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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

辺野古、民意を踏みにじる根本的な理由は、2兆5000億円の巨大利権

2018年12月30日 | 平和憲法
 ◆ 辺野古基地の土砂投入という「マウンティング」がこの国に落とす影 (ハーバービジネスオンライン)
選挙ウォッチャー ちだい


 辺野古基地の建設にかかるお金は、約2兆5000億円。よく面積を表現するために使われる東京ドームの建設費が約350億円と言われるので、東京ドーム71個分の税金が辺野古基地に作られることになります。
 各都道府県に新しく2個ずつ東京ドームを作ると考えてもらったら、この土地をめぐる利権がどれくらい大きなものなのかが分かると思いますし、安倍政権、もっと言えば、この辺野古基地のステークホルダーとつながっている議員たちが必死こいて作りたい理由も分かるって話だと思います。
 世界一危険だと言われる普天間基地を撤去するためには「辺野古基地を作るしかない」と言っていますが、実はこれ、「仕事を頑張るためには、休日にはキャバクラで遊ぶしかない」と言っているぐらいに因果関係がありません
 もし「仕事を頑張るためにキャバクラに行く」と言ったら、いろんな人から「ただキャバクラに行きたいだけだろ!」とか「キャバクラに行かなくても仕事を頑張る方法あるだろ!」とかツッコまれると思います。
 同様に、辺野古基地を作るだけが普天間基地を撤去する条件ではないので、これはあくまで辺野古基地を肯定するために作られた口先だけのデタラメです。辺野古基地が完成しても普天間基地の撤去が約束されているわけではありません。
 それはかつて稲田朋美さんが防衛大臣だった時に認められている話です。

 ◆ 沖縄が見せしめにされ萎縮する地方行政

 アメリカ様のために2兆5000億円と言われる税金をかけて辺野古基地の建設が強行されるのは、「地元がどれだけ反対しても俺たちは強行するぞ」という安倍政権のメッセージです。
 沖縄の人たちに「テメエらがどれだけ騒いでも関係なく工事するからな」というメッセージを送るとともに、実は、全国の自治体「沖縄を見ろ、逆らってもこうなるんだからな」というメッセージを送っています。
 そのため、先週から今週にかけて、さまざまな自治体の選挙が行われましたが、本来なら争点になるべきものが争点になりませんでした。
 12月16日には佐賀県知事選が行われましたが、ここでは佐賀空港にオスプレイを配備する計画があり、今年2月に自衛隊ヘリが民家に墜落し、パイロットが死亡する事故が起こったのに、これが進められる計画になっています。
 同日の逗子市長選でも米軍住宅周辺の開発問題が横たわっていますが、まったく争点にならないまま。
 12月23日に行われる宮崎県知事選では、新田原の自衛隊基地に米軍のための弾薬庫を建設する計画があり、さらにF35戦闘機やオスプレイが配備される計画になっているのですが、これも争点にならないまま無風の選挙になっています。
 自民・公明・立憲民主・国民民主・社民・希望・連合宮崎が推薦する現職の河野俊嗣さんは、米軍のための弾薬庫について「国が決めること」という姿勢を貫き、県として抗議するつもりはないようです。
 このように、辺野古基地がもたらす影響は沖縄のみならず、実は全国に波及しているということを僕たちは知らなければなりません。
 ◆ 軟弱地盤の指摘も無視した政府の強行

 辺野古基地の建設予定地は「マヨネーズのような軟弱地盤」と言われているところです(参照:辺野古新基地、地盤が軟弱か? 専門家「マヨネーズ並みの軟らかさの可能性」指摘ーー沖縄タイムス)。
 こんな所に大量の土砂を運び込み、人工的に埋め立てて滑走路を作っても、やがて地盤沈下して使い物にならなくなることが目に見えています。
 今年の夏の台風で、関西国際空港は高波で浸水し、一時的に空港が閉鎖される事態に見舞われましたが、あの原因は「台風が大きかったから」ではなく「堤防が10年以上も国の基準を満たしていなかったから」だったことが今さらながらに発覚しました(参照:関空護岸、10年超も基準未達 かさ上げ工事が不十分ーー産経新聞)。
 10年かけて地盤沈下し、このままでは海抜より低い空港になってしまう可能性すらあるのです。
 普通の海に作ってコレなので、「マヨネーズのような軟弱地盤」と言われる場所に大量のコンクリートを敷き、滑走路を作れば地盤沈下をして、関西国際空港のように台風のたびに浸水して使い物にならない基地になる可能性は否定できません。
 「こんな使い物にならないんだったら普天間基地を使わせてもらうわ!」と言われたら、それで終わりです。
 誰でも簡単に想定できることを想定しないのは、しっかり機能する基地を作るつもりは最初からなくて、巨額の税金を投じて基地を建設できればそれでいいからです。
 どれだけ欠陥だらけの頭の悪い基地が出来上がっても、「こんなに使い勝手の良い基地はない」と大本営発表をすればいい。
 これは大量の税金をかけて作り、今まで以上に劣悪な環境になり、仲卸業者の商売が激減している「豊洲市場」とまったく同じ構造です。
 「アメリカ様によるリクエスト」という印籠を見せ、2兆5000億円の税金を投じる安倍政権。
 彼らはひょっとして「公共工事を作り出しているのだから景気が回復するだろう」みたいなことを考えているのかもしれませんが、それはみんなが等しく分け合った時代の話。今は大手企業が独占してしまうので、公共工事は一部の会社しかウマウマできず、景気の回復にはつながらないのです。
 ◆ 仮に木更津に基地ができるとしたら?

 僕は千葉県民ですが、例えば同じ県内の木更津に米軍基地ができるとして、辺野古基地に反対する人たちのように熱心に反対をするかと聞かれたら、たぶん、そこまですることはないだろうと思うのです。
 木更津にはオスプレイが配備される計画になっていますが、木更津の上を事故率の高いオスプレイが飛び交うことになっても、「アウトレットモールがあったり、学校があるのに飛ばしたらいかん!」とプラカードを持って基地の前に行くかと言われたら、そこまでではありません。オスプレイのような欠陥軍用機が飛ぶことには反対であるものの、基地の前でプラカードを持つほどではない。
 この感覚をそのまま沖縄に当てはめた時、多くの人が辺野古基地の前で抗議をするほど反対ではなかったとしても不思議ではないし、沖縄の人たちに「どうしてもっと辺野古基地の前に来ないんだ」とも思わなくなります。
 もちろん、自分の家の上をオスプレイが飛び回り、うるさい上に部品を落とされる可能性があるとなったら基地の前で抗議をするかもしれないし、米兵が関わる事件に巻き込まれた被害者の家族だったら、基地の前でプラカードを持つかもしれません。
 辺野古基地のまわりに集まっている人たちが、まるで「左翼活動家」だったり、あるいは外国人だったりするような印象操作を続けるネトウヨがいますが、そんなことはありません。
 多くの人が「辺野古基地がない方がいいけれど、基地でプラカードを持って抗議をするほどではない」という中で、抗議をしている人たちはこの基地問題が「他人事」ではなく「自分事」であるだけです。
 沖縄の歴史を見れば、つい2年前にだって女子大生が米軍関係者の男性にレイプされた末に殺害される事件が起こっているわけですし、その前はこんな事件がもっとたくさんありました。
 米軍機が墜落したり、部品が落下するような事故だって起こっていて、そういう歴史の積み重ねから基地の前で反対する人たちが増えたと言えます。
 ◆ 「自分事」だから反対している

 よく考えてみれば、大浦湾の美しい海を埋め立てて基地を作るのは「日本を守るため」と言っているのですから、どうせ守るなら首都圏を守るべきであり、どうして東京に基地を作らないのかという話になります。
 東京の海は汚いし、既にたくさんの工業廃水で泳げるような環境でもないのですから、わざわざ美しい珊瑚の海を破壊し、守るべき生態系を壊してまで米軍基地を作るぐらいだったら、いっそのこと東京の海に作ってしまえばいいのです。
 日本を守るという意味で言うなら、日本の中枢となっている東京をまず守るべきであり、東京に基地を作るのが最も理にかなっているのに、わざわざ沖縄に基地を作る理由は「基地は沖縄にあればいいから」であり、「本土の基地を減らすために沖縄に押し付けたから」です。
 これを沖縄の人たちは「沖縄は差別されている」と感じるのです。
 しかも、差別しているのが一般人なら「どうしようもない奴もいる」ということで話は片付くかもしれませんが、日本の国会で仕事をしている政治家が率先してやっているのです。実はけっこう深刻な話なのです。
 ◆ 外野でアホなことを言う「ゆ党」議員

 下地幹郎さんは、比例九州ブロックで選出されている「日本維新の会」の議員です。日本維新の会は、昨今の水道法改正案や出入国管理法の改正案などに自民党や公明党と一緒になって、ことごとく賛成している政党です。
 本人たちは与党と野党の「いいところ取り」をしているため、政策は完璧に安倍政権の補完勢力なのですが、涼しい顔をして「自分たちは野党だ」という主張をするのです。例えば、足立康史さんはこんなツイートをしています。
足立康史
@adachiyasushi
小沢代表「もう一度政権交代し、次世代にバトンタッチ」https://www.asahi.com/articles/ASLDD6KVMLDDUTFK02D.html
野党は自民党に比べると、もう子どもみたいだ。あのときあの野郎こうしたとかああしたとか、あいつはこうだったとかどうだったとか、くだらんことでなかなか大同団結できない…

本当に野党はどうしようもない。
 “野党は自民党に比べると、もう子どもみたいだ。あのときあの野郎こうしたとかああしたとか、あいつはこうだったとかどうだったとか、くだらんことでなかなか大同団結できない…本当に野党はどうしようもない。”(足立康史議員の12月12日のツイート)
 「野党がどうしようもない」と言うけれど、「オマエも野党だろ!」ということになりますが、本人たちはすっかり「与党気分」なので、べつに何かを握っているわけでもないのに与党気分を味わい、野党のことを見下しているわけです。
 こういう奴が一番どうしようもないと思うのですが、本人たちに「これが恥ずかしいことだ」という自覚はまったくないので、真ん中に大きなクマさんがデザインされたTシャツを着て、アソコがモッコリしちゃうようなピッチピチの半ズボンを穿き、触覚の先にLEDライトがついているカチューシャをつけて表参道を歩き、「最近の表参道をオシャレぶって歩いている奴とかセンス悪くない?」と言っているようなものです。
 人差し指を顔面の1センチまで近づけて「オマエだよ!」と言ってやりたくなります。
 ◆ 政府との交渉は「簡単」だと豪語した下地幹郎議員

 こんなダサいメンタルのオジサンたちが議員をやっているもので、このたびの強行された土砂投入について、九州・沖縄ブロック選出の下地幹郎さんが玉城デニー知事を批判していたのですが、こんなことを言っていました。
下地ミキオ
@mikioshimoji
国にお願いをするだけの沖縄県知事のスタイルは終わりにするべきです。
朝はお願いをし、昼には抗議する。
そのようなことはしなくても良いのではないかという思いになります。
政府と戦うことは簡単なのに、こういうことをしているようでは駄目です。
しかし、仕方ないのかな、という思いです。
22:04 - 2018年12月13日
 “国にお願いをするだけの沖縄県知事のスタイルは終わりにするべきです。朝はお願いをし、昼には抗議する。そのようなことはしなくても良いのではないかという思いになります。政府と戦うことは簡単なのに、こういうことをしているようでは駄目です。しかし、仕方ないのかな、という思いです。”(下地ミキオ議員の12月13日のツイート)
 そんなに簡単ならオマエが戦えよ!
 沖縄の声を代弁するわけでもなく、そのために玉城デニー知事と協力するわけでもなく、「政府と戦うことは簡単」と言ってしまうメンタル。
 どこぞのブサイクなアイドルオタクのオッサンが「アイドルを口説くのは簡単だ」と言っているのと同じです。
 「オマエと握手した後のアイドルがいつもより念入りに薬用ハンドソープで手を二度洗いしていることに気付けよ、オッサン!」って話なので、こんな恥ずかしい奴から「アイドルは恋愛禁止だから恋に飢えていて甘い言葉に弱いんだ」とか言われても、オッサンの話には1ミリも聞く価値がございません。「黙ってCDだけ買っておけ!」です。
 しかし、沖縄をはじめ、日本全国の政治家が今ではこんな感じなので、みんなが政治や選挙に興味を失い、どうしようもない連中ばかりが議員になってしまった代償は、とっても大きいと言わざるを得ません。
 ◆ 目先の利権に溺れて豊かな国土未来を失う愚

 これから数年かけて辺野古基地の建設工事が始まります。最終的に2兆5000億円かかるという建設工事費は、群がる土木関連企業の皆様にとって、大変ありがたい利権です。
 もともと山の中に作られる計画だった辺野古基地を、もっと儲かる利権に変えようと海を埋め立てるものに変えたのは、アメリカ軍ではなく、日本の政治家です。
 美しい海を破壊することに何の罪悪感も抱かなくなり、世界はリアルな戦争から経済戦争へと形を変えようとしている中で、世界に通用する最先端の技術開発に税金を投じるのではなく、米軍基地建設という経済戦争にとっては何のプラスでもないどころかマイナスになる出費を重ねる時代錯誤の日本。
 本当は沖縄の民意を踏みにじってまでやるほどのことではないのに、目先の金儲けのためなら世界の経済戦争に敗れたとしても気にしない日本のメンタルは、相当ヤバいところまで来ていると思います。
 この経済戦争に敗れると、たとえ血を流すことがなかったとしても、国民が高い税金や高い食費に苦しみ、生き地獄のような生活をしなければならなくなるのに、目に見えない戦いの時代に対応できず、いつまでも戦闘機の発着陸に夢中の日本。
 どうしてこんな時代遅れなことが起こっているのかと言えば、パソコンも使えない、USBも知らないようなジジィがサイバーセキュリティー担当大臣をやっているような国だからです。
 <取材・文・撮影/選挙ウォッチャーちだい(Twitter ID:@chidaisan)>
 ちだい●選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材活動を行う。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどをTwitterやnote「チダイズム」を中心に公開中。立候補する方、当選させたい議員がいる方は、すべてのレポートが必見。
 選挙ウォッチャーちだい

『ハーバー・ビジネス・オンライン』(2018.12.17)
https://hbol.jp/181422

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