パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

さまざまなジャンルのNGOが辺野古埋め立てへ共同抗議会見

2018年12月31日 | 平和憲法
 ◆ 「民意無視の脱法行為、安倍首相の言動とも矛盾」 (ハーバービジネスオンライン)
取材・文/志葉玲(ジャーナリスト)

12月20日に行われた、辺野古埋め立て反対のNGO共同記者会見。筆者撮影

 政府が沖縄県名護市辺野古で建設を進めている、米軍の新基地。先の沖縄知事選で辺野古新基地反対派の玉城デニー知事が圧倒的大差で勝利し、民意は示されたにもかかわらず、政府は12月14日、辺野古・大浦湾の埋め立てのための土砂投入開始を強行した。
 これに対し、本土の市民団体や環境NGO等からも批判の声が上がっている。12月20日、8つの団体が共同で記者会見を行った。
 会見では、元軍人による平和団体の日本支部「ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン」共同代表で、自身も元自衛官である井筒高雄さんが「米国政府監査院(GAO)も、辺野古新基地の実用性を疑問視している」と語った。
 「現状の普天間基地に比べ、辺野古の新基地建設計画は滑走路が短く、実用に耐えないとGAOは指摘しています。ベテランズ・フォー・ピースは、辺野古新基地の建設予定地の地盤がまるでマヨネーズのように軟弱なこと、活断層の存在も指摘されていることなど、新基地建設の諸問題について、さらなる実態調査を行うよう、GAOに要請しています」(井筒さん)
 ◆ 「海の豊かさを守る」というSDGsの目標にも反している

 ピースボートは、辺野古新基地建設に対し「海の豊かさを守る」というSDGsの視点からも反対している(野平さん提供)
 国際交流・平和団体のピースボート共同代表の野平晋作さんも、約260種の絶滅危惧種を含む5800種以上の海洋生物が生息している「生物多様性の宝庫」である辺野古・大浦湾を埋め立てることは、日本が官民あげて推進するSDGs(持続可能な開発目標)に反すると指摘。
 「SDGsは、国連加盟193か国が2016年から2030年の間に達成すると掲げた目標で、日本政府も目標達成を約束、安倍首相や閣僚達もSDGsのロゴバッジを身に着けています。SDGsの17の目標のうち、14番目は『海の豊かさを守る』というものです。辺野古の海を埋め立てることは、このSDGsの目標と矛盾します。安倍首相が『沖縄に寄り添う』と言いながら沖縄の民意を無視していることは、『持続可能な成長を推進し、その豊かさと幸せを皆で共有する』というSDGsについての安倍首相自身の言葉とも真逆のことです」(野平さん)
 「辺野古・高江を守ろう! NGOネットワーク」の花輪伸一さんは、「安倍政権は全く法律を無視して自然を壊す、平和を破壊する、地方自治や地域の人権をないがしろにする」と憤る。
 沖縄県は、仲井真弘多・元知事が行った辺野古沿岸部の公有水面埋立承認を今年8月末に撤回した。
 ところが、これに対し防衛省は今年10月、行政不服審査法により沖縄県側の埋立承認撤回処分の執行停止を求め、同月に石井啓一・国交相は防衛省側の言い分を認めたのだ。一連の政権側の動きを花輪さんは「行政法の悪用」だと批判する。行政府不服審査は本来、私人救済のための制度であり、国側が使うものではないからだ。
 「(辺野古埋め立て承認撤回を、安倍政権が行政不服審査で無効化したことについて)行政法研究者110人が声明を出したように、これは全くの違法行為です」(花輪さん)
 ◆ 沖縄の米海兵隊は「日本を守る」というよりも、他国への“殴り込み部隊”
 「NGO非戦ネット」の呼びかけ人の谷山博史さんは「国際協力を通してグローバルな課題の解決に取り組むNGO関係者635名および組織77団体で構成されるNGO非戦ネットを代表して、政府の土砂投入強行に抗議の意を表明いたします」と語った。
 またアフガニスタン等での経験から「攻撃的な機能を持つ基地を造って、実際日米一体となって運用していった場合、取り返しのつかないリスクを日本人に負わせることになると言えます」と指摘した。
 在沖米軍基地の主力は海兵隊であり、これは日本の防衛のためというよりも、中東などの紛争地へ出撃していく“殴り込み部隊”だ。つまり「沖縄から出撃した米軍海兵隊が、現地の人々を殺傷することで、日本に対する憎悪も招きかねない」と谷山さんは危惧しているのである。
 実際、筆者がイラクで取材する中で、何人もの米軍兵士たちが「俺たちは沖縄から来た」と言っていたし、またそれをイラクの人々も知っていた。
 これに関連して前出の井筒さんも「沖縄の海兵隊の実戦部隊は年間で半年以上、沖縄にはいない。これでどうやって『中国の脅威』に対処するのでしょうか?」と「在沖米軍基地は日本のため」という岩屋毅・防衛相の抑止力論に疑問を呈した。
 沖縄の米軍基地は日本の平和を守るためのものではなく、むしろ特に在外邦人のリスクを増大させるというわけだ。
 国際環境NGO「FoEJapan」事務局長の満田夏花さんはじめ、会見したNGO関係者らは口々に「これは沖縄の問題というより、日本全体の問題」「人々の暮らし、人権、未来を選択する権利が守られるべき」だと強調。
 沖縄県だけでなく全国の人々も、辺野古への新基地建設などの在日米軍基地問題へ関心を持ち、声を上げていくことが重要だと訴えた。
【ニュース・レジスタンス】
取材・文/志葉玲(ジャーナリスト)

『ハーバー・ビジネス・オンライン』(2018.12.29)
https://hbol.jp/182391
コメント    この記事についてブログを書く
« 抵抗する魂を肉体として表現... | トップ | ドイツの放送局が伝えた平成... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

平和憲法」カテゴリの最新記事