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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

コロナ禍の下での卒業式の様子(千葉県立高校)

2020年04月07日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 卒業式で、初めて「君が代」不起立ができなかった!訳
   K高校分会 IS


 この1年、式の前と式の後で行われる「一同御起立」による式場正面の日の丸への「一同礼」に反対してきた。
 総務部から職員会議に提案された卒業式の実施要項と式次第には「一同御起立」がないので、「式次第になく、教育目的も明らかでないことを生徒に強要することはやめましょう」と審議を求めた。
 それに対して、他の職員からは全く発言がなく(不気味な沈黙だけ)、したがって当然ながら反対意見はなかったのだが、校長は「生徒・保護者・職員、参加者一同が式をしっかりやりましょうという趣旨で今まで通り行う」と決済した。
 しかし、新型コロナが拡大していくなか、2月下旬になってIOC委員からオリンピック中止の可能性を示唆した発言が出ると、それに慌てた安倍が唐突に学校休校の要請を行った。これによって卒業式のやり方が、K高校でも見直されることになったのである。
 当初、K高では予餞会と卒業式予行は中止するものの、卒業式は従前どおり実施することとされていた。
 しかし、県から感染リスクへの配慮が求められると、在校生の不参加が決められた。この段階では保護者にとって大切な行事であるということで、保護者の参加は認められていたのである。
 しかし、県の更なる指導があり、臨時の打ち合わせが行われ、保護者も不参加となった。
 そのとき、駄目と思いつつも「『君が代』斉唱は飛沫感染のリスクを高めるので、生徒の安全を考えてやめてもらいたい」と提案した。
 管理職は「検討する」と答えたものの、実現は難しいだろうと考えていた。
 このときは卒業生と職員だけが式に参加し、不要不急なものは省略するということだけを確認して、式の流れについて最終的な確認がなされないまま、当日を迎えることになった。
 入場行進もせず、体育館いっぱいにパイプ椅子を並べて生徒間の十分な距離を保って着席した形から、卒業式は始まった。
 まず、いきなり教頭が演台に歩み寄り、開式の言葉を述べた。
 そのとき私は初めて「一同御起立」と正面への「一同礼」がないことに気がついた。
 続けて校長の式辞が始まってしまった。何と「国歌斉唱」どころか演奏すらなかったのである。
 証書を受け取った卒業生代表が自主的に全員に向かって言葉をかけた後、教頭が閉式の辞を述べて終わった。
 この間15分ほど。

 校長の式辞がやや長かったものの、非常に簡潔で、爽やかさすら感じられる式であった。そして、生徒たちは教室で卒業証書を受け取るべく、三々五々引き上げていった。
 そのとき、自分が起立したのは開式と閉式の時だけだったことに気がついた。こうして、私は「君が代」不起立ができなかったのである。
 振り返ると、「一同御起立」どころか「君が代」もなくなってしまった卒業式であった。
 職会でいくら提案してもなくならなかった「一同御起立」だったのだが。図らずも、新型コロナウイルスによって、近代国家が形成してきたナショナルなものが不要不急な存在であることが示された、ということだろうか。
 ※ 追記:他校の状況を聞いたところ、驚いたことに「君が代」斉唱を強行した高校が多数あったようだ。生徒の安全よりも「君が代」の方が大切らしい。こうした高校で「『君が代』感染」が起こらないことを祈っている。
『ひのきみ通信 第222号』(2020年4月4日)
http://hinokimitcb.web.fc2.com/html/20/222.htm#%E5%8D%92%E6%A5%AD%E5%BC%8F
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