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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ひのきみ全国ネット首都圏の都教委要請2件(卒業式の国旗国歌とオリパラ教育)

2021年02月06日 | 日の丸・君が代関連ニュース
2021年1月27日
 東京都教育委員会教育長 藤田祐司様
「日の丸・君が代」の強制に反対する全国ネット・首都圏(連絡代表)永井栄俊

◎ コロナ禍の卒業・入学式に関する「日の丸・君が代」の実施についての質問と申し入れ

 コロナ感染が拡大の一途を辿り、現時点の東京都の1日の感染者は2000人越えが続き、医師会は医療現場の崩壊を訴えています。1都3県の首都圏には緊急事態宣言が出され、不要不急の外出自粛が呼びかけられています。こんな中にあって、今春の卒業式及び入学式の実施における感染が危惧されます。
 1 2020年3月の卒業式では、都教委の通知・指示により全ての都立学校において、体育館での「君が代」起立斉唱が強行されました。
 同年2月28日午前に発出した通知は、「『10.23通達』に示す取り扱いと異なる方法で実施する」場合の例示を示しておきながら、同日午後にはこれとは異なる「『国歌斉唱を行う』という方針に変更ありません」との通知を発出しました。
 更に3月8日9日には統括指導主事名で2通の「メモ」(地教委や校長から問い合わせがあったことを記すとともに2月28日午後の通知事項を確認したもの)を発出しました。これらの文書は、明らかに一般都民への外出自粛及び発声自粛の要請とは異なるものでした。このことは、都教委の混乱と誤りを示すものですが、その誤った都教委の判断・指示を自覚したのか、4月1日付通知は入学式では「国歌斉唱を含め歌の斉唱を行わない」としています。その後、都民等からの要請や質問に対して、都教委は「適正に処理をしている」などの返答を行っています。
 2 2020年6月より段階的な授業再開が始まり、8月には平常に近い形で授業が実施されてきました。この授業再開が教職員及び児童生徒の感染となって現れています。都教委HPの「報道資料」によれば、6・7月の感染者はそれぞれ4人、8月には15人に急増しており、12月にも17人に急増し、翌本年1月には80人(1月13日現在)となり総合計は135人にまで感染が拡大しています。この間、いくつかのクラスターも発生しており、児童生徒への大量感染も発生しています。
 いわゆる第3波の感染は学校にも波及しており、都立学校における感染の拡大は東京都全体の状況に連動していることが証明されています。
 3 こうした状況下にあって、今年度の卒業式が危惧されます。都民などからの要請に対する都教委の回答は曖昧なままです。
 2020年8月7日付けの回答では「国歌斉唱も含め、学習指導要領に示されている儀式的行事としての適正な実施に向けた従来の基本方針に変更を加える趣旨のものではありません」(指導部指導企画課安全教育担当回答)としているが、12月24日付の回答では「感染状況の変化や国や都の対策等の変更に応じて、教育活動の在り方も不断に見直しを図り、変更してまいりました。今年度の卒業式の在り方についても、同様の方針で検討しています。(所管:指導部指導企画課)」としており、曖昧な表現です。
 4 体育館に児童生徒を集め「君が代」を斉唱させることは暴挙に値します。体育館等に集合させること、声を出して歌わせること等は決して許されるものではありません。そこで、以下の質問と申し入れを行います。申し入れに対しても回答をお願いします。

 (質問)
 ①2020年度の卒業式及び翌年度の入学式を体育館等、一同が会する会場で実施する方針では感染が危惧されます。体育館等での実施及び斉唱を指示する方針ですか。何らかの形式で卒業式を実施する場合、それはどのような形式を考えていますか。
 ②児童生徒及び教職員の健康や命と「日の丸・君が代」の実施と、はどちらが大切なのですか。
 (申入れ)
 ① 卒業・入学式において、「国歌斉唱」を中止すること。命よりも「君が代」斉唱を優先した昨年度の卒業式を反省し、学習指導要領よりも命と健康が大切であることを確認して、その教育を行うこと。児童生徒と同時に教職員の命と健康も大切であり、「君が代」の起立斉唱の職務命令を発しないこと。
 ② 「10.23通達」及び同通達に基づく全ての処分を撤回せよ。

◎ コロナ禍でのオリンピック・パラリンピック教育、観戦についての質問と申し入れ

 コロナ感染拡大で医療がひっ迫している中、オリンピック・パラリンピックの開催はあり得ないと日本医師会会長は言います。12月の世論調査では半数以上の人が、1月の世論調査では8割以上の人がオリンピック・パラリンピック開催に反対しています。
 そうした中、都教委が「令和3年度オリンピック・パラリンピック教育の実施について(通知)」(11月30日付)を出したことに愕然としています。通知には、①オリンピック・パラリンピック教育を来年度も1年間35時間程度を目安として行う ②競技観戦(学校連携観戦)、中高生ボランティア体験を行う、と書かれています。「命よりも『国歌斉唱』」を優先した昨年度の卒業式と同じ思考がそこにはあります。
 また、昨年3月からの一斉休校によって、オリンピック・パラリンピック教育に費やす時間的余裕が学校現場にないことは明々白々です。6月の学校再開以来、子どもたちの学習負担が都教委の面々には想像できないのかと、怒りを通り越して情けなく思います。
 この先、さらに感染が拡大して休校を含む外出禁止措置を採らねばならない状況となることも、他国の状況や変異種ウイルスの発生を見れば、容易に想像できることですから、各学年各教科で学ぶべき内容を少しでも早くに履修させようとするのが教育行政の姿勢であるべきです。
 そこで、以下の質問と申し入れを行います。

 (質問)
 ① オリンピックを強行した場合、コロナ感染が急増する可能性がありますが、その場合にどのような対処方法を準備していますか。
 ②11月30日付通知を出すに当たって、通知内容に反対の意見は担当者の中で出なかったのですか。この時点で感染拡大は十分に予測され、日本医師会や国連が国内外の人々の往来を問題視していました。こうした医療専門家等の意見は、同通知発出にあたってどのように考慮されたのでしょうか
 ③観戦をすることによって、児童生徒に感染が出た場合、都教委はどのように対処するのですか。
 また、通知文には「学校観戦の実施に向けて、保護者の意向を確認していただく予定」と明記しています。2019年12月の段階では「原則全児童生徒観戦」としていて、こうしたことは明記されていませんでした。この点が書かれたのは、なぜですか。
 さらに、それは、感染した場合には保護者の許可があったとして、都教委や学校の責任は問われない、とするためかと推測してしまいますがいかがでしょうか。
 ④ 現時点で8割以上の人がオリンピックは開催してはならない、できないと考えているのですから、学校観戦に「我が子を参加させない」とする保護者がかなりの数に上ると考えられます。その数は、「参加させる」よりも多いことが十分に予想されますが、その場合、参加しない子どもへの対応を考えていますか。教員の人的配置が困難になることは必至かと思われますがその場合はどのように対処なさるのでしょうか。
 ⑤ 都内の市民団体(包囲ネット)の要請に対する12月24日の都教委指導部の回答では「競技観戦は、希望制であり、学校が教育活動の一環として実施するものです」としています。このことは競技観戦の実質が「強制」であると報じた、「東京新聞」(2019年12月8日)記事と異なります。
 都教委が出しているオリンピック・パラリンピック教育の「実施指針」によれば、4×4の取り組みの「4つのアクション」の中に「学ぶ《知る》」、「する」、「支える」と共に.「観る」が主要なファクターとなっています。だとするならば、「競技観戦は希望制」とした都教委回答は「実施指針」の方針の転換であると考えてもよいのですか。
 ⑥実施指針によればオリンピック・パラリンピック教育の目標に「文化」が入っています。これは、オリンピック憲章で「文化プログラム」が規定されていることに由来しています。世界の多様な文化の紹介と振興がオリンピック憲章に示されているのです。ところが、今大会で都教委が提示した「文化プログラム」の趣旨では、日本文化のみが偏重され、多様な文化の紹介や振興の趣旨に反しています。2000年のシドニーオリンピックでは、開会式に先住民族との和解の歴史が紹介されています。この例に倣うならば東京大会ではアイヌ文化の紹介が示されるべきですが、162校の「文化プログラム」の指定校の中にはアイヌ文化を取り上げた学校はありませんでした。これは都教委が「和」の文化を強調した結果であり、「文化プログラム」を規定したオリンピック憲章と異なるものです。このように、「文化」についての間違った取り組みについて反省はないのでしょうか。
 (申し入れ)
 ① 本年度のオリンピック・パラリンピック教育をやめること。
 ② 競技観戦(学校連携観戦等)をやめること。

 ③ 上記①②について、直ちに通知すること。
以 上

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