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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ドイツの放送局が伝えた平成天皇のスピーチ

2018年12月31日 | 平和憲法
 ◆ 世界を感動させた退位を控えた明仁天皇のスピーチ (星の金貨 new)
   ドイチェ・ヴェレ 2018年12月23日


 明仁天皇の誕生日を祝福するため7万5,000人を超える人々が東京都内にある皇居を訪れました。
 明仁天皇は感動的なスピーチを行い、その中で第二次世界大戦で殺された人々への追悼の意を改めて表明しました。
 29日の記者会見で日本の明仁天皇は、29年間の在位期間中日本が一切軍事紛争をに関わらなかったことに心から安堵していると国民に語りかけました。
 「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています。」
 明仁天皇は東京都内の皇居で行われた数少ないスピーチの中で、退位を6ヶ月後に控えた85歳の誕生日を祝う席でこう語りました。
 また明仁天皇は第二次世界大戦後に生まれた若い世代の人々の教育について、次のようにつけ加えました。
 「先の大戦で多くの人命が失われ、また、我が国の戦後の平和と繁栄が、このような多くの犠牲と国民のたゆみない努力によって築かれたものであることを忘れず、戦後生まれの人々にもこのことを正しく伝えていくことが大切であると思ってきました。」
 ◆ 平和主義をつらぬいた明仁天皇の生涯

 明仁天皇はスピーチが第二次世界大戦を回顧する部分にさし掛かると、声を震わせました。
 第二次世界大戦当時の天皇は明仁天皇の父である裕仁天皇時代です。
 裕仁天皇は第二次世界大戦以前の在位前期、神に祭り上げられ、1989年に亡くなりました。
 明仁天皇は日本の戦後の平和主義憲法の下で即位した最初の天皇であり、その生涯のほとんどを日本国民の象徴としての儀礼的な職務をこなしてきたのです。
 美智子皇后とともに両陛下はあらゆる機会をとらえて平和の尊さを訴え、20世紀に日本が行った日本の侵略による領土拡大主義政策について襟を正して改めることを生涯の使命としてきました。
 明仁天皇は第二次世界大戦において日本が侵略し多大な損害を与えたフィリピンや他の太平洋諸国の島々を訪問し、直接的な謝罪という表現は用いませんでしたが、特に近年、訪れた場所場所で慎重にこうした行為に対する後悔の念を表明してきました。
 こうした明仁天皇の融和を大切にする姿勢は、現在の安倍晋三首相を含む日本の一部の政治的指導者たちと対極をなすものです。
 彼らは機会あるごとに日本の行為を美化、正当化することにより内外の批判を浴びています。
 ◆ 幅広く敬愛されている日本国の象徴

 この日のスピーチで、明仁天皇は在位中彼を支え続けてきた日本の国民に敬意を表しました。
 「天皇としての旅を終えようとしている今、私はこれまで、象徴としての私の立場を受け入れ、私を支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝したいと思います。」
 宮内庁の発表によれば、この日明仁天皇の誕生日を祝うため皇居を訪れた人の数は75,000人を超え、平成年間で最高を記録しました。
 平成とは日本語で「平和を成しとげる」という意味です。

 明仁天皇は4月30日に退位する予定であり、天皇の地位は5月1日に長男である成仁皇太子に引き継がれます。
 明仁天皇はこの200年間で初めて存命中に退位する天皇になる予定です。

 成仁天皇誕生のための盛大な即位式典の費用についてはまだ公表されていませんが、10億円を超えるという観測もあり、その金額を日本の納税者に負担させるべきかどうかについては国内でも意見が別れています。
 日本は第二次世界大戦以降、国際紛争の場で戦闘を行ったことはありませんが、2002年のアメリカ主導によるイラク侵攻後の復興活動に関与した他、ソマリア沖の海賊行為を根絶させるための国際的な取り組みには参加しました。
https://www.dw.com/en/japanese-emperor-stresses-his-peaceful-reign-ahead-of-abdication/a-46847383
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 唐突ですが、明仁天皇とジョン・レノンは同じ時代に同じように平和の尊さについて語り、平和の実現を希求していました。
 しかし徹底して平和を希求する姿勢を鮮明にされたのは明仁天皇の方が古く、正直1960年代小学生だった私は、タミヤ製の戦車や戦闘機のプラモデルを組み立てながら、「何でこの人は平和、平和とばかり言っているのだろう?」と思っていました。
 明仁天皇の本当の偉大さに気づいたのは、自分が50歳を過ぎてからのことでした。

 様々な書籍や記録映画などを見てアメリカの軍産複合体というものの存在に気づき、その強大さを知るとともに、ベトナム、カンボジア、イラク、アフガニスタンとアメリカが絶えることなく戦争に手を出していく有様を見て、ある種の疑念が膨らんでいました。
 そして、ジョン・F・ケネディ、ロバート・ケネディ、キング牧師、ジョン・レノンと、彼らにとって都合の悪い人が社会の注目と支持を集め始めると、オリバー・ストーン監督の言葉を借りれば、「決まったように都合よく現れる精神異常者」に次々と暗殺されていきました。
 私自身も彼らに惹かれ、支持をしていただけに暗殺はその都度非常に衝撃的であり、未だにこの世界が彼らを失ってしまったことが悔やまれてなりません。
 しかし明仁天皇はその誰よりも筋金入りの平和主義者です。
 天皇という制約だらけの地位にありながら、これだけ強く平和への意思をお持ちになり、今回のスピーチについても、世界中のメディアが好意を込め自国の読者に伝えることになりました。
 ご紹介したのはドイツの代表的メディアの一つですが、確認しただけでも他に英国BBCやアルジャジーラなども大きく伝えています。
 明仁天皇の真摯さに打たれたのでしょう。

 退位が秒読み段階になってからで恐縮ですが、日本が世界に誇るべきは日本国憲法第九条に加え、明仁天皇もそうであったことに、今回のスピーチに接したことで気がつきました。
 遅きに失したことが悔やまれます。

 そしてもう一つ、私も強く感じたことが各国の記事にはっきりと記されていました。
 「明仁天皇の融和を大切にする姿勢は、現在の安倍晋三首相を含む日本の一部の政治的指導者たちと対極をなすものです。」
 明仁天皇は筋金入りの博愛主義者であり、その強さはたとえキング牧師と比べてもなんら遜色がないものだったのです。
『星の金貨 new』
https://kobajun.biz/%e3%80%90-%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%82%92%e6%84%9f%e5%8b%95%e3%81%95%e3%81%9b%e3%81%9f%e9%80%80%e4%bd%8d%e3%82%92%e6%8e%a7%e3%81%88%e3%81%9f%e6%98%8e%e4%bb%81%e5%a4%a9%e7%9a%87%e3%81%ae%e3%82%b9%e3%83%94/
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