■「南京虐殺」本は名誉毀損
生存者勝訴 400万円賠償命じる 東京地裁
南京大虐殺事件についての著作で「偽の被害者」として記述され、名誉を棄損されたとして、生存者として知られる夏淑琴さん(七八)が、著者の大学教授と出版社に千五百万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は二日、「名誉棄損に当たる」として四百万円の支払いを命じた。
訴えられたのは一九九八年に出版された「『南京虐殺』の徹底検証」の著者の東中野修道・亜細亜大学教授と出版社「展転社」(東京都文京区)。
訴訟では、虐殺を記録した米国人牧師の資料で被害者とされた「八歳の少女」について、翻訳した東中野教授が「夏さんとは別人」とした解釈の妥当性が争われた。
三代川三千代裁判長は「解釈は前後の文脈から不自然・不合理な点が生じる。他の解釈に言及しておらず、(夏さんが)少女ではないとの事実は立証されていない」と指摘。
教授側は「学問研究として疑問点を指摘しただけで、名誉棄損に当たらない」と主張したが、判決は「学問研究の成果に値しないと言っても過言ではなく、(夏さんは)被害者として知られた人物で、名誉感情を著しく侵害した」と述べた。
東中野修道教授の話 非常に心外です。控訴する方針です。
「家族と同胞の弔いになる」
夏さんは、南京大虐殺の「生き証人」として語り続けてきた。一九三七年十二月十三日。旧日本軍が中国・南京に入城した日、夏さん宅に日本兵士が現れ、家族は次々と殺された。
二人の姉と母は暴行された後、殺害された。当時八歳の夏さんも銃剣で刺された。生き残ったのは夏さんと妹だけ。父も殺された。
両親を失ったため十分な教育を受けられなかったが、結婚して三人の子どもに恵まれた。
一九九八年、自らの証言を偽りとする書籍が日本で発売されたことを知り、新たに心に傷が刻まれた。「どうしてこんなに苦しい運命なのか」。自らに問いかける日々が続いたが、将来への希望は失ってはいない。
「両国は友好でありたい。戦争は絶対にいけない」と日本の若者に語りかける。来月は事件から七十年。判決後、夏さんは「記念すべき年になった。家族と亡くなった同胞の弔いになる」と語った。
『東京新聞』(2007/11/3)
◆ 夏淑琴さん名誉毀損訴訟、裁判傍聴記 2007/01/18
http://www.news.janjan.jp/living/0701/0612317401/1.php
◆ 南京大虐殺生存者、名誉毀損で日本人著者に勝訴(人民日報 2006年08月24日16:10 北京時間)
http://j.peopledaily.com.cn/2006/08/24/jp20060824_62475.html
◆ 夏淑琴さん事件 東中野修道氏「徹底検証」編
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/tetteikenshou.html
生存者勝訴 400万円賠償命じる 東京地裁
南京大虐殺事件についての著作で「偽の被害者」として記述され、名誉を棄損されたとして、生存者として知られる夏淑琴さん(七八)が、著者の大学教授と出版社に千五百万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は二日、「名誉棄損に当たる」として四百万円の支払いを命じた。
訴えられたのは一九九八年に出版された「『南京虐殺』の徹底検証」の著者の東中野修道・亜細亜大学教授と出版社「展転社」(東京都文京区)。
訴訟では、虐殺を記録した米国人牧師の資料で被害者とされた「八歳の少女」について、翻訳した東中野教授が「夏さんとは別人」とした解釈の妥当性が争われた。
三代川三千代裁判長は「解釈は前後の文脈から不自然・不合理な点が生じる。他の解釈に言及しておらず、(夏さんが)少女ではないとの事実は立証されていない」と指摘。
教授側は「学問研究として疑問点を指摘しただけで、名誉棄損に当たらない」と主張したが、判決は「学問研究の成果に値しないと言っても過言ではなく、(夏さんは)被害者として知られた人物で、名誉感情を著しく侵害した」と述べた。
東中野修道教授の話 非常に心外です。控訴する方針です。
「家族と同胞の弔いになる」
夏さんは、南京大虐殺の「生き証人」として語り続けてきた。一九三七年十二月十三日。旧日本軍が中国・南京に入城した日、夏さん宅に日本兵士が現れ、家族は次々と殺された。
二人の姉と母は暴行された後、殺害された。当時八歳の夏さんも銃剣で刺された。生き残ったのは夏さんと妹だけ。父も殺された。
両親を失ったため十分な教育を受けられなかったが、結婚して三人の子どもに恵まれた。
一九九八年、自らの証言を偽りとする書籍が日本で発売されたことを知り、新たに心に傷が刻まれた。「どうしてこんなに苦しい運命なのか」。自らに問いかける日々が続いたが、将来への希望は失ってはいない。
「両国は友好でありたい。戦争は絶対にいけない」と日本の若者に語りかける。来月は事件から七十年。判決後、夏さんは「記念すべき年になった。家族と亡くなった同胞の弔いになる」と語った。
『東京新聞』(2007/11/3)
◆ 夏淑琴さん名誉毀損訴訟、裁判傍聴記 2007/01/18
http://www.news.janjan.jp/living/0701/0612317401/1.php
◆ 南京大虐殺生存者、名誉毀損で日本人著者に勝訴(人民日報 2006年08月24日16:10 北京時間)
http://j.peopledaily.com.cn/2006/08/24/jp20060824_62475.html
◆ 夏淑琴さん事件 東中野修道氏「徹底検証」編
http://www.geocities.jp/yu77799/nankin/tetteikenshou.html
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