《立川テント村通信から》
☆ 朝雲レポート(8/1~9/26号)
●朝雲紙を見るたびに、自衛隊が日本軍として外国軍との交流をさかんにしていることを強く感じる。しかし、これは朝雲紙がそれをアピールしたがっているからなのかも、とも思った。
というのは、今回担当した8、9月の計8号のうち、1面のトップ記事が外国との交流の話ではないのは、9月19日号だけなのだ。
この時のトップ記事は、陸自警務隊のDX化を進める、異色の経歴を持つ警務隊長の話。陸自小平学校で犯罪捜査のICT化教育を行い、捜査の大幅な迅遠化を図っているという。
もっともこの日の1面も、救難救援の多国間演習、遠航部隊が地中海でNATOと共同訓練など、国際的な話題に事欠かない。(9/19)
さて他の号から国際的な話題を拾うと、次期戦闘機を日英伊で共同開発する事業の管理機関GIGO(ジヤイゴ)を年内に設置し35年初配備の予定。
NATOに加盟したスウェーデンを防衛大臣が訪問。日本とスウェーデンはロシアを東西からはさむという共通点があるそうだ。
7月には岸田首相がワシントンでNATO首脳会合に出席(8/1)。
7月28日都内で日米2+2が行われ、在日米軍を続合軍司令部に再構成、年度末に自衛隊に設置する統合作戦司令部とのカウンターパートとすることを確認。カウンターパートとは?ごまかしてるな。
空自は7月にドイツ空軍、スペイン航空宇宙軍のユーロファイターなど計22機を迎え、共同訓練を行った(8/8)。
米国の女性初の陸軍長官が韓国を経て来日、陸幕長と会談。統幕長はモンゴルを公式訪問してモンゴル軍参謀総長と会談。ニューカレドニアでは海自が日仏共同訓練を行っている(8/15)。
8月、木原防衛相は昨年から包括的戦略的パートナーシップであるベトナムとカンボジアを訪問、それぞれの国防相と会談。両国は中国、ロシアとの関係で注目されている。
百里で日仏、三沢で日伊空軍の共同訓練(8/22)。
8月ニューデリーで日印2+2。宇宙・サイバー領域での協力を約束し、複合通信空中線ユニコーンの「移転」を確認。
イタリアの空母は日本に初寄港。ドイツ、カナダ、ニュージーランド、シンガポールの海軍艦艇も次々やってきた(9/5)。
日豪2十2、ノルウエー国防大臣訪日(9/12)。
フィンランド国防相来日、陸自演習場で仏陸軍と共同訓練(9/26)。
●来年度予算の概算要求が過去最大(毎年のことだが)の8・5兆円に。
そうなると、当然のことながら分け前にありつこうと考える人間が出てくる。7月25日港区のホテルニューオータニで開かれた「安保ビジネス参入フォーラム」。セッションⅡ「安全保障ビジネス『追風』をいかにとらえるか」では自衛隊関係者や中小事業庁などが登壇。(8/15・22)
●今年の防衛白書は7月12日発表、8月30日発売。
以前は紙上で解説を連載したものだが、今年はーページ使って紹介しただけ。しかも紙面の半分以上が「我が国周辺の安全保障環境」という地図と「イージス・システム搭載艦の能力」「新たな自衛隊の運用体制」という2つの図で記事はすっきり。(9/5)
●今年は自衛隊創設70年、自衛艦隊も70年だ。
発足当初は米軍貸与のフリゲート艦18隻、警備艇12隻、航空機14機だったという。
今は水上艦艇88隻、航空機190機、潜水艦25隻の規模。
朝雲に現海幕長である海将と自衛艦隊先任伍長である海曹長が写真付きで寄稿している。
旧海軍とは時代が変わったなと感じたのは2人とも実ににこやかな笑顔であること。先任伍長なんか大きく歯を見せて笑っている。(8/1)
●テント村の廃品回収の途中にある広い場所で、自走式の草刈り機を見かける。ロボット掃除機のようなもので、広いところを何台も勝手に走って草刈りをしている。
自衛隊駐屯地も草刈りに苦労しているからか、ロボット草刈り機の全面広告があった。本体と充電ステーシヨンをあわせて60~70万円もする。いくら「安全保障ビジネス」が追い風でも、自衛隊にこの金額はちょっと無理では。(9/26)
『立川テント村通信 第560号』(2024年10月1日)
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