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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

インドとイタリアで、携帯の電磁波をガンの原因と認める判決

2017年06月16日 | 電磁波と基地局
  =インド最高裁=
 ▼ 携帯基地局、がんの原因と認める
(電磁波研会報106)


 インド最高裁が、携帯電話基地局からの電磁波でがんになったとの男性の主張を認め、基地局の操業停止を命じる判決を出したと、インドのITメディア『Trak.in』が4月12日付で報じました。
 原題はMan Claims Cell Tower Caused Cancer;SuPreme Court Orders Removal of That Cell Tower
 http://trak.in/tags/business/2017/04/12/mobne-tower-cancer-sc-order-removal/
 【訳・網代】

 ▼ 携帯電話基地局ががんを引き起こしたと男性が主張、最高裁がその基地局の撤去を命じる
   モーフル・ゴーシュ(Mohul Ghosh)
 最高裁判所はパンドラの箱を開くことができる画期的な判決で、マディヤ・プラデーシュ州グワリエルの携帯電話中継基地局タワーの撤去を命じた。
 ある男性が携帯電話タワーからの放射線が彼のがんを引き起こしたと主張して、この命令が出された。携帯基地局タワーの設置とそれによる放射線に対抗する命令は、このケースの前には、この国のどこにもなかったので、これはインド通信業界にとって重大な分岐点だ。
 しかしながら、携帯基地局タワーからの増え続ける放射線に対抗するいくつかのケースはあった。そしてケースが大きくなるたびに、TRAI[インド電気通信規制庁]は携帯基地局タワーの設置に責任がある通信事業者に罰金を課していた。
 しかし今は、ものごとが大いに変わることがある。携帯基地局からの放射線に関して、携帯基地局ががんを引き起こすという主張を認めた最高裁判所の判決が出たので、インド全土にさらにそのようなケースが出てくる可能性がある。
 ▼ 携帯基地局タワーからの放射線に関する最高裁の判決
 このケースでは、グワリエルのダール・バザール地区のプラカシュ・シャルマの家で家庭のヘルパーとして働くティワリ(Harish Chand Tiwari)という男が隣人の家に設置された「違法な」BSNL[Bharat Sanchar Nigam Ltd.インドの政府系大手通信事業者]携帯基地局タワーが彼にがんをもたらしたと最高裁判所で主張した。
 ティワリの代理人だったシャルマ(Nive dita Sharma)は住居から50m以内に設置されたBSNLタワーががんの一形態である「ポジキンリンパ腫」を引き起こしたと訴えの中で述べた。そして、このがんは、2002年以来、放射線への週7日・1日24時間の継続的かつ長期の曝露に起因するものであったと主張した。
 判事ゴゴイ(Ranjan Gogoi)とシンパ(Navin Sinha)による法廷は「われわれは特定の携帯基地局タワーが今日から7日間以内にBSNLによって稼働を停止されるべきであると命じる」と述べた。
 このようにして、このタワーは放射線によるがんのために閉鎖される最初の携帯基地局タワーになった。
 ▼ しかし電気通信庁はこの論理を信じていない
 インド政府は2015年に、「携帯基地局タワーが電磁波(EMF)の制限値を超えた」ことにより多数の電気通信事業者に国が合計1億0800万ルピーの罰金を請求したと発表した。
 しかし、携帯基地局タワーからの放射線の有害な影響について疑義が生じた際、インド電気通信庁は明確に否定している。
 彼らの検証によれば、携帯基地局タワーからの放射線が限界を下回っている限り、人間や動物には害はない。
 アラハバード高等裁判所への答弁書で、インド電気通信庁はこう主張していた:「これまでのところ、携帯電話からのEMF放射線の健康上の悪影響について決定的な証拠が世界保健機構(WH0)によって見いだされなかった。携帯基地局タワーの近辺のEMFの強さのレベルが規定された制限を下回っている限り、近くで生活している人間の熱効果による健康悪化が懸念されるべきではない」。
 この答弁書は2014年に政府によって提出された。
 しかし、今回の最高裁判決により、携帯基地局タワーからの放射線とその有害な影響について、より多くの研究と意識を生み出す必要があると思われる。
  =イタリアの裁判所=
 ▼ 携帯電話をがんの原因と認める


 イタリアの裁判所が、耳に腫瘍が出来たのは携帯電話からの電磁波のためだという男性の訴えを認め、障害年金の支払いを命じる判決を出したと、科学、技術分野のニュースサイト『Phys.org』(4月20日付)などが報じました。
 原題はItalian court rules mobile Phone caused tumor
 https://phys.org/news/2017-04-italian-court-mobile-tumour.html
 【訳・網代】

 ▼ 携帯電話ががんを引き起こしたと裁判所が判断
 もしかすると画期的なケースで、イタリアの裁判所は、仕事に関連した携帯電話の過度の使用が会社幹部の者に良性の脳腫瘍を発症させたと判断した。
 4月11日に判決が下されたが、木曜日に公開されたばかりのイブレア(Ivrea)の北部の町の裁判所は、原告に国の年金を与えた。この判決は控訴の対象となり得る。
 ロメオ(Roberto Romeo 57歳)は、15年にわたって仕事の日は3~4時間、自分の携帯電話を使用ぜざるを得なかったと証言していた。
 「世界で初めて、裁判所が携帯電話の不適切な使用と脳腫瘍の間に因果関係を認めた」と、彼の弁護士、ベルトーネ(Stefano Bertone)とアンブロジオ(Renato Ambrosio)は声明で述べている。
 ロメオは携帯電話を悪者にすることを望まなかったと言いつつ
 「しかし、私たちはそれを使う方法をもっと意識しなければならないと思います」
 「同僚と話をしたり仕事を整理したりするために私の携帯電話を使用すること以外は選択肢がありませんでした。私は15年間、自宅から車に常時電話していました」
 「私の右耳がいつもふさがれているように感じ始めました、そして2010年に腫瘍が診断されました」
 「幸い、それは良性でした。しかし私の聴神経を除去されなければならず、何も聞こえなくなってしまいました」。
 医療従事者は、ロメオについて身体機能の23%の損害を推定し、労災事故をカバーする国の保険制度であるINAILが支払う補償を毎月500ユーロにするよう裁判宮に促した。
 携帯電話の健康リスクの可能性に関する科学的研究はたいてい、人々が使用しているレベルでは人間の健康に深刻なリスクを及ぼさないとの結論を出している。
 より多い使用は若干のリスクをもたらす可能性があることを他の研究は見出しており、多くの専門家は、この比較的新しい技術の適切な評価を行うのは時期尚早だと指摘している。
『電磁波研会報 第106号』(2017/5/28)

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