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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

杉並区教委は全面的に争う姿勢、請願権裁判第2回期日は2月19日

2018年02月13日 | 暴走する都教委
  <杉並区教委・請願権裁判情報>
 ◆ 教委が詭弁を展開・次回は2月19日(月)午後3時です

   皆さま     高嶋伸欣です


 厳しい寒さが続いていますが、お変わりありませんか。
 1 杉並区教育委員会が憲法16条で認められた基本的人権である私の請願権の行使を、教委が勝手に策定した会議規則を楯に妨害した件での提訴に対して、反論する「準備書面(1)」が、昨日送られてきました。
 2 そのポイントは、私と全面的に争うということだそうです。私には時間と費用(杉並区から弁護士事務所への公費による支払いなど)等を無駄にする愚行(「利益」になる人たちがいる?)としか思えません。
  *このこと自体、監査請求の対象にできそうですが
  *これまでの経過については『紙の爆弾』3月号に簡潔にまとめられています。
 3 こうなった以上は、現在区立中学3年生に在学中の生徒たちに「君たちが使用させられている公民教科書の『請願権』記述は誤りで、正しくはこうなのだ」という説明を、3月の卒業までに教員が区教委に気兼ねなくできるようにするのは事実上無理と判断せざるをえません。
 4 それならばということで、150万円の慰謝料支払いを求める損害賠償請求訴訟に本格的切り替えようかとも思っています。
 5 私は12日から18日まで、例年通りに15日にシンガポールで開催される、日本軍による住民虐殺事件犠牲者追悼式に参加のため出かけますが、次回法廷(19日・月 15時 東京地裁 615法廷)までに、こちらの反論書(準備書面)の作成を進めておくつもりです。
 6 詳しくは、その準備書面にまとめますが、1点だけここで紹介しておきます。

 7 問題の「請願文書」を提出した当時(2014年10月8日)の「杉並区教育委員会会議規則」では次のように明確に規定していました。
 8 第6章 請願
第33条
 委員長に請願しようとするものは、委員の紹介により文書をもって請願の趣旨、提出年月日、請願者の住所及び氏名(法人にあっては、その所在地、名称及び代表者の氏名)を記載し押印のうえ、委員長を通じて委員会に提出しなければならない。
2 前項の紹介議員は、請願書に署名、押印をしなければならない。

第34条
 委員長は、請願があったときは、会議で検討のうえ、その結果を教育長を経て請願者に通知しなければならない。
 9 ところで、請願権は憲法16条「何人(なにびと)も、~平穏に請願する権利を有し~」と明記された基本的人権の一つです。
 基本的人権なのですから、請願権の行使を制限することは厳しく規制され、「請願法」(憲法と同時に施行)第1条で「別に法律の定める場合を除いてはこの法律の定めるところによる」とし、氏名と住所さえ明記した文書であれば書式さえも問わないとしています。
 10 それなのに、上記の杉並区教育委員会規則は「委員の紹介」と「紹介委員の署名、押印」を必要条件とするとの規制事項を、勝手に加えていたのです。
 11 教委の会議規則はもちろん「請願法」にいう「別に定める法律」に該当しません。教育委員会内部で勝手にお手盛りで決めている内規に過ぎないのですから。
 12 従って、上記の会議規則の請願受理に委員の紹介を必要とした規定は、違憲・違法であることになります。
 13 ところが、杉並区教委は、私が提出した「請願文書」に対して、「請願として受理させていただきました」としながら請願受理後の「処理手続きにつきましては、請願法等に特段の定めがないことから、請願を受理する行政機関において具体的手続きを定めるものと解し」独自に規則を策定したのだとし、私の請願は「いわゆる陳情」扱いにしたと文書(同年10月24日)で回答してきたのです。
 14 これでは、基本的人権である請願権の行使が、違法な内規によって事実上阻止されたことになります。「基本的人権を侵されたならば声を挙げられる社会に日本は生まれ変わったのだ」と学んだことが私の杉並での小学校から高校までの学習体験の根幹です。
 15 そこで、この点の不当性を第1の争点にしたのが、今回の提訴です。被告側の反論は次の通りです。
1)請願権は憲法と請願法で保証されている基本的人権であるので、憲法・請願法に見合った「請願文書」を教委が受理拒否をするはずがない
2)現実に高嶋の「請願文書」は請願として受理した。その上で、受理後の処理手続きについては、会議規則の第33条を適用し、委員の紹介のあるものはそのまま請願として委員会に諮り、委員の紹介のない高嶋の請願は、「いわゆる陳情」扱いとする申し合わせ(?)によって処理した、
3)従って、上記の対応に違憲・違法の瑕疵は存在しない。
 長くなりますが、もう少しの付き合いをお願いいたします。
 16 上に引用しておいた会議規則33・34条を御覧ください。この文面から請願として受け付けた後の内部での処理規定と読んで、司法試験に合格できるでしょうか?
 17 「委員の紹介」と「紹介議員の署名、押印」が無ければ請願としては受理しない、門前払いの規定としか読めないはずです。
 18 実際、被告側も「本件会議規則33条は、教育委員の紹介なくしては請願そのものができないかのような解釈も生じさせ得る規定ぶりである」と認めているのです。
 19 それにもかかわらず、「このような解釈は、請願法にない要件を荷重するもので、請願法に違背する解釈と言わざるをえない。地方公共団体は法令に違反しない限りにおいて条例・規則を制定することができる(地方自治法14・15・138条)以上、本件会議規則は合法的に解釈されるべきであり、本件会議規則をそのように解釈することは許されないというべきである」などと、主張しています。
    *「万引きはいけないことと分かっているのだから、後で払うつもりだったのだよ」という言い訳を通用さえようとしているかのように思える、こじつけぶりです。
 20 このようなこじつけた法規類の解釈や運用は恣意的便宜的であり職権乱用で違法である、というのが第3次家永教科書訴訟で司法が示した基本的認識です。
 21 素直に、「会議規則は違法でした」と認めれば「その後に同規則は是正しました」ということで、事態は簡単に収拾できるのに、下手なこじつけに固執していることで、新たに「職権乱用による違法行為の責任」を問われる事態を自ら作り出していることに、杉並区教委は気づいているのでしょうか。
 22 折しも、6月の区長選挙に向けて現職の田中区長は、昨日(9日)の区議会で再出馬を表明したばかりです。
 23 法改正によって教育委員会については首長が責任を負うことになっています。裁判での悪あがきと無駄な出費の継続の責任を問われた時、田中区長はどのように対応するのでしょうか。
24 被告側の文書によって、この裁判は面白くなってきたというのが、私の印象です。
 *さらにもう一つ、明白な誤記を指摘されている教科書を杉並区教委が採択したことの責任問題があります。
 これを教委は文科省の責任として言い逃れを試みていますが、多数ある教科書の中から、重大な誤記のあることを知らされながらその教科書を採択して使用を強制したのは杉並区教委なのです。
 この点も改めてじっくりと攻めるつもりです。

 25 次回の法廷は 2月19日(月)15:00 東京地裁 615法廷 です。
  傍聴を宜しくお願いいたします。

   以上 文責は高嶋です  長文ご容赦下さい
             拡散・転送は歓迎です

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