2008年度の東京都新規任用者・・・「正式採用不可」は9名
● 新任教員の年度内退職69名(過去最高)
5月28日、都教委は2008年度の新規採用教員(「1年間の条件付採用」)の任用について、その内訳を公表した。採用人数の増加があるとはいえ、69名もの年度内退職、9名の「採用不可」が出ている。
東京都の2008年4月1日付の新規採用教員は2,564人。このうち69人は09年3月末までに退職(名目上は「個人的理由」などとなっている)しており、都教委が「採用判定」した対象者は2,495人だった。
ここでさらに9名が「適格性欠如」などの理由で採用にならなかったことが明らかになった。
9名(小学校7名、高校2名)のうち、8名は「自主退職」。残り1名(高校教員)は「勧奨」に応じず「免職」となった。
「判定」の理由は「適格性欠如」「指導力不足」「保護者からの苦情」などであるという。
● 青年部層の仲間へ働きかけよう!
~信頼し、ともに支え合う職場を目指して
過去最高の新採者の年度内退職は、それぞれの事情があるとしても、いまの「現場」それ自体の厳しさとともに、「職場状況」の厳しさをも同時に示すものです。
「人事考課・業績評価」の“呪縛”はいまや、私たちの日常のにかぶせられ、さらに、職の分化・OJTなどが本格的に動き出してしまうならば、さらに“息苦しい”ものとなってしまいます。これから入ってくる新採者・若い仲間たちは、ある意味、これが当たり前のものとして経験していくことになります。
1年目から「自己申告書」「業績評価」が勤務の中心に据えられ、「主任教諭」を目指すべきこと、校長の「経営目標」達成のために努力すること、ということこそが「目指すべき教員の姿」として提示されていくことになります。
● 職場のみんなで考え、話し合おう!
トップダウンの学校運営、職員会議の形骸化の中で、横のつながりが断たれ、学校全体の動きが見えない、学校で何が起こっているのか知らない・知らされない、他人に関わっている余裕がない、といった傾向も顕著です。
こうした状況の中での「職場づくり」は容易なものではありません。「校長の経営目標」とは何なのか、どのような意味を持つものなのか、「主任教諭」を都教委はどのようなものとして導入してきたのか、そして何よりも「学校」とは何なのか、生徒と教職員はどうあるべきなのか、…問題を「問題」として立ち止まって考え、新採者も含めて話しあうことが何よりも必要です。
● 不合理な「期限付き採用教員」の条件改善を!
都高教は、今年度から「期限付き採用」の仲間に対しても組織対象としました。
「期限付き」は教員採用試験受験者の中から「名簿登載」されるが、いわゆる「空き」が発生しなければ、学校現場に採用されることはなく、見通しも立たず、収入も得られません。
「運良く(?)」採用されても「期限付き」であることから、教員採用試験を受けなければならず(一は免除されるが…)、そのくせ「初任研」も課せられる。
「条件付き」の人の「初任研」は他の新採者のそれとは分量はやや少ないが、仮に次の年に「採用」になったら不足している分の「初任研」を受けなければならない。これだけみてもあまりにも不合理な制度であるといえます。
● そもそも都教委は・・・
そもそも都教委は、団塊の世代の大量退職による「人材不足」(~とくに教育管理職・指導主事)に危機感を募らせ、「教員任用のありかた」をめぐって検討を重ね、その結果、人事任用制度を大きく改編してきました。それが「主幹制度」の導入・「教育管理職育成方針」であり、「職の分化・主任教諭」の導入、「(「OJTガイドライン」などの)人材育成基本方針」なのです。
さらに、従来の「再雇用制度」の全面的廃止、「非常勤教員制度」の創設と、この「臨時的採用教員制度」の一環としての「期限付き教員」制度があるわけです。
団塊の世代の大量退職で、職場の年齢構成の歪みは必然、都教委はこれを解消するために(大量退職→大量採用→再び大量退職)「臨時的採用」職員の拡大を目論んだ(様々な年齢層、地方からの採用など)。
しかし、そんなうまく事態が運ぶのか?少なからず『不安』を抱いている新規採用者(期限付き・条件付きともに)が大勢いることが現実です。何よりも東京都の労働条件・勤務環境・服務管理体制などの見直しがなされければなりません。
『3支部ニュース』(2009.06.16 09 NO.7)
支部長 山ロ正人(田柄)
● 新任教員の年度内退職69名(過去最高)
5月28日、都教委は2008年度の新規採用教員(「1年間の条件付採用」)の任用について、その内訳を公表した。採用人数の増加があるとはいえ、69名もの年度内退職、9名の「採用不可」が出ている。
東京都の2008年4月1日付の新規採用教員は2,564人。このうち69人は09年3月末までに退職(名目上は「個人的理由」などとなっている)しており、都教委が「採用判定」した対象者は2,495人だった。
ここでさらに9名が「適格性欠如」などの理由で採用にならなかったことが明らかになった。
9名(小学校7名、高校2名)のうち、8名は「自主退職」。残り1名(高校教員)は「勧奨」に応じず「免職」となった。
「判定」の理由は「適格性欠如」「指導力不足」「保護者からの苦情」などであるという。
● 青年部層の仲間へ働きかけよう!
~信頼し、ともに支え合う職場を目指して
過去最高の新採者の年度内退職は、それぞれの事情があるとしても、いまの「現場」それ自体の厳しさとともに、「職場状況」の厳しさをも同時に示すものです。
「人事考課・業績評価」の“呪縛”はいまや、私たちの日常のにかぶせられ、さらに、職の分化・OJTなどが本格的に動き出してしまうならば、さらに“息苦しい”ものとなってしまいます。これから入ってくる新採者・若い仲間たちは、ある意味、これが当たり前のものとして経験していくことになります。
1年目から「自己申告書」「業績評価」が勤務の中心に据えられ、「主任教諭」を目指すべきこと、校長の「経営目標」達成のために努力すること、ということこそが「目指すべき教員の姿」として提示されていくことになります。
● 職場のみんなで考え、話し合おう!
トップダウンの学校運営、職員会議の形骸化の中で、横のつながりが断たれ、学校全体の動きが見えない、学校で何が起こっているのか知らない・知らされない、他人に関わっている余裕がない、といった傾向も顕著です。
こうした状況の中での「職場づくり」は容易なものではありません。「校長の経営目標」とは何なのか、どのような意味を持つものなのか、「主任教諭」を都教委はどのようなものとして導入してきたのか、そして何よりも「学校」とは何なのか、生徒と教職員はどうあるべきなのか、…問題を「問題」として立ち止まって考え、新採者も含めて話しあうことが何よりも必要です。
● 不合理な「期限付き採用教員」の条件改善を!
都高教は、今年度から「期限付き採用」の仲間に対しても組織対象としました。
「期限付き」は教員採用試験受験者の中から「名簿登載」されるが、いわゆる「空き」が発生しなければ、学校現場に採用されることはなく、見通しも立たず、収入も得られません。
「運良く(?)」採用されても「期限付き」であることから、教員採用試験を受けなければならず(一は免除されるが…)、そのくせ「初任研」も課せられる。
「条件付き」の人の「初任研」は他の新採者のそれとは分量はやや少ないが、仮に次の年に「採用」になったら不足している分の「初任研」を受けなければならない。これだけみてもあまりにも不合理な制度であるといえます。
● そもそも都教委は・・・
そもそも都教委は、団塊の世代の大量退職による「人材不足」(~とくに教育管理職・指導主事)に危機感を募らせ、「教員任用のありかた」をめぐって検討を重ね、その結果、人事任用制度を大きく改編してきました。それが「主幹制度」の導入・「教育管理職育成方針」であり、「職の分化・主任教諭」の導入、「(「OJTガイドライン」などの)人材育成基本方針」なのです。
さらに、従来の「再雇用制度」の全面的廃止、「非常勤教員制度」の創設と、この「臨時的採用教員制度」の一環としての「期限付き教員」制度があるわけです。
団塊の世代の大量退職で、職場の年齢構成の歪みは必然、都教委はこれを解消するために(大量退職→大量採用→再び大量退職)「臨時的採用」職員の拡大を目論んだ(様々な年齢層、地方からの採用など)。
しかし、そんなうまく事態が運ぶのか?少なからず『不安』を抱いている新規採用者(期限付き・条件付きともに)が大勢いることが現実です。何よりも東京都の労働条件・勤務環境・服務管理体制などの見直しがなされければなりません。
『3支部ニュース』(2009.06.16 09 NO.7)
支部長 山ロ正人(田柄)
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