◆ 新採教員への退職強要を許すな
/職場の闘いで不当解雇阻止を (教育労働者全国通信)
1月から、2015年度条件附採用の新採教員に対する「自主退職」強要が本格的に始まっている。しかし近年、新採教員の決起と職場の仲間の団結で、退職強要を拒否し解雇を阻止する闘いが全国で広がっている。「一人の首切りも許さない」は労働組合の原点だ。職場の闘いで新採教員の不当な解雇を絶対阻止しよう!
◆ 勇気ある決起が免職攻撃を破綻に
1月15日に行われた退職強要を拒否して解雇撤回を闘っている埼玉の元新採教員の裁判における証人尋問は、解雇の不当性を徹底的に暴く闘いとなった。
解雇当事者=被告側証人である当時の市教育委員会指導主事、校長、教科指導教諭の証言は、すべてが〝これが「教育者」の発言か〟と怒りなしには聞けない暴言の数々だった。
些末なことをあげつらった上に「授業中の声が小さい」「内職をする生徒を注意しない」「同僚とコミュニケーションがとれない」「教員に向いてない」――。これらが彼らの主張する解雇理由である。
原告側弁護士の追求で、指導の記録がほとんどされていないことが証明され、評価がまったく恣意的に行われたことが暴露された。
一体、労働者の解雇をなんだと思っているのか。家族と自分の生活の糧を奪い、未来を奪い、さらに職場と仲間を奪い、労働の誇りを奪う。〝解雇は殺人〟なのだ! こんなことでクビにされてたまるか! 新採教員の勇気ある決起が、明白な不当解雇であることを明らかにした。
06年の第1次安倍内閣の教育基本法改悪に先立つ「条件付教員採用制度の厳格な運用」以降、この埼玉の新採と同様の退職強要と解雇が全国で毎年300人を超えている。「指導力不足」「不適格」と決めつけられ、「自主退職」に追いつめられ、拒否すれば「分限免職」にされてきたのだ。
しかし日教組も全教も、闘わないばかりか「履歴に傷が付くから」と自主退職を進めている。
そんな中で、泣き寝入りを拒否し勇気を持って立ち上がった新採教員と支援の仲間によって、理不尽で不当な解雇が全国でいくつも打ち破られている。一昨年には都立学校で分限免職取り消しの勝利判決がかちとられている。そもそも組合が闘えば必ず打ち破ることのできる攻撃なのだ。
◆ 組合つぶしと教育破壊の攻撃
この攻撃は新採だけにかけられたものではない。人事考課制度や改悪地方公務員法の業績評価による分限解雇と一体の組合つぶしの攻撃だ。
条件付教員採用制度は中曽根の臨時教育審議会で提言され、1988年教育公務員特例法の改悪で、初任者研修の義務づけとそれに伴う条件付採用期間の1年延長が導入された。それは1年の「試用制度」に等しい。そして従順な教員づくりを狙いとする初任者研修制度導入以降、新採教員の組合加入は激減している。
しかし条件付教員採用制度の矛盾とその破綻は今や明白だ。1月15日の埼玉地裁での被告側証言では、解雇の不当性が暴露されるとともに、指導主事、校長、教科指導教諭による初任者指導がまったくなかったことも明らかになった。制度の厳格な運用で初任者研修の1年間が「解雇」するための「評価」と「選別」の1年になり、「育てる」研修期間ではなくなっている。
教育委員会―校長―指導教諭という縦系列の指導体制は、教員集団による指導を破壊した。さらに官制研修でしめつけ、自主研修をつぶしてきた。「コミュニケーションがとれない」は個人の問題ではなく職場全体の問題であり、教員間、教員と生徒(保護者)の間でつくり出すものだ。
学級や学校の矛盾、保護者との関係を個人の資質や能力の問題にすり替え、自己責任論で新採教員を追いつめる。それが自死や病気退職、パワハラを激増させ、職場と教育を崩壊させているのだ。一昨年の都立学校新採の免職取り消し裁判でも「不十分な研修」を指弾している。
競争ではなく職場の協働と団結こそ新採教員を育てるもっとも重要な条件だ。今こそ職場に自主研修を取り戻そう。
◆ 条件附採用制度反対、非正規職撤廃へ
条件付教員採用制度は、1年間の雇い止め攻撃と青年教育労働者の非正規職激増をつくりだしている元凶である。
必死の努力で教員免許を取得し採用試験に合格しながら、教育委員会や校長の恣意的裁量権で退職強要・解雇される。そして非常勤講師や産休・育休代替、期限付き任用で働きながら再度、再々度の採用試験に挑戦する。身分保障のない非正規でギリギリの生活をしながら、教育の仕事に夢を描き頑張っているのだ。
日教組や全教の、闘いを放棄した上での「非正規職員の待遇改善」要求は、安倍の「同一労働同一賃金」による総非正規化攻撃に棹さすものだ。それは戦争攻撃と一体だ。
「一人の首切りも許さない」労働組合の原点をよみがえらせよう。職場からの闘いで退職強要・解雇阻止を闘い、団結と闘う教組を取り戻そう!
※ 表/条件附採用期間を経て正式採用とならなかった者の推移
/職場の闘いで不当解雇阻止を (教育労働者全国通信)
1月から、2015年度条件附採用の新採教員に対する「自主退職」強要が本格的に始まっている。しかし近年、新採教員の決起と職場の仲間の団結で、退職強要を拒否し解雇を阻止する闘いが全国で広がっている。「一人の首切りも許さない」は労働組合の原点だ。職場の闘いで新採教員の不当な解雇を絶対阻止しよう!
◆ 勇気ある決起が免職攻撃を破綻に
1月15日に行われた退職強要を拒否して解雇撤回を闘っている埼玉の元新採教員の裁判における証人尋問は、解雇の不当性を徹底的に暴く闘いとなった。
解雇当事者=被告側証人である当時の市教育委員会指導主事、校長、教科指導教諭の証言は、すべてが〝これが「教育者」の発言か〟と怒りなしには聞けない暴言の数々だった。
些末なことをあげつらった上に「授業中の声が小さい」「内職をする生徒を注意しない」「同僚とコミュニケーションがとれない」「教員に向いてない」――。これらが彼らの主張する解雇理由である。
原告側弁護士の追求で、指導の記録がほとんどされていないことが証明され、評価がまったく恣意的に行われたことが暴露された。
一体、労働者の解雇をなんだと思っているのか。家族と自分の生活の糧を奪い、未来を奪い、さらに職場と仲間を奪い、労働の誇りを奪う。〝解雇は殺人〟なのだ! こんなことでクビにされてたまるか! 新採教員の勇気ある決起が、明白な不当解雇であることを明らかにした。
06年の第1次安倍内閣の教育基本法改悪に先立つ「条件付教員採用制度の厳格な運用」以降、この埼玉の新採と同様の退職強要と解雇が全国で毎年300人を超えている。「指導力不足」「不適格」と決めつけられ、「自主退職」に追いつめられ、拒否すれば「分限免職」にされてきたのだ。
しかし日教組も全教も、闘わないばかりか「履歴に傷が付くから」と自主退職を進めている。
そんな中で、泣き寝入りを拒否し勇気を持って立ち上がった新採教員と支援の仲間によって、理不尽で不当な解雇が全国でいくつも打ち破られている。一昨年には都立学校で分限免職取り消しの勝利判決がかちとられている。そもそも組合が闘えば必ず打ち破ることのできる攻撃なのだ。
◆ 組合つぶしと教育破壊の攻撃
この攻撃は新採だけにかけられたものではない。人事考課制度や改悪地方公務員法の業績評価による分限解雇と一体の組合つぶしの攻撃だ。
条件付教員採用制度は中曽根の臨時教育審議会で提言され、1988年教育公務員特例法の改悪で、初任者研修の義務づけとそれに伴う条件付採用期間の1年延長が導入された。それは1年の「試用制度」に等しい。そして従順な教員づくりを狙いとする初任者研修制度導入以降、新採教員の組合加入は激減している。
しかし条件付教員採用制度の矛盾とその破綻は今や明白だ。1月15日の埼玉地裁での被告側証言では、解雇の不当性が暴露されるとともに、指導主事、校長、教科指導教諭による初任者指導がまったくなかったことも明らかになった。制度の厳格な運用で初任者研修の1年間が「解雇」するための「評価」と「選別」の1年になり、「育てる」研修期間ではなくなっている。
教育委員会―校長―指導教諭という縦系列の指導体制は、教員集団による指導を破壊した。さらに官制研修でしめつけ、自主研修をつぶしてきた。「コミュニケーションがとれない」は個人の問題ではなく職場全体の問題であり、教員間、教員と生徒(保護者)の間でつくり出すものだ。
学級や学校の矛盾、保護者との関係を個人の資質や能力の問題にすり替え、自己責任論で新採教員を追いつめる。それが自死や病気退職、パワハラを激増させ、職場と教育を崩壊させているのだ。一昨年の都立学校新採の免職取り消し裁判でも「不十分な研修」を指弾している。
競争ではなく職場の協働と団結こそ新採教員を育てるもっとも重要な条件だ。今こそ職場に自主研修を取り戻そう。
◆ 条件附採用制度反対、非正規職撤廃へ
条件付教員採用制度は、1年間の雇い止め攻撃と青年教育労働者の非正規職激増をつくりだしている元凶である。
必死の努力で教員免許を取得し採用試験に合格しながら、教育委員会や校長の恣意的裁量権で退職強要・解雇される。そして非常勤講師や産休・育休代替、期限付き任用で働きながら再度、再々度の採用試験に挑戦する。身分保障のない非正規でギリギリの生活をしながら、教育の仕事に夢を描き頑張っているのだ。
日教組や全教の、闘いを放棄した上での「非正規職員の待遇改善」要求は、安倍の「同一労働同一賃金」による総非正規化攻撃に棹さすものだ。それは戦争攻撃と一体だ。
「一人の首切りも許さない」労働組合の原点をよみがえらせよう。職場からの闘いで退職強要・解雇阻止を闘い、団結と闘う教組を取り戻そう!
※ 表/条件附採用期間を経て正式採用とならなかった者の推移
不採用者計 全採用者に占める割合『教育労働者全国通信 第73号』(2016年2月15日)
2002年度 102 0.64%
2003年度 111 0.61%
2004年度 191 0.98%
2005年度 209 1.00%
2006年度 295 1.36%
2007年度 301 1.38%
2008年度 315 1.32%
2009年度 317 1.28%
2010年度 296 1.15%
2011年度 315 1.11%
2012年度 355 1.20%
2013年度 351 1.18%
2014年度 321 1.07%
(文部科学省「公立学校教職員の人事行政状況調査結果について」より作成)
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