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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

野中広務委員長の「大政翼賛会」発言議事録削除と同質の菅首相の「そこそこ」発言改竄

2020年11月29日 | 平和憲法
 ◆ <異議あり!>25日『朝日』報道の国会の議事録訂正は“公文書改竄”では?
   皆さま     高嶋伸欣です


 またも首相の国会答弁の議事録を訂正することに与野党が合意したとのことですが、これでは国会の議事録は事実を正確に反映している1次資料ではなく、関係者などの思惑で改変された参考資料に過ぎないことになります。
 まずは下記の記事をご覧ください。

 ※ 政権への期待「そこそこ」? 首相が誤読、議事録を修正:朝日新聞デジタル (asahi.com
 菅首相が10月29日の衆議院代表質問の際の答弁について、原稿を誤読したのではないかと野党の側が親切にも(?)指摘したことで自民党が官邸に照会し、修正したい意向であることが分かったので、議院運営委員会理事会で修正(改竄)に同意したということのようです。
 『朝日』の記事は、事実経過だけを報道していていかにも客観的ですが、なぜわざわざ報道するのかの問題提起がまるでありません。これが『朝日』の客観主義?
 関心無しの他紙よりはまとも、でしょうか。

 それにしても、国会はきれいごとを何かと言いながら、与野党一致で相変わらず議事録の改竄を続けているということがこれで分かりました。
 こんなことで、野党は「モリカケ問題」の公文書改竄をとことん追求できるのか、疑われます。
 今回の場合は、菅首相が原稿の「そこにある」「そこそこにある」と読み間違えたという単純ミスのレベルですが、国会中継で視聴していた人たちにはそのままで受け止められています。
 放送を視聴していた人への訂正衆知はされるのでしょうか。

 それに、WEB記録として保存・公開されている録画を視聴する際には、訂正がされるのでしょうか。
 さらに、ケアレスミスではあるにせよ、国会という国権の最高の場で起きた出来事であるだけに、軽視できない重い意味があると思われます。
 本会議の質疑の多くが予め準備された原稿を読むという台本通りというもので、およそ切迫感がなく、臨場感による求心力も乏しいままであることで、与野党が慣れあっていることに首相の緊張も緩み、こうしたミスを多発させたことがあるとも考えられます。
 野党も本会議質疑を”お芝居”レベルに堕している点で責任があるように思います。

 さらに議事録訂正で思い起こされる「事件」があります。

 1997年、沖縄の米軍用地の内の民有地の契約更新を拒否しているいわゆる「反戦地主」に代わって沖縄県知事に代理署名を総理大臣が命じたことで沖縄県から裁判が起こされていた時のことです。
 当時の橋本内閣は、訴訟中に契約期限が切れた米軍楚辺通信所の米軍用地をそのまま使用できるとする「米軍用地特別措置法案」を国会に提出します。
 同法案は自民党内からさえ「試合中にルールを一方的に変更して勝利を確実にする不公正手法」と言われたものでしたが、自民党・新進党に民主党も賛成して数の力で外見上は順調に衆議院を通過します。
 この時の衆議院特別委員会の委員長だった野中廣務氏が同年4月11日の本会議で委員会報告を行った際、最後に緊張で腕を大きく震わせながら次のように言い切ったのです。
 『この法律がこれからの沖縄県民の上に軍靴でふみにじるような、そんな結果にならないようことを、そして、私たちのような古い苦しい時代を生きてきた人間は、再び国会の審議が、どうぞ大政翼賛会のような形にならないように若い皆さんにお願いして、私の報告を終わります』
 野中氏は次の小渕内閣では官房長官に就任する自民党の幹部です。その野中氏がこのように言わなければならない程、沖縄に米軍基地を押し付ける「本土」社会の横暴は与野党一致の状況であった、と読み取らしてくれる発言です。
 当時の政治状況を象徴している歴史的発言の一つのはずです。

 けれども、この発言を国会議事録のWEB検索をしても、今は見ることができません。自民党に同調した新進党を批判したものだと受け止めた小沢一郎氏率いる新進党の要求で、国会議事録から削除されたのです。
 国会本会議の公式発言が政党間の駆け引きで公式記録から削除され、幻とされたのです。
  *この発言を教科書に記載しようとしたら検定官や検定審議会はどうするでしょうか?
 菅首相のケアレスミスをあげつらうことに関心を集中させている記者たちに、こうした記録の改ざん、歴史修正が国会では日常茶飯事であるということの掘り起こしまでこだわる姿勢を期待するのは、ないものねだりでしょうか。
 情けない限りです。

 以上、今朝の『朝日』記事に触発されての私見です。 ご参考までに。
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