◆ 異常な不人気が続く東京都教育管理職選考
<2010年>10年経って制度設計の誤りが歴然と!
【校長職】倍率は過去最低を更新
受験者数は年々減って08年から1,000人を割っている。その一方で合格者数は団塊の世代大量退職を穴埋めするため増やすので、今年も倍率は過去最低を更新してしまった。特に中学校は1.3倍で格段に低く、かつて00年度には12.4倍で、小・高よりも超難関だったのが今は見る影もない。
【教育管理職選考】A選考応募者数10年前の10分の1
受験者数はつるべ落とし、減少に全く歯止めがかかっていない。A選考・B選考とも3年連続二次募集にも関わらず、受験者数・倍率とも過去最低。受験者数が、A選考は100人、B選考は500人を割っている。00年には5倍を超えていた倍率も1.3倍に易化。
00年に比べて受験者数は4分の1で、特に都教委肝いりでスタートしたエリートコースであるA選考は応募者数が10年前の10分の1に激減する凋落ぶり。この先何処まで減るのか、容易に想像がつきそうだ。完全に制度設計を誤っていることが10年経って隠しようもなく誰の目にも明らかになってきた。
《教育管理職選考》
A選考(若手登用)行政管理職又は学校管理職の候補者を選考
B選考(中堅登用)原則として学校管理職の候補者を選考
C選考(ベテラン登用)即任用する学校管理職を選考
選考合格後管理職として任用されるまで、A選考は五年間、B選考は二年間ジョブ・ローテーションや管理職候補研修を行う。合格者数のAとBの比率は概ね1:3で、Aを一定数確保し、Bで必要数を調整する。 〔教育管理職任用制度の改正について(1999/6/10)〕
【主幹職】5年連続定員割れ・全入状態
今年は、7年ぶりに受験者が1000台に乗った。ところが、ほとんど全員合格にしたため倍率は過去最低の1.02倍になってしまった。
しかも区分別で見ると、増えているのは「区分B(推薦制)」だけで、1000人に迫る異様とも言える増え方である。そして小・中・高・特とも全員合格で倍率なし。書類を出せば(しかも推薦書は校長が書いてくれる)フリーパス状態。
それに対して「区分A(申込制)」は、申込者数は過去最低で200人台を割ってしまっている。「不人気・定員割れ」状態は続いている。こちらも、8年やってきて、この数字が失敗でなくて何であろう。早く抜本的な手を打たないと、教員組織のいびつさは、モロに生徒の教育環境のいびつさに反映して行くであろう。
【主任教諭選考】賃金の餌 不発
細かい数字が公表されていないが、3年計画で22,000人昇任させる計画が、3年目には申込者が採用枠に満たなかったようで、こちらも定員割れで稼働していくいびつな状態だ。賃金の餌が、見事にそっぽを向かれてしまった。(賃金以外に「主任教諭」職の魅力なんかないのに・・・)
■「教育管理職選考崩壊の実態(2)」(2009/12/25)
http://wind.ap.teacup.com/people/3687.html
■「教育管理職選考崩壊の実態(1)」(2009/12/24)
http://wind.ap.teacup.com/people/3686.html
■「そっぽを向かれる東京都の人事政策」(2009/9/10)
http://wind.ap.teacup.com/people/3458.html
※『これからの教員選考・任用制度について(中間のまとめ)』
平成18年1月 教員任用制度あり方検討委員会
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060126j/korekara.pdf
※『教育管理職任用制度の改正について 平成11年6月10日』
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/kohyojoho/reiki_int/reiki_honbun/g1012494001.html
『都政新報』(2010/12/3)
《10年度教育管理職選考》
◆ 408人が合格、倍率1.3倍
都教育庁人事部は11月30日、10年度の公立学校校長選考・教育管理職選考・主幹教諭選考の合格者を発表した。
校長選考の合格者は309人で、倍率は3.2倍、教育管理職選考は408人で1.3倍、主幹教諭選考は1085人で1.0倍となった。いずれも前年度を下回っており、昨年はやや持ち直した教育管理職選考は1.5倍から1.3倍と落ち込んだ。

校長選考には前年度の952人を上回る977人が受験。このうち職務論文の第1次選考に568人が合格し、個別面接試験を経て、最終合格者309人を決定した。校種別にみると、高校が17人で、倍率は7.2倍と最も高く、次いで小学絞154人、4.2倍、特別支援学校15人、2.5倍、中学校123人、1.3倍となっている。
教育管理職選考の受験者数は532人で、前年度の603人を大幅に下回った。このうち第1次合格者は420人、最終合格者は408人で、倍率は前年度を下回った。選考区分別の合格者では、A選考(択一試験と論文・専門論文・個別面接)が67人、B選考(択一試験と論文・個別面接)が323人、C選考(個別面接)が18人となっている。
主幹教諭選考は前年度を大幅に上回る1104人が受験し、1085人が合格したが、倍率は1.1倍から1.0倍と低下。
なお、今年から会場試験となった主任教諭選考では2750人が受験し、2261人(倍率1.2倍)が合格した。
<2010年>10年経って制度設計の誤りが歴然と!
【校長職】倍率は過去最低を更新

【教育管理職選考】A選考応募者数10年前の10分の1

00年に比べて受験者数は4分の1で、特に都教委肝いりでスタートしたエリートコースであるA選考は応募者数が10年前の10分の1に激減する凋落ぶり。この先何処まで減るのか、容易に想像がつきそうだ。完全に制度設計を誤っていることが10年経って隠しようもなく誰の目にも明らかになってきた。
《教育管理職選考》
A選考(若手登用)行政管理職又は学校管理職の候補者を選考
B選考(中堅登用)原則として学校管理職の候補者を選考
C選考(ベテラン登用)即任用する学校管理職を選考
選考合格後管理職として任用されるまで、A選考は五年間、B選考は二年間ジョブ・ローテーションや管理職候補研修を行う。合格者数のAとBの比率は概ね1:3で、Aを一定数確保し、Bで必要数を調整する。 〔教育管理職任用制度の改正について(1999/6/10)〕
【主幹職】5年連続定員割れ・全入状態

しかも区分別で見ると、増えているのは「区分B(推薦制)」だけで、1000人に迫る異様とも言える増え方である。そして小・中・高・特とも全員合格で倍率なし。書類を出せば(しかも推薦書は校長が書いてくれる)フリーパス状態。
それに対して「区分A(申込制)」は、申込者数は過去最低で200人台を割ってしまっている。「不人気・定員割れ」状態は続いている。こちらも、8年やってきて、この数字が失敗でなくて何であろう。早く抜本的な手を打たないと、教員組織のいびつさは、モロに生徒の教育環境のいびつさに反映して行くであろう。
【主任教諭選考】賃金の餌 不発
細かい数字が公表されていないが、3年計画で22,000人昇任させる計画が、3年目には申込者が採用枠に満たなかったようで、こちらも定員割れで稼働していくいびつな状態だ。賃金の餌が、見事にそっぽを向かれてしまった。(賃金以外に「主任教諭」職の魅力なんかないのに・・・)
■「教育管理職選考崩壊の実態(2)」(2009/12/25)
http://wind.ap.teacup.com/people/3687.html
■「教育管理職選考崩壊の実態(1)」(2009/12/24)
http://wind.ap.teacup.com/people/3686.html
■「そっぽを向かれる東京都の人事政策」(2009/9/10)
http://wind.ap.teacup.com/people/3458.html
※『これからの教員選考・任用制度について(中間のまとめ)』
平成18年1月 教員任用制度あり方検討委員会
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060126j/korekara.pdf
※『教育管理職任用制度の改正について 平成11年6月10日』
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/kohyojoho/reiki_int/reiki_honbun/g1012494001.html
『都政新報』(2010/12/3)
《10年度教育管理職選考》
◆ 408人が合格、倍率1.3倍
都教育庁人事部は11月30日、10年度の公立学校校長選考・教育管理職選考・主幹教諭選考の合格者を発表した。
校長選考の合格者は309人で、倍率は3.2倍、教育管理職選考は408人で1.3倍、主幹教諭選考は1085人で1.0倍となった。いずれも前年度を下回っており、昨年はやや持ち直した教育管理職選考は1.5倍から1.3倍と落ち込んだ。

校長選考には前年度の952人を上回る977人が受験。このうち職務論文の第1次選考に568人が合格し、個別面接試験を経て、最終合格者309人を決定した。校種別にみると、高校が17人で、倍率は7.2倍と最も高く、次いで小学絞154人、4.2倍、特別支援学校15人、2.5倍、中学校123人、1.3倍となっている。
教育管理職選考の受験者数は532人で、前年度の603人を大幅に下回った。このうち第1次合格者は420人、最終合格者は408人で、倍率は前年度を下回った。選考区分別の合格者では、A選考(択一試験と論文・専門論文・個別面接)が67人、B選考(択一試験と論文・個別面接)が323人、C選考(個別面接)が18人となっている。
主幹教諭選考は前年度を大幅に上回る1104人が受験し、1085人が合格したが、倍率は1.1倍から1.0倍と低下。
なお、今年から会場試験となった主任教諭選考では2750人が受験し、2261人(倍率1.2倍)が合格した。
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