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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 学術会議臨時総会:市民による激励と最終報告への抗議行動

2024年12月25日 | 平和憲法

 ☆ 今日の学術会議臨時総会について

皆さま
 本日(12月22日)10時から13時まで日本学術会議の臨時総会が開催されました。
 それに先立ち9時から、会館前で約30名の市民が激励と最終報告への抗議行動に取り組みました。
 「学術会議有識者懇談会の最終報告に抗議する市民集会」として、会場に入る会員にちらしを手渡し、シュプレヒコールをあげました。前学術会議会員の方や研究者の方、山口、岡山、新潟からも駆け付けた方々がスピーチされました。

 総会では最終報告の内容についての説明の後で、30数名の方が発言されました。その一部の要旨を紹介します。

多少歩み寄りがあっても根本的には変わっていない。政府と政府以外の組織の関係、民主主義の問題、国益と政権の維持とは一致しない。学術会議が批判的意見を述べる意味がある。」

大臣任命の幹事と評価委員は絶対認められない。今の制度にもない制度の導入は矛盾する。アカデミーは権力からの独立は不可欠。金を出すから口を出すのは当たり前、という人がいるが、カネを出すのは国民。最終報告は絶対認められないことを決めてほしい。」

勧告権がなくなれば政府に対する強い意見が言えない組織になる。」

「任命拒否から始まり、学術会議の取り組みを無視して、独立性を否定してきたものが言う独立性に信頼性があるか。国大法人も財政的保証はなかった。」

「財政的に独立自律は大事。学術が公共的だという意識が政府にない。国民の税金で直接支えるべき。今は重大な決意が必要。」

「法学委員会は3名の任命拒否を出した。最終報告書には来年度予算の飴がぶら下げられている、そういう脅迫のもとで困難な課題が突き付けられている。」

 一方次のような意見も出されました。

「事務局機能の充実が必要。世の中の役に立つ学術会議にし、社会に届けられなければ意味がない。法人化するほうがやりやすい。」

妥協点としてよいのでは。日本の科学研究の問題で実効性のある提言を出すこと。やっと前に向かって進める。」 

 また最終報告について意見は分かれるが、「勧告権の維持は異論がないだろう。これは譲れない。なくなれば存在意義がなくなる。」という意見も出されました。 

 それに対し光石会長は途中で次のように発言されました。

「ここで学術会議が社会と対立する構図を作るのは得策か。任命拒否から始まったが、学術会議にも問題はなかったか。大局的に考えたときにどういう選択をすればよいか。会長としては悩ましい。主張することは主張するが、有識者もアカデミーがなくなっていいとは言っていない。」

 そして総会の最後に会長は次のようにまとめました。

満額回答ではないが、安定した財政基盤は或る程度保障された。75年に渡る学術会議にとって重要な局面であり、歴史の重みは感じている。今後どうするか。会長談話を考えている。総会決議を出すのであれば別の局面だろう。学術会議は5要件を満たすということで進めてきた。懇談会で議論してきたことには意味があった。しかし主張が入らなかったことは残念だ。最終報告に書かれていない点がものすごくたくさんある。責任をもって政府と協議する。残念なところもあるが、前向きに進みたいということをメッセージとして出したい。賛同いただけますか?」

 会員の一部から拍手が起こり、挙手採決などは取られずに閉会した。

 しかし勧告権の問題新学術会議の選考をコ・オプテーションではなく特別の方法で行うこと、幹事や評価委員の大臣任命選考助言委員会の問題政府は一定の予算しか出さないこと、等、重要な問題についてほとんどゼロ回答であり、それをこれからどうやって跳ね返していくのでしょうか。
 総会として最低限これを要求するという決議をし、その総意をバックにすることが、次の政府との交渉の力になるのではないでしょうか。
 会員からも最後のほうで「学術会議として懸念を表明するのが大事だ」という意見も出されましたが、それは今ではないという回答の理由はふれられませんでした。

 今は、自民党内で学術会議法人化を進めてきた議員が軒並み落選し、少数与党になっています。学術会議が任命拒否と同根の学問の自由への侵害であると訴えれば、マスコミも報道し、世論も学術会議を支持するのではないでしょうか。
 そうすれば自民党と共に賛同する野党をなくすことも不可能ではなく、石破政権も法案提出を断念せざるを得ないでしょう。
 そのようなチャンスを生かさず、学術会議自体が早々に妥協してしまえば、相手の思うつぼです。
 改めて学術会議執行部は、そしてそれぞれの会員は、憲法23条学問の自由を担保するために国の機関として設置された日本学術会議を今、自分たちの手で葬り去ることの重みと責任を自覚しているのかと問いたい。
 また学協会や市民団体も、学問の自由と独立の危機であるこの重大局面において、ぜひ声をあげていただきたいと思います。

 ※ 総会の様子は下記でご覧になれます。いつまで見られるかわかりませんのでご覧になりたい方は早めに見てください。
https://www.youtube.com/live/SGavP_EyYMM
 ※ また総会資料は下記にあります。
https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/sokai/siryo193.html

小寺隆幸

 


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