『週刊現代』(2011年7月16・23日号より)
▼ 放射能汚染に新事実、この数値を見よ!
スーパーホットスポットを次々発見 全国1000ヵ所を独自調査〈後編〉
●高濃度汚染地帯 流山・柏・松戸をさらに細かく調査
●意外な数値が!東京・文京区、目黒区、足立区の詳細
●観光地の厳しい数値 日光・ロマンチック街道、那須、軽井沢、世界遺産・平泉
●汚染隠しの疑惑ほか
「私の街は大丈夫でしょうか?」?本誌が独自調査を始めて以来、読者からの問い合わせが殺到している。思わぬ場所に潜むホットスポット。正確な情報を持つ以外に、私たちが対抗する術はない。
柏の葉公園の滑り台下
岩手県平泉町---。
6月25日に世界文化遺産の登録が決まったばかりの同町には、観光客がいま大挙押し寄せている。
JR平泉駅を降りると、いたるところに「祝平泉世界遺産登録決定」の幟が見える。世界の観光名所に名を連ねたことで、地元は喜びに沸いている。
しかし、地元民も観光客も知らない事実がある。
平泉駅前ロータリーの街路樹の下で、本誌記者はガイガーカウンター(線量計)のスイッチを入れた。
0.47、0.54、0.65・・・。
約30秒ごとに更新される値は、いずれも0・4マイクロシーベルト/時(以下、単位はすべて同じ)を超えている。画面の背景が黄色く変わり、「HIGH」の文字が危険を知らせる。
同町でもっとも有名な観光地は、言わずとしれた中尊寺金色堂だ。奥州藤原氏ゆかりの寺は国宝にも指定されている。記者が訪れた夕方5時は拝観終了の時刻にもかかわらず、たくさんの参拝客が駆け足で入っていく。
金色堂前の植え込みを計測した。
0.88---。
住宅地なら、避難を考えたほうがよいレベルの線量だ。他の場所も高い。
・参道入り口 0.75
・釈迦堂前 0.45
・阿弥陀堂前 0.36
・能楽殿前 0.64
・本堂前 0.57
・参道駐車場 0.77
ここまで調べれば、もう結論は出ている。
新世界遺産・平泉は、放射能に汚染されているのである。
この事実を駅前の商店主に知らせると、心底驚いた顔をした。
「ウソでしょう。だってここは福島(第一原発)から150km以上離れてるんだよ。ここより近い山形や米沢、仙台市内だって線量は高くないのに、平泉が高いなんてありえない」
本誌とて、せっかくの世界遺産ブームに水を差すために来たわけではない。だが、世界に知られる観光地になったからこそ、汚染されている事実に目をつぶることもまた、できない。
表を参照してほしいが、近くの栗駒山いわかがみ平で2.17、奥州市で1.35という驚くべき値が出ているからなおさらだ。
本誌はこれまで2週にわたり、全国の放射線量を独自に計測してその数値を公開してきた。調査したスポットは1000ヵ所以上にのぼる。読者からは、
「私の住んでいる街も測ってほしい」
と訴える電話が殺到し、人々の放射能への関心、いや恐怖がいかに強いかを改めて認識した。
これまでの取材や識者の見解を踏まえて、放射線量は0・19がひとつの安全基準で、それ以上なら要注意、0.60を超えたら避難も検討したほうがよい、と本誌は提言している。
前号では全国500ヵ所の実測データを掲載し、0.19はもちろん、0.60を超えるホットスポットを広いエリアで観測したことを報じた。
実は全国には、まだまだ知られざるホットスポットがある。平泉のように、これまで報じられたこともないのに0.8を超えるような「スーパーホットスポット」も存在する。今号はそうした超高線量地点を中心に、引き続き独自調査の結果を報告していく。
編集部にかかってくる電話でもっとも多いのが、柏市、流山市など千葉の高濃度汚染地帯に住む人々からの不安の声だ。東葛地区と呼ばれるこのエリアは、調査中に住民から声をかけられることが多い。
今回の調査でも、柏市の新たなスーパーホットスポットが次々に見つかった。
つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅。東京大学や千葉大学のキャンパスが近い、新興住宅地兼文教地区だ。
駅前ロータリーのアスファルト地上1mが0.51。地表面が0.75。十分に高いが、線量計が激しくアラーム音を発したのは、近くの側溝を計測した時だ。
1.09、1.32と数値が上がっていき、最高で1.68、10回計測した平均値も1.47と、軽々と1を超えてしまった。画面には真っ赤な「DANGEROUS(危険)」の文字が躍る。
駅には複合商業施設「ららぽーと柏の葉」が隣接しているが、そこで会った30代の主婦はこう話した。
(続きは ↓ で)
『現代ビジネス』
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11933
《全国1000ヶ所放射線量独自調査ホットスポット》一覧表
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11933?page=7
▼ 放射能汚染に新事実、この数値を見よ!
スーパーホットスポットを次々発見 全国1000ヵ所を独自調査〈後編〉
●高濃度汚染地帯 流山・柏・松戸をさらに細かく調査
●意外な数値が!東京・文京区、目黒区、足立区の詳細
●観光地の厳しい数値 日光・ロマンチック街道、那須、軽井沢、世界遺産・平泉
●汚染隠しの疑惑ほか
「私の街は大丈夫でしょうか?」?本誌が独自調査を始めて以来、読者からの問い合わせが殺到している。思わぬ場所に潜むホットスポット。正確な情報を持つ以外に、私たちが対抗する術はない。
柏の葉公園の滑り台下
岩手県平泉町---。
6月25日に世界文化遺産の登録が決まったばかりの同町には、観光客がいま大挙押し寄せている。
JR平泉駅を降りると、いたるところに「祝平泉世界遺産登録決定」の幟が見える。世界の観光名所に名を連ねたことで、地元は喜びに沸いている。
しかし、地元民も観光客も知らない事実がある。
平泉駅前ロータリーの街路樹の下で、本誌記者はガイガーカウンター(線量計)のスイッチを入れた。
0.47、0.54、0.65・・・。
約30秒ごとに更新される値は、いずれも0・4マイクロシーベルト/時(以下、単位はすべて同じ)を超えている。画面の背景が黄色く変わり、「HIGH」の文字が危険を知らせる。
同町でもっとも有名な観光地は、言わずとしれた中尊寺金色堂だ。奥州藤原氏ゆかりの寺は国宝にも指定されている。記者が訪れた夕方5時は拝観終了の時刻にもかかわらず、たくさんの参拝客が駆け足で入っていく。
金色堂前の植え込みを計測した。
0.88---。
住宅地なら、避難を考えたほうがよいレベルの線量だ。他の場所も高い。
・参道入り口 0.75
・釈迦堂前 0.45
・阿弥陀堂前 0.36
・能楽殿前 0.64
・本堂前 0.57
・参道駐車場 0.77
ここまで調べれば、もう結論は出ている。
新世界遺産・平泉は、放射能に汚染されているのである。
この事実を駅前の商店主に知らせると、心底驚いた顔をした。
「ウソでしょう。だってここは福島(第一原発)から150km以上離れてるんだよ。ここより近い山形や米沢、仙台市内だって線量は高くないのに、平泉が高いなんてありえない」
本誌とて、せっかくの世界遺産ブームに水を差すために来たわけではない。だが、世界に知られる観光地になったからこそ、汚染されている事実に目をつぶることもまた、できない。
表を参照してほしいが、近くの栗駒山いわかがみ平で2.17、奥州市で1.35という驚くべき値が出ているからなおさらだ。
本誌はこれまで2週にわたり、全国の放射線量を独自に計測してその数値を公開してきた。調査したスポットは1000ヵ所以上にのぼる。読者からは、
「私の住んでいる街も測ってほしい」
と訴える電話が殺到し、人々の放射能への関心、いや恐怖がいかに強いかを改めて認識した。
これまでの取材や識者の見解を踏まえて、放射線量は0・19がひとつの安全基準で、それ以上なら要注意、0.60を超えたら避難も検討したほうがよい、と本誌は提言している。
前号では全国500ヵ所の実測データを掲載し、0.19はもちろん、0.60を超えるホットスポットを広いエリアで観測したことを報じた。
実は全国には、まだまだ知られざるホットスポットがある。平泉のように、これまで報じられたこともないのに0.8を超えるような「スーパーホットスポット」も存在する。今号はそうした超高線量地点を中心に、引き続き独自調査の結果を報告していく。
編集部にかかってくる電話でもっとも多いのが、柏市、流山市など千葉の高濃度汚染地帯に住む人々からの不安の声だ。東葛地区と呼ばれるこのエリアは、調査中に住民から声をかけられることが多い。
今回の調査でも、柏市の新たなスーパーホットスポットが次々に見つかった。
つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅。東京大学や千葉大学のキャンパスが近い、新興住宅地兼文教地区だ。
駅前ロータリーのアスファルト地上1mが0.51。地表面が0.75。十分に高いが、線量計が激しくアラーム音を発したのは、近くの側溝を計測した時だ。
1.09、1.32と数値が上がっていき、最高で1.68、10回計測した平均値も1.47と、軽々と1を超えてしまった。画面には真っ赤な「DANGEROUS(危険)」の文字が躍る。
駅には複合商業施設「ららぽーと柏の葉」が隣接しているが、そこで会った30代の主婦はこう話した。
(続きは ↓ で)
『現代ビジネス』
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11933
《全国1000ヶ所放射線量独自調査ホットスポット》一覧表
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/11933?page=7
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