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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

郵便土曜休配はさらなる人員削減と労働密度の強化を招きそう

2018年12月16日 | 格差社会
 ◆ 土曜休配で解決しない問題 (週刊新社会【ひとこと】)
   千葉県柏市 小川和良 郵政労働者(50歳)


 「総務省で土曜日休配について検討をはじめた」という話が、にわかに話題になってきた。
 確かに郵政職場はどこも慢性的な要員不足。休暇の割り振りなとで日頃頭を悩ませている人たちからすれば、今すぐにでも導入してほしいといった声が聞こえる。
 また所帯持ちや、世間並みに土日に休みたいと思っている人たちにとっては、朗報であるに違いない。自分としても土日にいろいろな所用が入ることも多いので、助かると言えば助かる。
 では土曜日は配達数が少ないのか?配違先がほとんどビジネス街になっている我が局では、セキユリティの関係でポストのあるところまで行けなくなるビルも増え、大口企業の大半は休み明けの月曜日にまとめて配達するようにと指示しているところも多い。
 そのため土曜日に持ち出す郵便物は少ないように見える。
 ところが意外とそうではない

 古い雑居ビルや一軒家などがマンション等に変わるなどの地域的な背景があり、また休配といってもそれは普通郵便のみ。速達・書留・レターパックやその他追跡関係のバーコード付きの郵便物等は平日と同じように配達している。
 そのうえ平日に不在通知を投函されて、土日に配達希望を出す人も多い。
 ちなみに土曜日の人員は平日の半数、もしくは3分の1に抑えられているうえ、日曜・祝日については各班に1人もしくは2人の配置である。そのため1人あたりの土・日の仕事の密度は平日より高いのが現実。
 それでは土曜休配になるとどうなるか。象徴的な出来事が11月5日にあった。
 それは3日が祝日で休配日になったため、3日分の郵便物が5日に集中したことである。
 その日はほとんどの配達区は午前中に道順組立が終わらず、午後になってからの配達となり、午前希望や大口以外は午後回しにしたそうだ。そして郵便物がまだこないとの苦情の電話がひっきりなしにかかってきて、職場はてんてこ舞い。ほとんどの社員が2時間から3時間の超勤となった。
 土曜休配になれば、毎週月曜日はこのような実態になるのかと思うと、手放しに喜べない。もちろん利用者からみれば、サービスダウンは必至でメリットは何もない。
 働き方改革の一環で出てきた土曜休配であるが、実態はさらなる人員削減と労働密度の強化である。
『週刊新社会』(2018年12月11日【ひとこと】)

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