パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

2015年6月10日付朝日新聞大阪本社版8面下半分『意見広告』

2015年06月14日 | こども危機
● 『大切な子どもたち!!
世界でなかよく平和に生きていくために
-育鵬社版・自由社版教科書の採択はやめさせましょう-』


 ● アメリカと一緒に海外で戦争する国をめざす教科書でいいの?
 「国防という自衛隊本来の任務をじゅうぶんに果たすためには、現在の法律では有効な対応がむずかしい」。「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合に、日本が必要最小限度の範囲で実力を行使することは、憲法上許されるのではないか」。負担軽減のため「普天間飛行場の辺野古への移設などを進めています」と書いています(育鵬社公民)。これまで憲法9条を守ってきたことで「戦争はしない国」という国際的信頼を得てきたのに、それとは違う政府の考えだけを一方的に教える教科書でいいのでしょうか。
 ● 戦争に喜んで協力する子どもたちを育てたいの?
 育鵬社歴史教科書は、日本の国民や兵士が「正義の戦争」と信じ込まされていたことには触れず、アジア・太平洋戦争について「国民の多くはひたすら日本の勝利を願い、励まし合って苦しい生活に耐え続けました」と、国民が国家に積極的に協力して頑張ったことだけを強調しています。
 育鵬社は沖縄戦に関しても「戦闘が激しくなる中で逃げ場を失い集団自決に追い込まれる人々もいました」と書いていますが、日本軍が追い込んだという事実を隠しています。
こうして戦争の悲惨な面や、軍隊が住民に与えた被害を隠し、戦争協力が当然だと教えています。
 ● 戦争の事実をゆがめアジアの人々との対話を閉ざしていいの?
 韓国併合については他の教科書では朝鮮に与えた被害などの反省すべき点を書いています。しかし育鵬社・自由社歴史教科書では、耕地面積の増加(育鵬社)、鉄道(自由社)・灌漑施設の開発(育鵬社・自由社)など「近代化」を進めたことばかりを善政として強調しています
 アジア・太平洋戦争については「日本軍の勝利に、東南アジアやインドの人々は独立への希望を強くいだきました」(育鵬社歴史)などと書き、アジア解放の戦争だったかのように書いています。日本がアジアを侵略し大きな被害を与えたのはまぎれもない事実です。
 1995年の村山首相談話でそのことをはっきりさせ、その後の内閣もすべてその立場を引き継いでいます。日本が行った戦争がアジアの独立をもたらしたと正当化したのでは、アジアの人々との対話が成り立たず、世界から孤立します。子どもたちがそんな日本を引き継ぐようになってもいいのでしょうか。
 ● 教科書は学校現場の意見に基づいて選ぶもの!
 育鵬社・自由社の教科書(歴史・公民)が採択された地域では、過去には首長の意向を受けた教育委員により、学校現場の希望を無視して、無記名投票などで決まられたケースもありました。ILO(国際労働機関)とユネスコが共同で出した「教員の地位に関する勧告」でも、教員の意見が最も尊重されなければならないとされています。これが世界の常識です。子どもたちと一緒に教科書を使う教員以上に適切な選択をできる人はいないのですから。
 ● 原子力発電にこだわる教科書でいいの?
 育鵬社公民教科書では「人類のエネルギー問題を根本的に解決するには、人工の太陽をつくり出す核融合発電の実用化を待たねばなりません」と書いて原子力発電にこだわっています。核融合なら放射能の危険はないのでしょうか?核融合発電をわざわざ持ち出すのは、原発をなんとか復活させたいからではないでしょうか。
 ● 日本国憲法を軽んじ「憲法改正」が必要だと主張する教科書でいいの?
 基本的人権の項目はありますが、そこでは人権が社会の秩序を守るために制限されることを強調します。国民主権という項目はありますが、そこでは天皇の役割の大事さを強調しています。日本国憲法の基本的精神をことごとく否定し「憲法改正」の必要性を説いています。憲法を否定する教科書は教科書として失格ではないでしょうか。
 ● 女性差別を取り上げず世界の流れに逆行していいの?
 育鵬社、自由社とも現実にある就労状況や賃金差別の実態にはふれず、何となく「専業主婦もいいよ・・・」という感じがただよいます。「男らしさ」「女らしさ」を大切にすることを強調していることも他の教科書とは違います。
 性別役割分担へ誘導しているのではないでしょうか。

 7月~8月の間に各市区町村や都道府県の教育委員会が中学校教科書採択を行います。「教科書展示会」(6月~7月初旬)に行って教科書を読み、私たちの声を各市区町村や都道府県の教育委員会に届けましょう
 呼びかけ人 省略

 取り扱い団体 省略
●連絡先 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-6-1
     教科書「意見広告」ネット
     TEL 03-3265-7606
     FAX 03-3239-8590

●賛同金 〈振込先・郵便振替口座〉 00110-8-28666
      〈口座名〉 教科書「意見広告」ネット
      *詳細については、お問い合わせください。
 *この意見広告は、皆さまからの賛同金(上記口座へのご送金など)により掲載されています(1485人・127団体 6月4日現在)。
今後とも「意見広告」へのご賛同・ご協力をお願いいたします。

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