パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

憲法の伝道師(1)

2007年03月17日 | 増田の部屋
 こんばんは。増田です。私の宿題となっていました模擬授業で書いていただいた意見・感想をまとめた『模擬!? 紙上討論』をやっと作成しました! 添付します。なにしろ、先週は、チョウ!? 忙しかったものですから、お許しください。
 指導略案も付けていますが、実際の授業では、いろいろな生徒の対応によって、基本は変わらないとしても、変わっていく時もあります。

我孫子市市民フェア 模擬授業「憲法って、なあに?」を受けて
      模擬!?「紙上討論」

(新聞などの投書と同じく、わかりやすいように、趣旨を損なわない範囲で表現を補ったりしています)

① 43年前の社会科の授業が懐かしく思い出されました。でも、歴史の授業も明治維新で終わっている年代の私にとって、昨今の情勢を考えると、公民の勉強はとても大切な授業で、日本を、世界を見据える目を養うに足る授業をしなければいけないと考えています。また、考えさせられました。

② 増田先生、本日、先生にお目にかかり、授業を受けることができ、誠に幸いでした。
 「憲法は、国民が権力者に与えたものである」、この重要な点を理解していなかった私にとって、とても勉強になりました。大学時代『憲法』という講義を受けたことを思い出し、いったい、何を学んでいたのか、とも思いました。今後ともご指導のほど、よろしく、お願いいたします。先生におかれましては今後ともたいへんかと存じますが、お体をご自愛の上、前進くださいますように。陰ながら祈らせていただきます。

③ 良い学習の機会になりました。ありがとうございました。

④ 今日の授業でわかったことは、前文の構成が3つに分けられていること、普遍性、国際協調主義を重んじていること。でも、憲法が『権力をしばるもの』『憲法尊重相互義務は公務員にある』って・・・これは、私は中学では教わってない! 
 増田先生は小学校の社会科で伝えておかなければならないことは何だ(事実? 歴史?)とお考えになりますか?

増田から
 最後のご質問の意味が、あまりわかってないのですが、「事実と歴史」の基礎・基本を伝え、中学校で学ぶ下地を作っておいてほしいな、と中学校の教員としては思います。


⑤ 私の一番の学びは、憲法の精神が込められた前文二段落目の次の文章が、初めて理解でき、納得できたことです。「日本国民は、恒久の平和を念願し、中略、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」他の国民も私達と同じ様に平和を望んでいるんだ、だから武装はいらない。そういうように私は学びました。
 増田先生曰く、高市早苗大臣はこの文章を、「甘い」と批判しているとのこと。軍備を増強する考えなのだと思います。それでは本当の「安全と生存」は、まもれないと思います。猜疑心を煽る北朝鮮についての報道。そんなテレビの視聴は迷わずボイコット。北朝鮮で暮らす兄弟達を信頼して。

⑥ 現在、一番、憲法を守るべき国家公務員が憲法を守らず、次々に違憲の法律を作り成立させていることに憤りを感じるので、もっと、しっかり学習したいです。何か困ったことが起こらないと、憲法の大事さを認識できないのが実感され、たくさんの人が主権者としての自覚をもてるようにしたい!日本人の性格なのか、「長いものに巻かれろ」だし、異質なものを排除することが怖い。
 以下、質問。「日本国憲法の3本柱の基本的人権の尊重が、前文に明記されていないのはなぜ?」

増田から
 そうですね。私は特に、ご指摘を受けるまで、それを意識したことはないのですが、前文第一段落にある「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理」とは、リンカーンの『人民の、人民による、人民のための政治』を謳ったものといわれていますので、主権者国民が『公権力者』に『国民に幸福&利益を享受させよ』と、与えたものが日本国憲法である、というところから、当然、『基本的人権の尊重』が、ここに入っているもの、と教えてきました。
 皆さんは、どう、考えますか? これについて意見をお出しいただけたら・・・


⑦ 『憲法を守る』というのは、政治家が国民に憲法を守らせようとすることではなくて、国民が政治家に憲法を守らせようとすることだなんて、日本国民は誰も知らないのでは?
 いまから38年前の私の中学時代の社会科の宿題が『天皇がいたほうがいいことは何か』というものでした。「家の人とよく相談して」という条件でしたが、私は確か「外国と仲良くすることに役立っている」というような答えを出したと思います。今日の授業で理解できたことは、そういう「外交をする」というのも『憲法違反』なのですね。
 権力=公務員というのが、よく理解できました。しかし、現代の権力はそれだけではなく、財界といわれている人たちや、マスコミ、それに政党などが本当の権力を持っているように思えます。これらに対抗できる「主権者」というものの存在に気づかせないことが、「教育(文部省の学習指導要領)」の狙いで、そうさせないための47年教育基本法であったはずのものが、ことごとく機能してこなかったことに改めて驚いています。
 「主権者」というものが「対立するもの」と対比して、初めて、本当の意味が見えてきた感じがしました。これに比べれば、今までは、ただ「国民主権」という言葉を知っていただけかもしれません。「対立するもの」が、どんなことをするのか、あるいはしてきたか、の見本が、権力の意に反して真実を教えた教員に対して、次から次へと行われている一連の憲法違反の弾圧なのではないでしょうか。

増田から
 そうですね。「憲法尊重擁護義務」者として憲法に明記してあるのは「国家権力=公権力を持つ者たち=天皇以下、全ての公務員」であって、言われるように、そのバックには「社会的権力」たる財界、マスコミ界がある、というのは、そのとおりです。そして、残念ながら、主権者教育が政府文部省の学習指導要領によって、陰に陽に妨害されてきた結果、「主権者としての自覚を持たされないで大人になった国民たち」が育ちあがってきている現状がある、と私は思います。


⑧ 日本国民は、全ての公務員に憲法を守らせる立場にあるのだ、ということを初めて知った。

コメント    この記事についてブログを書く
« 3.15裁判傍聴者の声 | トップ | 憲法の伝道師(2) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

増田の部屋」カテゴリの最新記事