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「君が代」懲罰研修で都教委、分限免職に言及

2008年07月31日 | 暴走する都教委
 ■ 「君が代」懲罰研修で都教委、分限免職に言及
永野厚男(教育ライター)

 卒業式等の「君が代」斉唱時に不起立を貫き、懲戒処分にした教員に、都教育委員会が強行した懲罰研修で、内心の吐露を強制したり、分限免職までチラつかせたりしたことが、明らかになった。


「研修センター前抗議行動」 《撮影:平田 泉》

 都教委は7月23日、今春の卒業・入学式の被処分教員計22人のうち、退職者と停職処分者を除く14人に都教職員研修センター(以下、センター)で、服務事故再発防止研修を強行した。
 戒告(処分1回目)と減給(2・3回目)の教員合同の「講義」では、ここ数年、都教育長名で出している『教職員の服務の厳正について』と題する文書を、「講師」の都教委人事部職員課の磯崎美穂・副参事が棒読みし、「上司(校長)の職務命令に反する不起立は服務事故。地方公務員法の信用失墜行為だ」と繰り返した。「君が代強制の都教委の10・23通達と職務命令は違法、と断じた東京地裁判決(06年9月)を読んでいるのか」「思想・良心の自由を保障している憲法のもとで地方公務員法は作られたはず」という質問が出たが、磯崎氏は答えず立ち去った。

 減給の教員はこの後、個室で「説諭・服務指導」を受講させられたが、こちらの「講師」のセンター課長も、同じ都教育長名の文書を読み上げたので、教員が重複を指摘すると、「講師」は「その講義は聞いていない」と平然と答え、所属校校長と共に監視役で張り付いている指導主事らも、唖然としていた。

 今年の減給の教員への「説諭・服務指導」で都教委は、(1)昨年までの「事前課題」に加え、「服務事故を起こした時の気持ち」「起こした服務事故に対して、現在の気持ちや考え」など、思想・良心に踏み込む内容を千三百字程度で記述する「受講前報告書」の提出を強制、(2)昨年、停職処分の教員に「懲戒免職の不利益」を強調したのに続き、分限処分もチラつかせて脅迫する――とエスカレート。
 (2)では、地方公務員法で「職責を十分に果たすことができない職員を、降任、又は免職にすることができる」とする、分限処分発動の「対応指針」に関する大原正行・新都教育長の通知(7月15日発出)を、センター課長が読み上げた。
 この通知は、分限事由に、「職務命令違反、職務命令拒否」「上司等に対する《略》暴言、誹謗中傷を繰り返し、公務の円滑な遂行に支障を生じさせる」(【注】参照)等、明示している。
 このため、被処分教員や支援者たちは、不起立に加え、職員会議等での”君が代”強制反対の発言まで、「不適格教員」という曖昧な枠組みでの分限免職の対象にしようとしている、と怒りの声を上げ、炎天下のセンター前では午前・午後とも「人権侵害のイジメ研修はやめろ」「反省すべきは都教委だ」との約150人のシュプレヒコールが続いた。
 なお、研修の合間に被処分教員がトイレに行くと、センター指導主事が「案内」と称し同行、用を足すまでトイレ前で待機した、という。

【注】大原正行氏の通知は「研修受講命令を受けたにもかかわらず研修を受講しない、又は研修を受講したものの成果が上がらない」「懲戒処分を受けたにもかかわらず、再び非違行為を行い、都及び教職員に対する信用を著しく失墜させている」との文言も、分限事由に例示している。
 この恫喝に対し、「日の丸・君が代不当処分撤回を求める被処分者の会」の近藤徹事務局長(都立高教員)は、「”君が代”に関し再発防止研修を強制的に受講させられた被処分者は三百数十人に上るが、これまで”反省”した人は一人もいない。私たちは都教委の異常な権力行政に警鐘を乱打し続け、弾圧・暴圧に屈せず闘い抜く」と述べている。

☆ 私たち市民へのご意見・情報提供は、FAX(03)3238-0797に、「教育の国家統制に反対する会」と明記しお寄せ下さい。

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