◆ 根津公子の都教委傍聴記(2014.4.24)
~寄せられた都民の声をどう受け止めたの?

*写真は定例会前のチラシまき。石原「僕歌わない」プラカードが大活躍。
この日の議題に入学式での「君が代」不起立処分案件2件があったはずですが、24日夕刻現在、処分発令はされていません。
公開議案は、①東京都いじめ防止対策推進条例の立案依頼について。
報告が②東京都いじめ防止対策推進施策について
③平成25年度指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等及び平成25年度条件付き採用教員の任用について
④都民の声(教育・文化)について(平成25年度下半期・10~3月)
⑤平成26年度東京都立高等学校入学者選抜における採点の誤りについて 等。
① は、国のいじめ防止対策推進法の成立を受けて、都教委作成のいじめ防止対策推進条例案を6月都議会にかけるというもの。
① が成立した後、いじめ防止のために都教委、区市町村教委、各学校が取り組むべきことについてが②の報告だった。
たいそうな条例や施策をつくればいじめが根絶できるものではない。
子どもたちは大人のいじめを見て真似ていくことくらい誰にだってわかるはず。
都教委のすべきことは、学校内での大人のいじめを止めること。
校長が教員を怒鳴り、パワーハラスメントをする、都教委が「君が代」不起立処分をする。これらのいじめを止めるのが都教委のすべきことである。
③の「指導力不足等教員」について都教委は、「業績評価が悪い者を『指導に課題がある教員』として掘り起こしていくことを考える」とも言った。
「君が代」不起立教員に対し、都教委は評価項目4つのうちの一つの「学校運営」を「C(以下)」にするよう校長に指導している中でのこの発言は、非常に気になる。
また、「条件付き採用教員の任用」では、昨年度も新採用教員のうちの2.7%=79人が不採用とされた。
校長から目をつけられた人は、ほとんどが自主退職に追い込まれる。まったくひどいものだ。
そうした中、今年もそれを拒否し、免職にされた人が1人いる。これまでに免職にされた人の話を聴くと、校長の当たり外れで不採用にされるのではないかと思われるケースが目立つ。
毎年3%前後の新採用教員が不採用とされている現実を見れば、この制度が、首にされないよう、校長の指示に忠実に従うべきことを新採用教員に叩き込むものであることは明白だ。
本来ならば、すべての教職員組合が取り組むべき課題であるにもかかわらず、これに取り組んでいる組合は少数組合のみという悲しい現実がある。
新採用教員に対し、適切な指導ができなかった校長の指導力はなぜ、問わないのか。
新採用教員に対する指導の中にも、子どもたちの面前で校長や指導教諭が新採用教員を罵倒することがあることも耳にする。
これも子どもたちへの、いじめの奨励ではないのか。
④は都教委に寄せられた苦情・要望、請願、陳情・要請の件数、内訳の報告。
苦情・要望では、
○大雪のために中止となった「中学生『東京駅伝』大会の延期開催を求めるもの」が227件あった他は、
○「君が代」不起立処分等に関するものが183件(うち、ほとんどが、不起立処分に反対する内容)、
○「『はだしのゲン』の撤去または自由な閲覧を求めるもの」が152件。
請願では、
○「『はだしのゲン』の撤去または自由な閲覧を求めるもの」が119件、
○「都立高校日本史教科書採択について」が74件、
○請願の全てが教育委員長をはじめ教育委員によって検討されることを求める「東京都教育員会請願処理規則の一部改正について」が65件。
陳情・要請では、
○「教職員」に関するもの22件が最多であり、そのうちの20件が「君が代」不起立処分について、ということだった。
これらすべては、教育委員の仕事を問うものであるのにもかかわらず、誰からも発言がなかった。肝心なことになると、口を閉ざす人たちだ。
寄せられた都民の声をどう受け止めたのかを委員たちは発言する義務があるだろうに、そして、公開の定例会で論議する義務・道義的責任があるだろうに、なぜ、それをしないのか。
このことを回避して、東京の教育に責任を持つ仕事はできないはずだ。
教育委員の皆さん、そうではないですか。
⑤は、4月10日に荻窪高校で8名の答案に採点の誤りがあったことが判明。それを受けて、すべての都立高で点検した結果、48校、139件の誤りが判明したとの報告。
「1人が採点したものを3人がチェックする。採点期間は3日間。」と事務方の説明。都立高の退職教員の話では、以前は授業をやめて採点時間をつくっていたのに、現在は授業の合間に採点をするのだという。授業の合間の採点なんて、間違いが起きても不思議ではない。
「3日間」については、木村委員長から「それも問題だ」との発言があった。
「採点ミスを行った者に対し、厳重な○○を」(○○は聞き取れず)と発言した教育委員がいたが、その前に「授業の合間の採点」を強いている都教委のやり方、それをさせている責任者を問題にすべきなのだ。
教員上がりの指導主事・管理主事には、採点がどれほどの重労働であるかはわかっていたはずであり、それを放置した無責任さが問われねばならない。
都教委は、教育委員も事務方も、自己に厳しく向き合ってもらいたいと思う、定例会であった。
『レイバーネット日本』(2014-04-24)
http://www.labornetjp.org/news/2014/0424nezu
~寄せられた都民の声をどう受け止めたの?

*写真は定例会前のチラシまき。石原「僕歌わない」プラカードが大活躍。
この日の議題に入学式での「君が代」不起立処分案件2件があったはずですが、24日夕刻現在、処分発令はされていません。
公開議案は、①東京都いじめ防止対策推進条例の立案依頼について。
報告が②東京都いじめ防止対策推進施策について
③平成25年度指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等及び平成25年度条件付き採用教員の任用について
④都民の声(教育・文化)について(平成25年度下半期・10~3月)
⑤平成26年度東京都立高等学校入学者選抜における採点の誤りについて 等。
① は、国のいじめ防止対策推進法の成立を受けて、都教委作成のいじめ防止対策推進条例案を6月都議会にかけるというもの。
① が成立した後、いじめ防止のために都教委、区市町村教委、各学校が取り組むべきことについてが②の報告だった。
たいそうな条例や施策をつくればいじめが根絶できるものではない。
子どもたちは大人のいじめを見て真似ていくことくらい誰にだってわかるはず。
都教委のすべきことは、学校内での大人のいじめを止めること。
校長が教員を怒鳴り、パワーハラスメントをする、都教委が「君が代」不起立処分をする。これらのいじめを止めるのが都教委のすべきことである。
③の「指導力不足等教員」について都教委は、「業績評価が悪い者を『指導に課題がある教員』として掘り起こしていくことを考える」とも言った。
「君が代」不起立教員に対し、都教委は評価項目4つのうちの一つの「学校運営」を「C(以下)」にするよう校長に指導している中でのこの発言は、非常に気になる。
また、「条件付き採用教員の任用」では、昨年度も新採用教員のうちの2.7%=79人が不採用とされた。
校長から目をつけられた人は、ほとんどが自主退職に追い込まれる。まったくひどいものだ。
そうした中、今年もそれを拒否し、免職にされた人が1人いる。これまでに免職にされた人の話を聴くと、校長の当たり外れで不採用にされるのではないかと思われるケースが目立つ。
毎年3%前後の新採用教員が不採用とされている現実を見れば、この制度が、首にされないよう、校長の指示に忠実に従うべきことを新採用教員に叩き込むものであることは明白だ。
本来ならば、すべての教職員組合が取り組むべき課題であるにもかかわらず、これに取り組んでいる組合は少数組合のみという悲しい現実がある。
新採用教員に対し、適切な指導ができなかった校長の指導力はなぜ、問わないのか。
新採用教員に対する指導の中にも、子どもたちの面前で校長や指導教諭が新採用教員を罵倒することがあることも耳にする。
これも子どもたちへの、いじめの奨励ではないのか。
④は都教委に寄せられた苦情・要望、請願、陳情・要請の件数、内訳の報告。
苦情・要望では、
○大雪のために中止となった「中学生『東京駅伝』大会の延期開催を求めるもの」が227件あった他は、
○「君が代」不起立処分等に関するものが183件(うち、ほとんどが、不起立処分に反対する内容)、
○「『はだしのゲン』の撤去または自由な閲覧を求めるもの」が152件。
請願では、
○「『はだしのゲン』の撤去または自由な閲覧を求めるもの」が119件、
○「都立高校日本史教科書採択について」が74件、
○請願の全てが教育委員長をはじめ教育委員によって検討されることを求める「東京都教育員会請願処理規則の一部改正について」が65件。
陳情・要請では、
○「教職員」に関するもの22件が最多であり、そのうちの20件が「君が代」不起立処分について、ということだった。
これらすべては、教育委員の仕事を問うものであるのにもかかわらず、誰からも発言がなかった。肝心なことになると、口を閉ざす人たちだ。
寄せられた都民の声をどう受け止めたのかを委員たちは発言する義務があるだろうに、そして、公開の定例会で論議する義務・道義的責任があるだろうに、なぜ、それをしないのか。
このことを回避して、東京の教育に責任を持つ仕事はできないはずだ。
教育委員の皆さん、そうではないですか。
⑤は、4月10日に荻窪高校で8名の答案に採点の誤りがあったことが判明。それを受けて、すべての都立高で点検した結果、48校、139件の誤りが判明したとの報告。
「1人が採点したものを3人がチェックする。採点期間は3日間。」と事務方の説明。都立高の退職教員の話では、以前は授業をやめて採点時間をつくっていたのに、現在は授業の合間に採点をするのだという。授業の合間の採点なんて、間違いが起きても不思議ではない。
「3日間」については、木村委員長から「それも問題だ」との発言があった。
「採点ミスを行った者に対し、厳重な○○を」(○○は聞き取れず)と発言した教育委員がいたが、その前に「授業の合間の採点」を強いている都教委のやり方、それをさせている責任者を問題にすべきなのだ。
教員上がりの指導主事・管理主事には、採点がどれほどの重労働であるかはわかっていたはずであり、それを放置した無責任さが問われねばならない。
都教委は、教育委員も事務方も、自己に厳しく向き合ってもらいたいと思う、定例会であった。
『レイバーネット日本』(2014-04-24)
http://www.labornetjp.org/news/2014/0424nezu
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