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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

2007参院選―結果分析

2007年08月19日 | 平和憲法
皆さん、太田光征です。
 自分なりの観点から選挙結果を分析してきましたが、今回でほぼ完了です。開票結果はもちろん、各種データをまとめてありますので、ご参考にしてください。

 ◎ 2007参院選――結果分析
  http://kaze.fm/wordpress/?p=140
  【8月10日追加】

<選挙区で民主党候補に投じた有権者の10.3%、247万人が、比例区では共産・社民・国民新・新党日本(4野党)に投票。民主党支持者のうち、比例区で4野党に投票したのは7%、100万人。野党支持者間での票の融通は、民主に割りのいい結果に?>


 出口調査によれば、選挙区で民主党候補に投じた有権者の10.3%、247万人が、比例区では共産・社民・国民新・新党日本(4野党)に投票しています。

 一般に、比例区で投じた先が、選挙区で投じた先よりも支持度が高いといえます。これら247万の有権者は、選挙区では敢えて支持度の低い民主党候補に投票したことになります。小選挙区制ゆえの現象です。すべて比例区なら、247万票のほとんどが4野党に流れたことでしょう。

 民主党の選挙区候補1人当たりの当選に要した票数は、24,006,817票/40議員=600,170です。したがって上記の247万票は、民主党選挙区候補4人分の当選に必要な票数といえます。1選挙区当たりでは、5.26万票になります。

 一方、民主党支持者のうち、比例区で4野党に投票したのは7%、100万人です。比例区候補1人の当選に必要な票数にも及びません。共産支持者の10%、26万人、社民支持者の18%、26万人が比例区で民主党に投票しているので、比例区で民主側から4野党に流れた票は、実質、50万に満たないでしょう。

 247万票が実際に民主党候補何人分の当選に寄与したかは定かでありません。ただ、民主が自民に勝った選挙区で、票差が5.26万票もない選挙区を挙げてみると、6選挙区あります。

  石川、岡山、高知、佐賀、長崎、熊本

 4野党の選挙区候補のうち、当選したのは、国民新の亀井亜紀子氏(217,707票)のみです。4野党の選挙区候補の当選に貢献した民主党支持者の票は、この22万票の一部だけということです。

 以上のように、民主―4野党間の票の融通では、民主に割りのいい結果になっていると推測できます。民主側から4野党側への「お返し」が足りない、ということです。

 ところで、政党助成金は、当選者数割りだけではなく、獲得票数割りもあるので、民主党などは、支持者でない有権者からもらった票でも助成金を受け取ることになり、二重得です。

 小選挙区制は、ここまで国民主権を踏みにじりながら、与党にも「風」任せの勝利を許す制度です。すでに野党は票数の上では勝っているのだから、自公に勝利を許すことがあってはなりません。メール問題のように野党側にも失態がないわけではないことに注意が必要です。

 そんな制度でありながら、民主党は、自身の1人勝ちを担保するために、比例区定数を削減する形で小選挙区制の強化を図っています。民主党が少数政党の抹殺政策である小選挙区制を支持していては、少数政党との選挙協力を進めることは無理というものです。

 少数政党に対して、何の見返りもなく一方的に民主党に協力せよ、というのは、「民主党を支持せよ、後で消してやるから」ということに他なりません。民主党は、野党が安定して確実に勝つ決め手である野党選挙共同を阻害する致命的な原因を作っているのです。

 民主党はその小選挙区制支持を撤回するべきです。有権者は比例区定数削減の公約を支持したわけではありません。民主党は単に与党批判票の受け皿になっただけであることを忘れないでほしい。


太田光征

Global Progressive Media Action
http://homepage3.nifty.com/antiwar/
(以上は転送・転載OKです)

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