ずっと何年もアイシャドウを欠かさずに塗ってきた。
色が好きだから、緑やらピンクやらゴールドやらイエローやら、各色揃えていて毎日なんとなくの気分で瞼を塗っていた。
アイシャドウを塗らないと化粧をした気分にならなかった。
何がきっかけだったのか覚えていないが、私はアイシャドウを塗らなくなった。
ここ何か月かは友人の結婚式の2回だけだ。
ここ何日かは上がり過ぎたまつげパーマのせいで、アイラインすらも引いていない。
チークは元から持っていないし、1年ほど前に買ったシャネルの口紅もつけたのは3回くらいだろうか。
元から化粧直しの道具を持ち歩かない私だが、別に化粧に興味がないわけでも、会社にすっぴんで行くこともない。
ただ、あまり明確な記憶はないがたぶん、マニキュアを頻繁にするようになったり派手な色の服やバッグを持ったりするから、引き算しようと考えたのだろうと思う。
今アイシャドウを久しぶりに塗ってみると、なんだかとんでもなく化粧の濃い人のように思えてティッシュで拭って大方落とす。
まつ毛パーマくらいはするけれど、今の私にあるもので最善の状態だったらそれがいいのではないかと思う。
私は本当に自分のことを、自分的にも世間的にもまだ若いと思っているけれど、年を取ることは悪いことではないとも思っている。
老化することも、死ぬことですら悪いことではない。
確かに老化は生あるものみんなに起こる。
この世で絶対と言える数少ないことは死ぬことだ。
それに、手持ちの最善を保つことだって容易なことではない。
手持ちの最善が自分にとっての最善であるならば、それ以上の最善など存在しない。
足枷を外したい。
でもそれは他人が外してくれるものではない。
他人が好意で外すのを手伝ってくれたとしてもたぶん外れない。
無理やり引きちぎれそうなものでもない。
鍵もなければ強力なチェーンソーもない。
自分で外し方を見つけるか、それが錆びて朽ちて脆くなるまで待つか、どっちかでしかない。
もしかしたら、頑強な金属の足枷が気化して消えてしまうくらいの消滅の仕方でしかないのかもしれない。
帰り道、寒いので少しだけ自転車で徘徊して家に着いて、それまでも結構な音量で聴いているくせにもっと音量を上げてブルーハーツを聴く。
聴く、というよりは、頭を埋める、というようなそんな感じ。
ギターやらピアノやらドラムやらベースやら、あとヒロトとマーシーの声、時々河ちゃんの声。
頭の中だけでなく体中が彼らの創る音で満ちて、振動する。
イヤホンのまま床にへたり込んで、たぶんすごく漏れている音をふさぐように耳を覆う。
なにやら心配な状況のように一瞬思えるけれど、そんなことはどうでもよくなる。
ゆるさが欲しくて、朝はWeezerを流してみたり。
色が好きだから、緑やらピンクやらゴールドやらイエローやら、各色揃えていて毎日なんとなくの気分で瞼を塗っていた。
アイシャドウを塗らないと化粧をした気分にならなかった。
何がきっかけだったのか覚えていないが、私はアイシャドウを塗らなくなった。
ここ何か月かは友人の結婚式の2回だけだ。
ここ何日かは上がり過ぎたまつげパーマのせいで、アイラインすらも引いていない。
チークは元から持っていないし、1年ほど前に買ったシャネルの口紅もつけたのは3回くらいだろうか。
元から化粧直しの道具を持ち歩かない私だが、別に化粧に興味がないわけでも、会社にすっぴんで行くこともない。
ただ、あまり明確な記憶はないがたぶん、マニキュアを頻繁にするようになったり派手な色の服やバッグを持ったりするから、引き算しようと考えたのだろうと思う。
今アイシャドウを久しぶりに塗ってみると、なんだかとんでもなく化粧の濃い人のように思えてティッシュで拭って大方落とす。
まつ毛パーマくらいはするけれど、今の私にあるもので最善の状態だったらそれがいいのではないかと思う。
私は本当に自分のことを、自分的にも世間的にもまだ若いと思っているけれど、年を取ることは悪いことではないとも思っている。
老化することも、死ぬことですら悪いことではない。
確かに老化は生あるものみんなに起こる。
この世で絶対と言える数少ないことは死ぬことだ。
それに、手持ちの最善を保つことだって容易なことではない。
手持ちの最善が自分にとっての最善であるならば、それ以上の最善など存在しない。
足枷を外したい。
でもそれは他人が外してくれるものではない。
他人が好意で外すのを手伝ってくれたとしてもたぶん外れない。
無理やり引きちぎれそうなものでもない。
鍵もなければ強力なチェーンソーもない。
自分で外し方を見つけるか、それが錆びて朽ちて脆くなるまで待つか、どっちかでしかない。
もしかしたら、頑強な金属の足枷が気化して消えてしまうくらいの消滅の仕方でしかないのかもしれない。
帰り道、寒いので少しだけ自転車で徘徊して家に着いて、それまでも結構な音量で聴いているくせにもっと音量を上げてブルーハーツを聴く。
聴く、というよりは、頭を埋める、というようなそんな感じ。
ギターやらピアノやらドラムやらベースやら、あとヒロトとマーシーの声、時々河ちゃんの声。
頭の中だけでなく体中が彼らの創る音で満ちて、振動する。
イヤホンのまま床にへたり込んで、たぶんすごく漏れている音をふさぐように耳を覆う。
なにやら心配な状況のように一瞬思えるけれど、そんなことはどうでもよくなる。
ゆるさが欲しくて、朝はWeezerを流してみたり。