パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 明けない夜はない(284)

2024年12月30日 | 「日の丸・君が代」強制反対

 ★ <若者を再び戦場に送るな!(34)『崩壊する日本の公教育』>

 私は、「明けない夜はない」(277)11月1日で、次のように書いた。

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文科省の調査によると、小中の不登校が11年連続して増加し、
最多の34万人になったという。また、いじめや暴力行為も過去最多だ。
更には、教員の精神的理由での休職者や中途退職者が増え、
採用試験倍率はどんどん下がり、教員不足が深刻化している。
日本の教育はまさにガタガタになってきている。
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 昨日(12月27日)の「朝日新聞」には、<教員採用倍率 小中高で最低>という記事が出ていた。

 こうした中、今年10月22日に発行された、『崩壊する日本の公教育』(鈴木大裕著、集英社新書)を読んだ。
 著者の鈴木氏は<はじめに>の中で次のようなことを述べていた。

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 2016年、私は『崩壊するアメリカの公教育』にて、新自由主義教育「改革」による
アメリカ公教育の崩壊の実態と、日本にも忍び寄るその足音に警告を鳴らした。
凄まじい市場化と民営化の結果、「公」と「私」の境界が揺らぎ、
貧困地域では教育よりも利益を重視する公設民営学校(チャータースクール)が
乱立したことで、義務教育における教育格差が拡大
本来は公教育が是正すべき経済格差を、公教育そのものが再生産するという
社会的な矛盾が生まれた。そうして「公」と「教育」という民主主義社会の
根幹を成す概念そのものの崩壊が始まったのだ。
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 そして、次のように続ける。

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アメリカの新自由主義教育「改革」は、日本の30年先を行っている
その失敗から学ぶことで、私たちは日本でも加速度的に進行している公教育の崩壊を、
少し離れた高台から、客観的に、そして俯瞰的に見ることができる。
そんな想いで、私は出版と同時にアメリカから帰国し、
講演や執筆を通して日本にも迫りくる危機を警告し続けてきた。
しかし、残念ながらその後も日本はアメリカの失敗の後追いをし続け、日本の公教育ももはや瀕死の状態にある。
  増え続ける子どもの自殺、不登校、教員の疾患、
  義務教育の中ですら顕著になってきた学校の序列化と教育格差の拡大、
  危機的な状況にある教員不足、マニュアル化する授業、「使い捨て労働者」化する教員
・・・今日の教育現場が抱える息苦しさの原因はどこにあるのか。
『崩壊するアメリカの公教育』の出版から8年。
月刊『クレスコ』における連載「先生が先生になれない世の中で」(2018年開始)をベースに、
アメリカから帰国した私が発信してきた内容を本書にまとめておこうと思う。
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 この本は、以下のような章からなっている。

〇第1章 「お客様を教育しなければならない」というジレンマ
       ーーー新自由主義と教育
〇第2章 人が人でなくなっていく教育現場
       ーーー教員の働き方改革の矛盾
〇第3章 新自由主義時代の「富国強兵」教育と公教育の市場化
       ーーー政治による教育の「不当な支配」
〇第4章 「自由」の中で不自由な子どもたち
       ーーーコロナ禍が映し出した教育の闇と光
〇第5章 「教師というしごとが私を去っていった」
       ーーー教育現場における「構想」と「実行」の分離
〇終章 「遊び」のないところから新しい世界は生まれない

 これらの章立てを見ても、現在日本の公教育が抱えている問題について具体的に述べられていることがわかるだろう。
 例えば、〇第3章には、

<4 日本の公教育の崩壊が大阪から始まる>
<8 日本の公教育の再生を、大阪から始めよう>

 というような項目があり、その内容が具体的に紹介されています。
 (他の章も、極めて内容豊富なのですが、ここでは略します)

 そして、〇終章の<5 いち教員である「わたし」にできること>には次のように述べられている。

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「一つの教育政策で新自由主義をひっくり返すことはできないが、
教育を通した社会運動を通じて人々の意識を変え、社会の潮流を少しでも変えることはできる」
『崩壊するアメリカの公教育』に、そう私は書いている。
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 また、〇終章の最後の<6 答えは自分の中にある>には、

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社会のシステムを支えているのは「わたし」たちだ。
私自身がその中の一人であると気づくことで、何かが動き始める
答えは自分の中にある。
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 と述べられている。
 是非、多くの人に読んでいただきたい。

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第1回「総決起集会」(主催:都教委包囲首都圏ネット)は、
2025年2月9日(日)13:00~、文京区民センター3A集会室、で開きます。
講師は大内裕和・武蔵大学教授です。
演題は、「教育の新自由主義改革の40年と現在」と決まりました。
偶然ですが、鈴木大裕氏の問題意識と共通する演題になりました。

大坂では、維新の新自由主義教育政策に反対する運動が発展しています。
東京でも、新自由主義教育政策に反対する運動を発展させましょう。
ビラ表面を添付します。

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都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
 http://houinet.blogspot.jp/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
       http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
       http://hinokimi.web.fc2.com/


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