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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

差別的個別勧奨退職制度(1)

2007年06月18日 | 暴走する都教委
 「管理職止まり」と書かれた個別勧奨制度の驚くべき内容

 「個別勧奨制度」はこのままで良いのか?
 -高齢者や育児・介護者を不当に排除する制度を許してはならない-


<この問題で執行部が沈黙しているのは何故か?>

 昨年度、都から「勧奨制度撤廃」の提案がされ原則撤廃となった。ところがその際、この「個別勧奨制度」のみが残った形になった。そしてこれは「従来からあった」とされほとんど問題視されていなかった。ところが今回、新たな制度内容をもった文書が3月27日に出されていることが明らかになった。その内容は決して看過できないものだ。これほど重大にも拘わらず、何故か執行部は何も言っていない。

<記録制度を導入し、恣意的に退職へ追い込むことが可能な制度>
 制度は、50歳(勤続25年)以上が対象となっているが、①勧奨事由の限定、②記録制度の導入、という新しい形態になっている。①の「事由」は「疾病・介護・育児及びその他」となっているが、この内「その他」は「上記以外の事由で勧奨が必要と認められたもの」となっており、限りなく恣意的に適用される内容となっている。また②は、「校長等は、勧奨要件に該当する職員に対して個別勧奨を行う場合は、別添『退職勧奨の記録』を作成する事とする」となっており、記録を突きつけ本人を退職に追い込む制度になっている。

<「管理職止まり」の「Q&A」では露骨に退職に追い込む仕組みが明記>
 「Q&A」には「管理職止まり」の文字が入り、「マル秘」的扱いにされていることが分かる。
ここでは「現に職務に十全な遂行が難しい場合、もしくは今後おそれのある」場合に適用されることが示されている。そして具体的には「職場の円滑な業務遂行に支障を来している場合」、または「今後そのおそれがある場合」となっている。つまり、管理職に不都合な教員を「肩たたき」で退職に追い込む事ができるのである。

<「育児」「その他」とはどのようなことか?>
 「Q&A」では、「3歳以上の子どもの場合で、育児を手伝ってくれる家族等がおらず、本人が育児を行わなくてはならない場合」、また「子に先天的、後天的な障害がある等、育児に特段の事情がある場合」となっている。これでは、育児や障がい児を持った家族の職を奪う事になる。差別的で人権侵害に値する。制度が定着すれば、そのうち、50歳以下にも適用させることになる可能性さえある。
 また「その他」は「無断欠勤、私事欠勤、当日休、遅参早退を繰りかえすなど勤務態度が悪い場合、また加齢に伴う著しい勤務意欲の減退」と書かれている。これでは高齢者いじめであり、また当日休が問題になるとは酷い話だ。

『YouSee』(2007/6/12 212号)から

18都人職第2577号
平成19年3月27日
東京都教育委員会教育長
中 村 正 彦 (公印省略)

 公立学校数職員(一般教職員及び学校経営支援センター一般職員)の年度途中退職者に対する個別勧奨の取扱いについて

 このことについて、下記のとおり実施しますので、よろしくお取り計らい願います。

1 個別勧奨導入の趣旨

 年度途中退職者の勧奨退職の取扱いについて、「職制側からの慫慂に基づぐ退職」という勧奨制度本来の趣旨に則った取扱いに改めることにより、業務の円滑な運営と制度の適正化を図る。

2 「勧奨退職扱い」との主な相違点

(1)職制側からの退職勧奨(勧奨事由を限定)
 「年齢・勤続年数」に加え、勧奨事由を限定(「疾病、介護・育児及びその他」)したうえで、勧奨要件を満たしている職員に対して、職制側から退職勧奨(個別勧奨)を行うこととする。
※ 転職や家事専念等の理由による自己都合退職者については、個別勧奨の対象としない。

(2)記録制度の導入
 国・他団体との均衡及び勧奨退職制度の適正な運用の観点から、新たに記録制度を導入、退職勧奨の経過(退職勧奨の理由、職員の承諾等)についての記録を義務付けることとする。
※【根拠規定】職員の退職手当に関する条例施行規則(以下「条例施行規則」という。)に新設予定

3 勧奨要件について

 下記(1)及び(2)の要件をいずれも満たし、かつ、当該事由により「現に職務の十全な遂行が難しい場合、もしくは今後そのおそれがある」場合に限り勧奨要件を満たすこととする。

(1)年齢」勤続年数
 ・年齢58歳以上60歳未満 勤続制限なし。
 ・年齢55歳以上58歳未満 勤続20年以上
 ・年齢50歳以上55歳未満 勤続25年以上
※ 根拠規定(条例施行規則)については、今後、改正予定

(2)勧奨事由
 ・疾病
 ・介護・育児(家族介護等)
 ・その他(上記以外の事由で勧奨が必要と認められるもの)

4 勧奨実施者

 校長又は所属課長(以下「校長等」という。)が、勧奨を行うこととする。

5 個別勧奨開始及び勧奨実施期間

(1)個別勧奨の開始
 平成19年4月1日から実施することとする。

(2)個別勧奨の実施期間
 当該職員の状況に応じて勧奨を行うことから、特に期間は定めないこととする。ただし、勧奨を行う場合は、できる限り年度末退職での勧奨を行うこととする。

6 記録の作成について

 校長等は、勧奨要件に該当する職員に対して個別勧奨を行う場合は、別添「退職勧奨の記録」を作成することとする。

7 退職決定についての協議

(1)教育職員の「個別勧奨による退職」の決定に当たっては、人事部長の協議を要する。
(2)行政系職員の「個別勧奨による退職」の決定に当たっては、総務部長の協議を要する。

<担 当>
(教員系)東京都教育庁人事部職員課任用係
(電話)03-5320-6797
(事務系)東京都教育庁総務部総務課学校事務人事係
(電話)03-5320-6723

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