鱧」
塩がしてあるので柚子胡椒をつけてそのまま。
ピリリとした柚子胡椒がアクセントになり、淡白な鱧が芳醇な味わいに。
ところで今回は塩が2種類出てきています。
コブやだしに塩を入れ三温糖も入れてから乾煎りして作る自家製の調味塩と、普通の塩。
素材の持ち味により、それぞれをすすめてくれます。
「牛ヒレ肉」
胡椒を噛んでから食べるようにすすめられました。
ミートペーパーにくるんで一ヶ月熟成している牛ヒレ肉は、
当初仕込んだときよりも仕上がりはずっとずっと小さくなってしまうそうです。
脂は見えないけれど、全体的に脂が回り柔らかい!
繊維がないみたい…そして柔らかでとろける...
「太刀魚」
太刀魚は身がホロリとします。
これを食べると鱧は身がプリッとしていたのを実感します
こちらも一ヶ月寝かせるとおっしゃっていた気がします。
「アスパラ」
穂先から塩で食べるようすすめられます。
穂先が一番甘くなく根元に行くに従い甘くなりますと。
でも、穂先から甘い気がするんです。そして根本になると甘さとジューシーさが数倍増すように感じました。
「紅玉リンゴのワイン」
甘いけれども上品ですっきりとした味です。
紅玉のもつ酸味が味を引き締めているのかも。
「しいたけ」
肉厚なしいたけは衣が割れたとたんに香りがこぼれてきました。
「きす」
一般的なネタだからこそ、確かな技術を感じます。
サクッとした衣の下にふんわりとした白身...私の理想の天麩羅でした。
「甘長ししとう」
唐辛子のお父さんみたいな感じですが、一切辛くありません。
ししとうはたまに辛いものに当たりますが、これ、名前からしても安心して食べられますね。
万願寺唐辛子もそうですが、ちょっとハマりそうな美味しさです。
「鱧」
葛うちでもいただきましたが、あちらよりも身が引き締まった感じ。
私は天麩羅でいただく鱧の方が好みかも。
同じお魚を違う食べ方で食べられるのもいいですね。
<お食事>
「赤紫黄色トマトの炊き込みご飯」
STAUBの蓋を開けると綺麗に並べられたトマトたち!
トマトは色を限定したりすることはないそうで、その時に仕入れられたものでつくるそうです。
昆布出汁で普通に炊き、蒸らしの際にトマトを入れるそうです。
そうでないとせっかく並べても炊いている間に皮がむけてしまったり、
並びも乱れちゃいますもんね。
最初の一口分はさっと混ぜただけで...
あとは大きなかき揚げを混ぜこんでから
盛り付けてくださいます。
イメージはかき揚げ丼なんだそうです。
彩りもよく、小エビなどが入っていて、
なおかつ、かき揚げを織り込んでいるので衣も入り、
かなりの充足感。
しじみの赤出汁や、お新香とともにトマトのカラフルさを加えた「和」を堪能。
デザートは「桃のコンポート」
でもただのコンポートではなく、白ワインのみでゼリーを作り
強炭酸の泡と白ワインゼリーが混ざってシャンパンみたいになっています!
興味を持って伺うと、丁寧にその工程を教えてくださる...
きっと簡単に再現は出来ないのですが、そうやってメニューを考えるのだな、と
教えてくださっているようで、興味の赴くままに質問しましたが
丁寧に対応してくださって有難かったです。
このコースももちろんですが、
いただいた時間自体がとても宝物のような楽しい時間でした。
ご褒美に、それから改まったおもてなしに、
決して損はしない、それだけの価値のある時間が過ごせるお店だと思いました。
完全予約制のお店とのことです。
ぜひご予約を忘れずに...
天婦羅 みやしろ
TEL:03-6452-2808
東京都目黒区上目黒2-18-11
https://www.miyashiro.tokyo/
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