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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

人権デー 法務省要請

2009年01月18日 | 人権
 法務大臣森英介殿

自由権規約委員会の勧告を速やかに実施することを要請します

 世界人権宣言から60周年の今年、国際人権を推進するうえでいくつかの重要な契機がありました。5月には昨年の拷問禁止条約第1回日本政府報告後のフォローアップが行なわれ、引き続いて人権理事会発足後、初めての普遍的定期的審査(UPR)が行なわれました。10月には10年ぶりに自由権規約第5回政府報告審査が行なわれるなど、三たび国際人権との比較において日本の人権状況が問われました。
 このなかで、わが国の法制度並びに諸施策が国際人権規約に照らして多くの点で合致していないこと、人権規約の国内実施を促進する枠組みが未達成であること、また、さまざまなレベルで脅かされている人権の回復措置が著しく不十分であることなどが明らかとなりました。
 とりわけ、自由権規約の審査を踏まえて出された総括所見冒頭において、「委員会は第4回政府報告書の審査後に出された勧告の多くが履行されていないことに懸念を有する」とされたことは政府が懸案の諸課題の多くを解決していないことへの厳しい指摘であり、人権の著しい停滞を招いている大きな要因がここにあることも浮かび上がりました。
 また、表現の自由に関して、「委員会は、公職選挙法において戸別訪問の禁止がなされ、選挙期間中のビラの枚数や種類が制限されていることに懸念を抱く。また、政治活動家や公務員が政府を批判した内容のビラを個人の郵便受けに配布したことが、住居侵入罪や国家公務員法違反ということで逮捕・起訴されているという報告を聞いて、懸念を覚えている」と具体的に述べています。
 わが国は国連人権理事会の理事国であり、政府は常々国際人権は普遍的であり、しっかり遵守すると宣言しているにもかかわらず、わが国の実情はこれと大きな隔たりがあります。これは政府が、国際人権を真撃に受けとめていないことを示しています。先進国として他に恥じない人権水準に向けての不断の努力が求められています。
 国際人権活動日本委員会は長年に亘り、国際人権規約の活用などを強く求めてきました。こうした立場から政府の人権推進における怠慢をこれ以上許すわけにいきません。拷問禁止条約審査及び普遍的定期的審査、並びに自由権規約審査後の審査機関の勧告を真撃に受け止め、速やかに改善にむけて格段の努力がなされるよう下記に要望いたします。


  1.裁判官、検察官、弁護士など司法従事者に対して自由権規約に関する教育を行い、その適用をすすめること。
  2.第一選択議定書(個人通報制度)を速やかに批准すること。
  3.パリ原則に則った政府から独立した国内人権機関を早急に設置すること。
  4.公共の福祉の定義をあいまいにしたままで、自由権規約が認める人権を過度に制約しないこと。
  5.死刑囚への処遇の改善、代用監獄の廃止、弁護人依頼権の実質的確立、拘禁期間の限定、取調べの完全可視化、黙秘権の保障、自白偏重ではなく科学的捜査に依拠すべきこと、など被疑者、被告人、既決囚の人権状況を改善すること。
  6.政治的意見表明やその活動への不合理な制限を撤廃し、公職選挙法や国家公務員法の表現の自由の制限条項をただちに廃止すること。

 2008年12月5日
国際人権活動日本委員会 議長 鈴木亜英
〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-33-10 東京労働会館内

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