《9・24「君が代」強制大阪府条例はいらん!全国集会・資料》
-子どもの人権を守ろう- 門真三中への「君が代」処分をただす会
ただす会通信『れんこん』(特別号 2011年9月)
■門真三中「君が代」処分取消裁判とは
2008年3月、大阪府門真市の市立門真第三中学校卒業式で、担任団席にいた教職員全員と卒業生の1名をのぞく全員が「君が代」斉唱時に着席しました。卒業式は整然と最後まで行われました。しかし後日、産経新聞が大々的に報道し、右翼のバッシングとともに反動的キャンペーンが行われました。
09年に文書訓告処分を受けた川口さんは、それを不当として裁判闘争を決意し、同年11月2日大阪地裁に提訴しました。川口さんは、「職務命令も出ていない中での不起立に対しての処分。このままでは戦前の教育に戻ってしまう。単に自分だけの問題ではない」と考えて、提訴を決意したと語っています。
そもそもごく当たり前の権利行使として、各自の信条に素直になり不起立をしただけです。この普遍性を府教委や市教委は認めずつぶそうとしているのです。裁判闘争への支援、公判への傍聴をよろしくお願いいたします。
◇ 橋下独裁政治許すな!裁判勝利で反撃ののろしを!
橋下府知事が代表の大阪維新の会は9月21日、「教育基本条例案」と「職員基本条例案」を府議会議長に提出した。維新の会は、府総務部、府教委と実施した意見交換を受け、両条例案を若干修正した。
教育条例案では正副校長の公募の見直し、教員の人事評価で学校単位の相対評価をあらため、府立公の全教員を対象にする方式に変更。職員条例案では、5回の職務命令違反で免職とした規定などに「標準的な分限処分」と注釈をつけたとされている。
しかし、とんでもない反動法案であることにはまったくかわりはない。
■公教育確壊の集大成
教育条例案は、「日の丸・君が代」強制のための処分条例といわれてきたが、それを遙かに上回る公教育破壊と新自由主義的な教育改悪の満展開である。
条例案では「教育行政における政治の主導」をうたい「教育行政においても橋下の政策がストレートに実現されるもの」とされ、教育の理念は「資本の国際競争力に役立つ人材の育成・供給」にすり替えられている。公教育が目的としていた「この社会の中で共に生きていく力を育む」ことは考慮もされない。
さらに条例案で強調されているのが、目標・評価・マネジメント(管理)の3フレーズである。3年連続で定員割れしたら統廃合。学校評価の結果公表。とりわけ学力テストの結果公表や、校長の目標・評価・管理システムは、教育の目標が学校や教員の生き残りに変わるという結果を招く。
「選択の自由」の名の下で差別、社会的排除も一気に進む。競争力人材を育成する「エリート校」には人と金が集中する。学校間競争の下で、学校は「優等生」を集めたがり、「困難」を抱える児童生徒は敬遠されかねない。
橋下は、教育に従事する人の専門的判断や行為の価値を否定する。教育の専門的自立性を認めない。教育の専門的力量をないがしろにし、保護者との信頼関係を破壊し、校長中心の学校管理体制をつくる。校長中心の管理運営に反対する意志決定は、いかなる会議・場所でもしてはならないというのだから、教師の目は児童生徒の方を向きようもない。まさに公教育の根本的破壊をたくらむものなのだ。
◇ 門真三中裁判の勝利を勝ちとろう
門真三中「君が代」処分取消裁判は、次回9月28日の公判で結審します。公判に向かっての準備書面は原告・被告双方から出されています。
■被告双方の準備書面
門真市(市教委)の主張は大きくは、
①2003年12月4日付「卒業式・入学式における国旗・国家について(通知)」で学校長に「起立斉唱を」指示していた。これを受けて校長は教職員に対して毎年繰り返し周知徹底していた。さらに、原告は斉唱時の起立についても指導を受けていた。
②起立が「敬意」を外部に表明する行為と評価することはできない。
③事情聴取は必要性及び合理性がある、というものです。
大阪府(府教委)は、
①原告の卒業式における行為(不起立、着席)が「不適切な行為」であり、市教委において服務上の措置を行うことが相当と判断して、助言しただけ。
②府教委の事情聴取については年次有給休暇を取って出席しするというのは、「事情聴取の拒否である」と判断した。
双方の主張はこれまで準備書面で出されていたものと全く変わりません。
■原告側、準備書面
これらに対して原告側の準備書面は、すべて反論できるものになっています。
はじめに処分理由が①校長の指導に反して国歌斉唱時に着席したこと。②その後の市教委からの事情聴取を拒否したこと、の2点につきることをしめし、その上で
①校長の指導に反していないこと。
②事情聴取は違法であることを明らかにするものとなっています。
校長の指導はあくまでも例年通り「学習指導要領に則って適切に対応してください」というもので「起立斉唱せよ」という明確な指導を行っておらず、それどころか強制はしてはならないという思いは他の教職員らと同じであるというやりとりが校長と教職員の間で続けられていた事。
またあえて言えば「学習指導要領に則り」という点でも、ここでは斉唱の指導がうたわれており、「着席した」行為は校長の指導に反するものではないこと。
事情聴取拒否についても、3回目までの事情聴取には応じており、そこで問われるべき事は答えている。しかし、市教委の「着席させる指導があったはず」との思惑がはずれるものであるが故に執拗に原告に続けられようとしたものである。
ここでは再度、大泉ブラウス裁判判決(職務命令に従わなかったという形式的側面にのみ着目するのではなく、むしろ原告が本件行為におよんだ意図等については説明する意思のないことを表明する行為としてとらえるべき。そして、非違行為を起こした者がいかに公務員の地位にあるからといって、当然に自己に不利益な事柄の供述を強制されるべきものではない)を引用して事情聴取に応じなかったことを処分理由とする判断が誤りであることを明らかにしている。
原告は、3回までの事情聴取で、生徒に着席を促していないことは説明した。自分自身が着席したことについては質問されなかった。よって4回目委以降の事情聴取は必要ないし、「偏向教育」とのレッテルはりのための圧力を感じて、出席を拒否した。弁護士の同席を要求したが拒否された。このような原告の行為は、大泉ブラウス判決の判示に照らせば、形式的には職務命令に違反するとしても、それが処分を受けるような非違行為であるとはとうてい評価できない。
門真三中「処分」は、橋下が08年2月に知事就任して強行されたものだ。「職務命令」なしでは大阪で初の「処分」だ。橋下知事の反動は、門真三中「処分」ではじまった。裁判闘争に勝利し、広範なたたかいで橋下独裁政治を打ち破ろう!
-子どもの人権を守ろう- 門真三中への「君が代」処分をただす会
ただす会通信『れんこん』(特別号 2011年9月)
■門真三中「君が代」処分取消裁判とは
2008年3月、大阪府門真市の市立門真第三中学校卒業式で、担任団席にいた教職員全員と卒業生の1名をのぞく全員が「君が代」斉唱時に着席しました。卒業式は整然と最後まで行われました。しかし後日、産経新聞が大々的に報道し、右翼のバッシングとともに反動的キャンペーンが行われました。
09年に文書訓告処分を受けた川口さんは、それを不当として裁判闘争を決意し、同年11月2日大阪地裁に提訴しました。川口さんは、「職務命令も出ていない中での不起立に対しての処分。このままでは戦前の教育に戻ってしまう。単に自分だけの問題ではない」と考えて、提訴を決意したと語っています。
そもそもごく当たり前の権利行使として、各自の信条に素直になり不起立をしただけです。この普遍性を府教委や市教委は認めずつぶそうとしているのです。裁判闘争への支援、公判への傍聴をよろしくお願いいたします。
◇ 橋下独裁政治許すな!裁判勝利で反撃ののろしを!
橋下府知事が代表の大阪維新の会は9月21日、「教育基本条例案」と「職員基本条例案」を府議会議長に提出した。維新の会は、府総務部、府教委と実施した意見交換を受け、両条例案を若干修正した。
教育条例案では正副校長の公募の見直し、教員の人事評価で学校単位の相対評価をあらため、府立公の全教員を対象にする方式に変更。職員条例案では、5回の職務命令違反で免職とした規定などに「標準的な分限処分」と注釈をつけたとされている。
しかし、とんでもない反動法案であることにはまったくかわりはない。
■公教育確壊の集大成
教育条例案は、「日の丸・君が代」強制のための処分条例といわれてきたが、それを遙かに上回る公教育破壊と新自由主義的な教育改悪の満展開である。
条例案では「教育行政における政治の主導」をうたい「教育行政においても橋下の政策がストレートに実現されるもの」とされ、教育の理念は「資本の国際競争力に役立つ人材の育成・供給」にすり替えられている。公教育が目的としていた「この社会の中で共に生きていく力を育む」ことは考慮もされない。
さらに条例案で強調されているのが、目標・評価・マネジメント(管理)の3フレーズである。3年連続で定員割れしたら統廃合。学校評価の結果公表。とりわけ学力テストの結果公表や、校長の目標・評価・管理システムは、教育の目標が学校や教員の生き残りに変わるという結果を招く。
「選択の自由」の名の下で差別、社会的排除も一気に進む。競争力人材を育成する「エリート校」には人と金が集中する。学校間競争の下で、学校は「優等生」を集めたがり、「困難」を抱える児童生徒は敬遠されかねない。
橋下は、教育に従事する人の専門的判断や行為の価値を否定する。教育の専門的自立性を認めない。教育の専門的力量をないがしろにし、保護者との信頼関係を破壊し、校長中心の学校管理体制をつくる。校長中心の管理運営に反対する意志決定は、いかなる会議・場所でもしてはならないというのだから、教師の目は児童生徒の方を向きようもない。まさに公教育の根本的破壊をたくらむものなのだ。
◇ 門真三中裁判の勝利を勝ちとろう
門真三中「君が代」処分取消裁判は、次回9月28日の公判で結審します。公判に向かっての準備書面は原告・被告双方から出されています。
■被告双方の準備書面
門真市(市教委)の主張は大きくは、
①2003年12月4日付「卒業式・入学式における国旗・国家について(通知)」で学校長に「起立斉唱を」指示していた。これを受けて校長は教職員に対して毎年繰り返し周知徹底していた。さらに、原告は斉唱時の起立についても指導を受けていた。
②起立が「敬意」を外部に表明する行為と評価することはできない。
③事情聴取は必要性及び合理性がある、というものです。
大阪府(府教委)は、
①原告の卒業式における行為(不起立、着席)が「不適切な行為」であり、市教委において服務上の措置を行うことが相当と判断して、助言しただけ。
②府教委の事情聴取については年次有給休暇を取って出席しするというのは、「事情聴取の拒否である」と判断した。
双方の主張はこれまで準備書面で出されていたものと全く変わりません。
■原告側、準備書面
これらに対して原告側の準備書面は、すべて反論できるものになっています。
はじめに処分理由が①校長の指導に反して国歌斉唱時に着席したこと。②その後の市教委からの事情聴取を拒否したこと、の2点につきることをしめし、その上で
①校長の指導に反していないこと。
②事情聴取は違法であることを明らかにするものとなっています。
校長の指導はあくまでも例年通り「学習指導要領に則って適切に対応してください」というもので「起立斉唱せよ」という明確な指導を行っておらず、それどころか強制はしてはならないという思いは他の教職員らと同じであるというやりとりが校長と教職員の間で続けられていた事。
またあえて言えば「学習指導要領に則り」という点でも、ここでは斉唱の指導がうたわれており、「着席した」行為は校長の指導に反するものではないこと。
事情聴取拒否についても、3回目までの事情聴取には応じており、そこで問われるべき事は答えている。しかし、市教委の「着席させる指導があったはず」との思惑がはずれるものであるが故に執拗に原告に続けられようとしたものである。
ここでは再度、大泉ブラウス裁判判決(職務命令に従わなかったという形式的側面にのみ着目するのではなく、むしろ原告が本件行為におよんだ意図等については説明する意思のないことを表明する行為としてとらえるべき。そして、非違行為を起こした者がいかに公務員の地位にあるからといって、当然に自己に不利益な事柄の供述を強制されるべきものではない)を引用して事情聴取に応じなかったことを処分理由とする判断が誤りであることを明らかにしている。
原告は、3回までの事情聴取で、生徒に着席を促していないことは説明した。自分自身が着席したことについては質問されなかった。よって4回目委以降の事情聴取は必要ないし、「偏向教育」とのレッテルはりのための圧力を感じて、出席を拒否した。弁護士の同席を要求したが拒否された。このような原告の行為は、大泉ブラウス判決の判示に照らせば、形式的には職務命令に違反するとしても、それが処分を受けるような非違行為であるとはとうてい評価できない。
門真三中「処分」は、橋下が08年2月に知事就任して強行されたものだ。「職務命令」なしでは大阪で初の「処分」だ。橋下知事の反動は、門真三中「処分」ではじまった。裁判闘争に勝利し、広範なたたかいで橋下独裁政治を打ち破ろう!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます