とても久しぶりに父が夢に出てきた。
というか、出てこなかった。
父が死んで以来、最近はとても減ったけれど、度々父は夢に出てくる。
私の記憶と願望が入り混じっているのか、夢に出てくるのはいつも病気になってからの父で、生きているのか死んでいるのか分からない、死んでいると思っているのに生きていた、というような夢ばかりだった。
今日見た夢は、父は初めてきちんと死んでいる設定だった。
だから姿は出てこなかった。
私の知らない誰か、「昨夜のカレー、明日のパン」の岩井さんのような幽霊が見える誰かが父の透明な残影に話しかけていた。
私が「いるの?」と聞くと、その人は「いますよ」と答えた。
かすかに父の「おるよ」という声が聞こえた。
私は透明な残影の場所に行って、よくわからないけれど「いるんだ、良かった」と思った。
短くて曖昧な夢だったけれど、はっと目覚めると息苦しい感じで涙が溢れていた。
「カイジ」のある場面で、人間は誰もがひとりで孤独な灯りのようなものだけれど、他人が絶体絶命の危機に陥っている場面で主人公カイジがその人にかける言葉が「サハラ!いる!俺がいる!!いるぞ!!!」というシーンがある。
決して手の届かない、助けることもできない、お互いに絶望的離れ離れな状況で「いる」というそのこと自体が温もりであり救いになることがある、というシーン。
ちなみに漫画の内容は、ビルとビルの間に架けられた細い鉄の橋の上という、本当に精神的肉体的に追い詰められた、これ以上にないギリギリの状況下の話である。
私は「カイジ」13巻の中で最も泣きそうになったのがこのシーンだった。
何にも、絶対に、触れられはしないけれど、ただ人が「いる」ということの温もり。
誰もが寂しいと感じるのは、こういう原理なんだなと改めて思う。
「カイジ」は、生きていることについてや人間社会の構造を本当によく表している。
「生きている」ことと「死んでいる」ことは圧倒的に違う。
死んでも心の中に生き続ける、という実感を私は現実的に抱いたことはない。
現実的にはやっぱり死んでいて、何もない。
ドラマや漫画に影響されてしまっているあたり、夢は私の思考の延長で、私に「おるよ」と言った父のことは私の大きな願望なのかもしれないなと思う。
たぶんようやく、私の中できちんと父は死んでくれたのかもしれない。
白肌の湯豆腐お腹で優しくなる
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というか、出てこなかった。
父が死んで以来、最近はとても減ったけれど、度々父は夢に出てくる。
私の記憶と願望が入り混じっているのか、夢に出てくるのはいつも病気になってからの父で、生きているのか死んでいるのか分からない、死んでいると思っているのに生きていた、というような夢ばかりだった。
今日見た夢は、父は初めてきちんと死んでいる設定だった。
だから姿は出てこなかった。
私の知らない誰か、「昨夜のカレー、明日のパン」の岩井さんのような幽霊が見える誰かが父の透明な残影に話しかけていた。
私が「いるの?」と聞くと、その人は「いますよ」と答えた。
かすかに父の「おるよ」という声が聞こえた。
私は透明な残影の場所に行って、よくわからないけれど「いるんだ、良かった」と思った。
短くて曖昧な夢だったけれど、はっと目覚めると息苦しい感じで涙が溢れていた。
「カイジ」のある場面で、人間は誰もがひとりで孤独な灯りのようなものだけれど、他人が絶体絶命の危機に陥っている場面で主人公カイジがその人にかける言葉が「サハラ!いる!俺がいる!!いるぞ!!!」というシーンがある。
決して手の届かない、助けることもできない、お互いに絶望的離れ離れな状況で「いる」というそのこと自体が温もりであり救いになることがある、というシーン。
ちなみに漫画の内容は、ビルとビルの間に架けられた細い鉄の橋の上という、本当に精神的肉体的に追い詰められた、これ以上にないギリギリの状況下の話である。
私は「カイジ」13巻の中で最も泣きそうになったのがこのシーンだった。
何にも、絶対に、触れられはしないけれど、ただ人が「いる」ということの温もり。
誰もが寂しいと感じるのは、こういう原理なんだなと改めて思う。
「カイジ」は、生きていることについてや人間社会の構造を本当によく表している。
「生きている」ことと「死んでいる」ことは圧倒的に違う。
死んでも心の中に生き続ける、という実感を私は現実的に抱いたことはない。
現実的にはやっぱり死んでいて、何もない。
ドラマや漫画に影響されてしまっているあたり、夢は私の思考の延長で、私に「おるよ」と言った父のことは私の大きな願望なのかもしれないなと思う。
たぶんようやく、私の中できちんと父は死んでくれたのかもしれない。
白肌の湯豆腐お腹で優しくなる
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