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実教出版の教科書を今後採択させないための嫌がらせ

2015年07月19日 | こども危機
 ◆ 千葉で実教出版教科書に圧力
   採択校に授業報告要求


 千葉県教育庁が、実教出版の「高校日本史教科書」を採択している県内の10校に対し、同教科書を使用した授業内容について報告を求める異例の「事務連絡」をこのほど発出し、問題になっている。
 実教出版の「高校日本史教科書」についてはこれまで、東京都や神奈川県、大阪府等の各教育委員会が、「国旗・国歌」についての「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との記述を理由に、文部科学省の検定を通過しているにもかかわらず高校での採択を妨害する違法行為を繰り返している。
 このうち千葉県では、教育庁が一昨年11月、同「日本史教科書」の「国旗・国歌」の注釈や、「太平洋戦争における各国の犠牲者数」、及び「南京大虐殺の犠牲者数」の記述の3項目について、「指導上の留意」を迫る「通知」を県立高校校長に発出。
 昨年8月には、同教科書を使用する高校に対し、この3項目について、「どのような資料を使って、具体的にどう指導する計画か」を報告するよう求めた、「事務連絡」を発出した。
 さらに今年になって県教育庁は、実教出版教科書の採択校10校に対してこのほど、同3項目について、「授業実践年月日」や「授業を参観した管理職名」、そして昨年に「指導」したとする授業での「補助教材・資料の使用」等について、学校に報告を求める異例の「事務連絡」を再度発出した。
 県教育長は県議会で、こうした介入の理由は、「教科書の記述により、生徒に混乱が生じないよう授業が実施されるため」と答弁している。だが、「生徒の混乱」が起きたという事実があるかどうかについては、答えられないままだ。
 このため、教科書採択問題に詳しい出版労連の関係者は、「こうした内容の『事務連絡』など、他地域では聞いたことがない。結局、実教出版の教科書を今後採択させないための、嫌がらせではないか」と話している。
成澤宗男・編集部

『週刊金曜日』(2015/07/10【金曜アンテナ】)

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