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=《改憲・戦争阻止!大行進全国ニュース》から=
☆ 対中戦争予算8.7兆円 長射程ミサイル配備を許すな!
☆ トランプは「GDP3%」要求
12月27日、政府は2025年度予算案の防衛費を、過去最大の8兆7005億円(米軍再編経費を含む)と決めた。総額約43兆円を投じる「防衛力の抜本的強化」の3年目で、膨張が一段と進む。
政府の25年度経済見通しに基づくと、防衛費は国内総生産(GDP)比で約1.4%になるという。だが、この程度ではもう済まなくなるだろう。
米国のトランプ次期大統領は12月22日、国防次官(政策担当)にエルブリッジ・コルビーを指名すると発表した。
コルビーは第1次トランプ政権で国防次官補代理を務めた人物で、「日本は防衛費をGDP比で3%程度に引き上げるべき」と強く主張している。
トランプは「コルビー氏は米国第一主義の外交・防衛政策の提唱者だ。『力による平和』を実現するために国防長官らと協力するだろう」と評した。
第2次トランプ政権は、日本政府に軍事費の一層の増額を求めるに違いない。
☆ 射程1000~2000km超
防衛省が12月に作成した「令和7年度予算案の概要」は、「防衛力抜本的強化の進捗と予算」というタイトルが示す通り、大軍拡の進捗状況が報告されている。と同時に、その報告と予算から、日米の帝国主義がどのような侵略戦争をやろうとしているのかも見えてくる。
「進捗状況」では、①「トマホークの取得1年前倒し(26年度→25年度)」と「12式地対艦誘導弾能力向上型(地上発射型)の配備1年前倒し(26年度→25年度)」が報告されている。
この「1年前倒し」には重大な意味があり、アメリ力帝国主義は「2027年に対中国開戦の可能性」(米海軍文書『航海計画2024』)をたびたび公言しているが、日帝がそれに間に合わせようと必死になっているということである。
トマホークも12式ミサイル能力向上型も、射程1000kmを超すもので、トマホークは海自の艦船に、12式ミサイル能力向上型は主に琉球弧の陸自ミサイル部隊に配備すると思われる。それが今年度であり、来年度には高速滑空弾(早期装備型)も配備される予定だ。また、音速の5倍以上の速さで飛び、迎撃が困難な極超音速ミサイルも製造態勢に入る(中央上図を参照)。
☆ 「陸・海・空」共同の輸送部隊
「進捗状況」ではさらに
② 24年度末に新編される「自衛隊海上輸送群(仮称)」が運用する中型と小型の輸送艦が完成したこと(24年10~11月)、
③ 司令部の地下化をはじめ自衛隊施設の強靭化や再配置の工事を開始したこと、
④ 全国12施設で57棟の「火薬庫(弾薬庫)」を新設すると決定したこと(24年12月時点)、
⑤ 事実上の空母である「護衛艦かが」でのF35Bステルス戦闘機の艦上運用試験を実施したこと(24年10~11月)
などが報告されている。
陸海空の3自衛隊が共同で輸送部隊を編成することは戦後初めてであり、琉球弧の島々に配備された部隊への増援・補給ラインをつくるためであることは明白だ。
☆ 衛星コンステレーション
今回の防衛予算のもう一つの特徴として、「衛星コンステレーションの構築」を初めて掲げ、2832億円の予算をつけたことである。
昨年までは「宇宙領域を活用した情報収集能力等の強化」という一般的表現にとどまっていたが、今回は「スタンド・オフ防衛(長射程ミサイルによる敵基地攻撃)能力に必要な目標の探知・追尾能力の獲得のため、2025年度末から衛星コンステレーションの構築を開始」し、「27年度後半には本格的運用を開始」するとしている。
衛星コンステレーションは、多数の衛星を同じ軌道上に配置し、一体的に運用するシステムである。
地球全体をカバーして得られる観測データは、敵の動きの把握や目標地点の選定などに利用でき、効率的かつ迅速な戦術が遂行できるようになる。無人機やロボットを遠隔で制御することもできる。近年は低軌道(高度200km~2000km)に何百、何千と衛星を打ち上げて地球全体を網羅する方式が注目を集めている。
それを激しく進めてきたのがアメリ力帝国主義だ。人工衛星の保有数は目的を区別しなければ4511基(2022年12月時点)と断トツである。
そして、その能力に拍車をかけているのがイーロン・マスク率いるSpaceX社だ。彼らは毎月何十基というペースで衛星を開発し、2023年には週に約60基もの衛星を1つのロケットで打ち上げるという生産体制を実現している。
要するに、米軍の衛星網から「敵基地攻撃」のための情報をもらうしかない日帝が、今こそ自前の軍事情報収集能力を持つべきだと決断し、絶望的に突進しているということだ。
☆ 日米共同の対中作戦計画
「台湾有事対応」と称する日米共同作戦計画が昨年末、策定された。
米海兵沿岸連隊が琉球弧の島々を移動して拠点を構築しながら中国軍を攻撃する遠征前進基地作戦(EABO)を敢行、同時にフィリピンには米陸軍のミサイル部隊を配備し、2方向から対中作戦を展開するというものだ。自衛隊は米軍と一体化してこの作戦に加わる。
琉球弧の戦場化を前提にして、米軍の空母打撃群が投入され、「同盟国・同志国」の軍隊も参戦していくことになる。
この日米による侵略戦争を止めるカギは、日本における反戦闘争の爆発にある。日韓中台などの労働者人民の国際連帯にある。とくにユン打倒を闘う韓国人民と連帯して2027年開戦阻止を猛然と闘おう。(川添)
『改憲・戦争阻止!大行進全国ニュース』(2025年1月15日)
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